区民にわかりやすい情報発信を。港区役所新規採用者にデザイン研修を開催
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区民にわかりやすい情報発信を。港区役所新規採用者にデザイン研修を開催

デザインシップ運営事務局

こんにちは、一般社団法人デザインシップ理事の細見(@shosomin)です。

私たちデザインシップはこれまで「次世代の産業に向けたデザイン人材を増やす」というミッションのもと、デザインカンファレンス「Designship」やデザインスクール「Designship Do」等を主催してきました。
そして、デザインの力によるさらなる日本の産業力への貢献を目指して、2021年後期より地方公共団体へのデザイン支援を開始することとなりました。

そのための第一歩として、2021年10月26日- 28日にかけて東京都港区役所新規採用者・総勢約120名を対象にデザイン研修を実施いたしました。
今回は研修に至った経緯から、具体的な研修カリキュラム内容、デザイン研修を実践した様子までをご紹介します。

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研修経緯。東京都 港区広報からの依頼が発端

今回の取り組みは、東京都 港区広報専門職の加藤たけしさん(@takeshi_kato)に「区職員向けたデザイン研修」の実施についてお声がけいただいたところから始まりました。

港区では「区民にわかりやすい情報発信」を掲げている一方、わかりやすいデザインに苦手意識を感じている区職員が多く、デザインにまつわる研修ニーズが高まっているという背景があったそうです。

予てよりデザインシップでは日本の公的機関に対するデザイン提供などによって、日本のデザイン力とデザインリテラシーを向上させ、さらなる社会の産業力の向上に貢献したいと検討していたこともあり、改めて今回のデザイン研修の実施が決定しました。
そして港区人事課のご担当者も含めて、4-5回に渡るオンラインでの打ち合わせを実施し、具体的な研修設計を詰めていきました。

▼オンラインMTGの様子

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研修概要は?ゴールを"デザインへの可能性"を感じさせることに

数度の打ち合わせを経て、研修のゴールや全体のテーマを明確にしました。

【全体テーマ】
区民にわかりやすい情報発信

【対象者】
令和2年度~3年度東京都港区新規採用者

【研修のゴール】
情報発信をするときに伝える相手にどうしたら伝わるかを考え、区民へ情報を正確にわかりやすく伝える意識を持ってもらう。
また、デザインの自分ごと化をしてもらうことで深堀りすればもっと学べそうという可能性を感じてもらう

今回の研修対象者が、
・デザインに関してまったくの初学者
・デザイン業務を研修後に必ずしも実施するわけではない

という属性を持つという背景を受け、具体的なナレッジの伝達だけではなくデザインへの可能性を感じてもらうことで、今後のデザインナレッジ収集に対する動機形成へ繋がるような状態にできることをゴールとしました。

具体的な研修カリキュラムの内容について。現役デザイナー3名を中心に全国各地のデザイナーと共に設計

今回の研修カリキュラムは、事業会社にて現役でデザイン業務に従事している3名のデザイナーを中心に、日本全国の地方公共団体支援に興味があるデザイナーからのフィードバックやサポートを受けながら、設計されました。

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実際のカリキュラム内容を要約してご説明します。
全体構成は「デザイン基礎+デザイン応用+ワークショップ」の3段構成としました。

1.デザイン基礎:まずは、手を動かしながら「デザインとは何か」を考える

まずは導入として、「デザイン=見た目」ではなく課題解決を考えていくものであるという、そもそものデザインという行為に対する考え方についての再インストールを図りました。

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当日は、カリキュラムの最初と最後にグループに分かれて「デザインとは何か」について付箋に書き出しました。

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最初は予想通りデザイン=「見た目をよくする」「アレンジする」といった回答内容が多かったですが、カリキュラムを通して自らも日常でデザインしたと思う行為を洗い出せるようになり、デザインがいわゆる絵が書ける人に限定された行為ではないということが無事に伝わったようです。

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2.デザイン応用:情報をわかりやすく伝えるにはどのようにすればよいのか、具体的な方法を伝授

基礎パートでデザインの考え方に関する土台を固めた後、実際にターゲットに情報をわかりやすく伝えるにはどのようにすればよいかについての具体的な思考法を紹介しました。

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具体的なデザインのTipsも紹介することで、些細な工夫ひとつで伝わり方が大きく変わるというデザインの可能性についても伝わるようにしています。

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当日は印刷した資料を事前に配布していましたが熱心にメモを取る方が多く、質問も上がりました。

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3.ワークショップ:実際に手を動かしながらアイデア出しを行う

最後に、デザイン基礎・応用で学んだことを実際に活用しながら、新たな視点や気付きを発見するためにワークショップを実施しました。
実際に港区で配布された「広報みなと2021年10月18日 衆議院議員選挙特集号」を題材に、誰が・どのような目的で利用しているかを想像しながら、手を動かして改善のアイデア出しをしました。

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まずはグループごとに意見を交換しながら、模造紙に「主な利用者/ポスターの目的/ゴール」をまとめます。

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そしてグループ内で決めたターゲットやゴールに向けて、アイデアを絵や文字で起こしてアウトプットしていきます。

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最後に会場全体に発表し、講師からのフィードバックをもらいます。
港区の区民を対象に、もっと文字を大きく配置したほうがわかりやすいのではないか、要素を厳選したほうがよいのではないのか、と届けたい対象が強く意識された多くの実践的なアイデアが発散されていました。

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アンケートの反響。職務への役立ち度85%、講師満足度は98%

研修終了後には、参加いただいた職員の方々にアンケートに回答していただきました。アンケートでは、デザインに関連する業務を行わない職員が多いにも関わらず、今後の職務に役立つと回答された方が85%でした。そして講師満足度は98%という高い結果になりました。
またコメントの一部を抜粋してご紹介します。

・保育園を運営する事業者向けに、補助金の申請方法等を案内する際に、わかりやすく伝える工夫をするために応用できると思いました。
・普段の業務にはあまり関係ないのではと思っていたが、仕組みづくりそのものもデザインであるとの言葉が印象的で、考え方においておおいに参考になった。
・伝えたい相手にきちんと伝わる内容を考えていく、というのは相談業務でも大切だと思いました
・「目的」と「ゴール」を設定することで、より区民の方に対して有益なものを提供していけると思いました。


最後に、私達は引き続き地方公共団体へのデザイン支援を実施します

以上、港区役所新規採用者に対するデザイン研修の様子をお届けしました。
今回は研修という単発でのクリエイティブ支援になりましたが、デザイン初学者である港区職員にデザインの考え方や可能性についてお伝えすることができ、港区人事課のご担当者さまからも良い反響をいただきました。

私達としては、今後とも公的機関に対するデザイン支援を行う活動の実施を通して、地域行政のデザイン力とデザインリテラシーを向上、ひいては社会の産業力と創造性の向上に貢献することを目的とした活動を行っていきたいと考えております。
今回のような取り組みに関して興味がある行政機関に関しては是非お気軽にお問い合わせをいただければと思います。

◆デザイン研修およびデザイン支援に関するお問い合わせはこちらのメールから
gov@design-ship.jp

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