「男女に友情は成り立たないよ」

遠い昔、私にそう教えてくれる人がいました。

私はたぶん……世間で言う「恋愛体質」とは、ほど遠い気がするんです。
そして一目惚れとかも、ほとんどしないタイプ。

男性がいる環境の中で働いていた時に、やたらと「女性」ということを意識されるのが嫌だった。性の対象としての女性、という意味。私にそう感じさせていた時点で、2020年の現在では「セクハラ」という扱いになるのかもしれない。

女友達と出かけたり、お茶したりするのと同じ感覚で、男友達とも遊びに行ったり、ゴハン食べに行ったりしたい、と思うのは世間からずれている感覚なのだろうか。

相手の受け取り方次第。といったところもあるかもしれない。それでも、どうして、「男性」とか「女性」とか区切る必要があるのだろう。気が合うから一緒に遊んだり、お茶したりしたい。そういう感覚だ。

男性とは、女性よりも冷静に、客観的に話ができることが好きだ。女性とは、自分の感情をわかってもらいたい時、そういう時にはとてもありがたい存在だ。

もちろん、結婚していたらそんな自由はないことは重々承知だ。日本では結婚をきっかけに友達が減ってしまうことがある。女性の場合、妊娠・出産を経て、ママ友という連合が旧友にとって変わったりする。

ドイツに居た時、アイルランド出身の女性がいた。子供が三人いても、家族に籠ることなく、一緒にランチしたり、勉強したりと、三人の子供の母親という雰囲気はまとっていなかった。

「一人の女性として、自分の人生を楽しみながら生きている」

家族のために自分を捧げている、そういう印象は一切受けなかった。

私もそういう生き方がしたい。ここカナダで。

パートナーが居ようと居まいと、そういうことには関係なく、いろんな人と知り合って、広い世界の中で自分らしさを実感していきたい。

全然違う自分が出てくるかもしれないし、「あぁ、私はやっぱりこれが大切」と思う価値観や環境に出会うかもしれない。

そういう感動に出会うのを楽しみに、生きていきたい。


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