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#デザインファーム

オンラインワークショップで築く、フラットな関係性

こんにちは、ACTANTの伊集院です。以前取り組んだプロジェクトで、通信学校の先生とひきこもりがちな高校生を対象にしたオンラインワークショップを実施しました。 一般的に、Zoomなどのビデオチャットツールを使用したオンラインでのコミュニケーションは、細かい表情や抑揚が伝わらなかったり、あいづちや合いの手を入れた談話形式の会話進行ができなかったりというデメリットが語られることが多いです。 今回は、新型コロナ対策ということもあって、リアルな対面ではなくPC越しでのワークショッ

絡み合うサービス / 交通サービス編

初めて訪れた土地で、目的の場所にどのように行ったら良いのだろう?と頭を悩ませたことはありませんか。最近は、googleのおかげでずいぶんと簡単に調べられるようになりました。十数年程前に旅をした時は、地図とメトロのマップを片手に随分と手間取っていたことを思い出します…。近頃、私にとって未知な都市パリを拠点に生活をするようになり、都市における移動のユーザ体験がスマートにデザインされたサービスCitymapperに出会いました。過去にもオススメをされていたのですが、利用してみるとま

ACTANTという社名の由来、込めた期待

ACTANT(アクタント)という会社をつくってから約二年半。その間ACTANTという社名の由来はなんなのか質問されることが多々ありました。学術的な用語を引用したものの、メンバー間でも意味の共有をそこまで明確にしてこなかったので、その都度モゴモゴとそれらしいことを答えてきました。そろそろまじめに整理しつつ、次回質問を受けた際はバシッと明確に、且つかっこよく返答するための準備をしておきたいと思います。 アクター・ネットワーク理論と日常生活ACTANTという単語は、ブルーノ・ラト

共創優位のイマジネーション

情報化がサービスの交換に及ぼす影響は、プロバイダとユーザの隔たりを埋めることに留まるものではありません。それは、これまで関わりを持つことのなかった様々なアクターや、そのリソースの間に、新しいつながりを生み出します。Nike+の例でも、ジョギングシューズとセンサ、インターネットにつながるパソコンやスマートフォン、ユーザ(個人やユーザコミュニティ)のデータ、各種のコンテンツ、オンラインのソフトウェア・アプリケーションといった、様々なリソースを組み合わせて使用することで、「ジョギン

サービスの広がりと隔たり

前回の記事で指摘したように、今日の社会では様々なモノが人々のサービス交換の手段として役立っています。工業化を通じてそのようなサービスの媒介手段(=製品)が大量に生み出され、人々に多大なる恩恵をもたらしたことは言うまでもありません。しかし、それは一方で、サービスを交換する者どうしの情報的な(そして情緒的な)隔たりを生むことになります。 ソムリエは、レストランに訪れた客の料理の注文の相談にのり、ワインの好みを尋ね、料理との相性を考えながらお薦めのワインを提案します。ヘアスタイリ

モノから見たサービス、サービスから見たモノ

「サービスという言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?」 例えば、店の人から何かを無料でオマケしてもらったというような、特別な計らいを受けた経験を思い出すかもしれません。 あるいは、美容室やクリーニング、会計士やコンサルタントのように、専門的な技能を持った人に自分の仕事を代わりにしてもらうことや、手助けをしてもらうことを想像する人もいるでしょう。 またお金儲けに興味のある人なら、○○レンタルや○○リースのように、モノを売り渡さずに利用させて儲ける方法が頭に浮かぶかもしれません

サービスデザインとは何か ~デザイン能力はサービスビジネスの不可欠要素に~

日本語としては「サービス」+「デザイン」で「サービスデザイン」だな、ということはわかると思いますが、そういう意味ではなく、固有名詞として昨今サービスデザインという言葉が話題を呼んでいます。 このサービスデザインという言葉は、欧米では、数年前に話題になったデザイン思考(Design Thinking/デザインシンキング)という概念を具体的にビジネスに落とし込む、という文脈で用いられています。 デザイン思考とは、米国のデザインコンサルティング会社IDEOが提唱した概念で、簡単