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デザイン会社のアナログ時代

会社スタート当時(1980年代)

会社スタート当時(1980年代)は、当然アナログで作業でした。
写植」なんていう言葉、
今ではすっかり聞かなくなりましたが、
使っていた当時はとても画期的なもので、無くてはならないものでした。
写植の無いもっと昔は文字を書く専門のデザイナーがいたくらいですから…

写植、鉛筆、カッター、ロットリング、デバイダー、ピンセット、定規、
色鉛筆、トレスコ、アイロテック…などなど

たくさんの道具を使ってデザインをしていましたね。
職人的な要素が強かったように思います。
しかし今だに文字が間違っていることを誤植というのが面白いですね。
言葉にだけ写植の名残が残っています。
やがて、世の中的には割と遅い方だったと思いますが、
弊社にもデジタル化の波が押し寄せてきました。
もうアナログでやっている場合ではないと。
しかし当時の抵抗感ときたら計り知れないものがありました。
当然やりなれているアナログ作業の方が進行も早く、快適に仕事ができるわけです。
でもこの切り替えができなければ会社として終わってしまう。
そこでみんなで頑張りました。
作業効率も悪く、この時期は本当に残業が多かったと思います。
今ではキーボードを押すだけで自分がしたいことが画面に映し出され、
どんどんと仕事をこなしていける。
印刷物の仕上がりも画面の通りにできてきます。本当に素晴らしいです。

アナログ時代のいいところ


でもアナログ作業にもいいところがありました。それはたくさん考え想像できるところです。
カラーコピー機がありましたのである程度の再現はできましたが、
入稿する時は写真とDICの色見本と「にらめっこ」で、考えに考え想像に想像を重ね、
自信をもって指定をしていました。
ちょっと違ったなぁと思う時もありましたが、
自分が考えに考え、想像した通りに仕上がってきた時の喜びは
これはたまらないものがものがありました。
どんどん自信になっていきました。
そういう気持ちを味わえたアナログ時代。
本当に貴重な体験だったと思います。
そのアナログ時代を経て、今のデジタル時代にもその経験を活かしデザインし続けています。


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