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展望: 2024 J2 第10節 いわき vs 清水

第10節、アウェイいわき戦の展望を書いていきます。

昨季の対戦成績は2試合トータル16-2で清水

昨季、清水はいわきに対して2試合連続大勝勝利と、清水にとっていわきは「お得意様」でした。ハイライトを確認してみましょう。

  • 第14節 清水 9-1 いわき

  • 第39節 いわき 1-7 清水

まさに清水が、J2に初挑戦するいわきに対して、先輩の風格を見せつけた形でした。どちらの試合も早い時間帯に清水が先制。前に出ていかざるを得なくなったいわきのプレスを清水はかいくぐり、速攻を中心に追加点を奪うような展開に持ち込めました。
特に両試合共に先発した乾が本領を発揮しましたね。
一方で2試合で5得点をあげた中山、初戦ハットトリックのサンタナはもういません。またいわきも多く選手が入れ替わりましたので、あまりこの2試合の結果は参考にならないでしょう。
むしろいわきFCの田村監督が「乾対策を徹底する」と言っている通り、昨季の借りを返そうと、他のチーム以上の対策を練っているはずで、油断などしては必ず足元をすくわれると思います。

今季のいわきの成績は?

今季のいわきはこれまで3勝4分2敗で勝ち点13の10位と好位置につけています。直近5試合では、1勝3分1敗と良い成績を収めており、前々節は藤枝に3-0で勝利。前節も強豪の横浜FCとのアウェイで2-2の同点と好調を維持しています。

いわきと清水の直近5試合の成績

いわきはどんなチームか?

田村監督の考えは「スタイルを貫いて勝つのではなく、勝つためのスタイルを追求する」ということ。つまりしっかりと相手の対策を練った上で、自分たちの強みのスタイルを適用していくという考えだと思います。
いわきのメインスポンサーは米国のスポーツウェアブランドのUnder Armourです。スポーツブランドらしく、いわきFCにはいわきFCパークという海外のような素晴らしいクラブハウスがあり、その中には非常に充実したジム施設があります。(ちなみに、とてもおしゃれな建物で、テラス席のあるカフェやレストランでごはんやお茶をしながら選手たちの練習を眺められます。ハワイアンズスタジアムから車で10分の場所にあるので、是非訪れてみてください。)

UNDER ARMOURの運営するいわきFCパーク

何度か特集もされていますが、このイメージの通り、いわきFCは「フィジカル革命」を掲げ、まず選手たちのフィジカルを鍛え上げることをベースにしています。これによって強靭な肉体ができあがり、いわきFCのプレス強度が高く、90分間走れるサッカーを可能にしているのです。

走力とフィジカルを活かして、前線から絶え間なくプレスをかけて、ボールを奪ったら、どんどん人が走って追い越す、というサッカーがいわきの目指しているサッカーだと思います。
スタッツの中でも、タックル数が20チーム中1位と、このプレス強度の高さを証明していますね。

いわきFCのスタッツ

いわきのシステムと予想スタメンは?

いわきは非常に特徴的な3-4-3(あるいは3-4-2-1)のシステムを採用しています。また第8節、第9節と同じスタメンを起用していますので、清水戦もおそらく同じ形でくると思います。

いわきの予想スタメン(藤枝戦・横浜FC戦と同じ)

全選手走力がありますので、局面によって、例えば左サイドだと、谷村、大迫、山口、大森と4選手が数的優位を作って突破にかかってくるなど、走れるからこその3-4-3システムの採用ですね。
またスタメンはこうですが、藤枝戦も横浜FC戦も、ハーフタイムに大西→山下、近藤→有馬の交代をしているのです。これはおそらく最初から45分ずつプレイタイムをシェアすることで前線と中盤の強度を保つという作戦なんだと思います。

いわきの注目選手は?

まずは今年鳥栖(所有はセレッソ)から期限付き移籍で加入した、U-23世代でもある西川潤選手。甘いルックスもあり、高校時代からスター選手でしたが、少し伸び悩んでいることもあり、今季意を決してのいわきFCの門を叩いたのだと思います。アジア競技大会でU-23日本代表の10番として出場した西川選手ですが、決勝の韓国戦で、韓国の女性ファンの注目を集めたことは記憶に新しいですね。

もちろんプレー面でも、攻撃センスの高い良い選手です。いわきFCの攻撃の起点となる選手の一人ですので要注意ですね。一方でいわきの中では、フィジカル的にまだ十分とはいえないので、西川のところでボールを奪取できるような展開になれば、有利に試合が運べると思います。
次に上げたいのはボランチの大西選手。大卒ルーキーですが、既に筋骨隆々で非常にフィジカルが強い印象。チームとして1位のタックル数を誇るいわきFCですが、その中でも圧倒的なタックル数なのがこの大西選手なんです。1試合平均5.7はJ2トップのタックル数ということで、まさにタックル王ですね。

いわき大西選手の個人スタッツ

最後にあげたいのは、左サイドで左利きの大迫塁選手。あのいきなり海外に渡った福田師王と上村学園の同期でまだ19歳の高卒2年目。

神村学園時代はキャプテンで高校選手権ベスト4に

非常に左足の精度が高く、横浜FC戦での直接ゴールを含めて、セットプレーでチームを牽引しています。いわきFCのPKを除く14得点の半分がセットプレーから(清水の失点もセットプレーが多い)ということで、この大迫選手の存在が今季のいわきに大きなプラスの影響を与えていることは間違いないといえます。

いわきFCの得失点パターン

清水の予想スタメン・サブは?

清水は前節の甲府戦でカルリがスタメン復帰、北川・乾がサブ復帰となり、3選手とも良いプレーをしました。よってこの3名は順当にいけば、いわき戦はスタメン出場になると思います。
また原選手も練習復帰の報道、蓮川選手も甲府戦は出場こそなかったもののベンチ入りはしていたため、久しぶりにフルメンバーで戦うことができそうです。
高橋選手、吉田選手も好調であるため、怪我明けの蓮川選手、原選手はベンチスタートを予想します。予想スタメンは以下の通りです。

いわき vs 清水 清水のスタメン予想

その上で、サブには、沖・蓮川・原・白崎・松崎・西原・千葉が入ると予想します。タンキのコンディションが良ければ千葉の代わりにタンキ、原がまだ間に合わなければ北爪が入る形になるでしょう。

清水はどう戦うか?

昨季は清水が早い時間に先制点を取ることで、試合を有利に運ぶことができました。今回も先制点を早いうちに取るということが大事になると思います。
またいわき田村監督が宣言した通り、乾に対してはマンマーク、おそらくタックル王の大西をつけてくるでしょう。そうなった場合は乾は中央を回避してサイドでボールを受けるような役割をするはずです。その時にサイドのカルリやブラガが中に入ることで、相手のマークをずらし混乱させることができると思います。
また昨季に中山が裏をたくさん取ることができたように、ブラガや北川にはいつも以上に裏抜けをするイメージをもってプレーして欲しいですね。

最後に

第10節と節目でもありますし、この後はGWに入るため、ルヴァンカップも含めると6連戦が控えています。ここでアウェイ連勝で良い雰囲気で6連戦に入るか、足踏みするか。首位という位置をキープする上でも非常に重要な一戦になりますね。
昨季のような大量得点は望みません。とにかく勝ち点3を取れるよう、選手たちには頑張ってほしいです。現地で、今回は来られない相方の分まで、全力で応援したいと思います!

明日は16:00と少し遅めのキックオフ

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