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建築家は止まらない

旅の記録を「ダラダラ」書いているようでその実自分の中では割と一貫している(と、酒量ばかり、渉がゆき)。

今回5泊6日〈福島・陸前・陸中〉の旅の中、やや無理をして日程を編み出した。それは正直言えば「我が為」である。ここ数年ただただ机に向かうばかりの脳内人生であった。50代の前半くらいまでは仕事も外向きが多いし、性格的にも苦痛はなく、さしたる面倒は感じなかった。が、塾講師を始めてからrというもの、ズッと室内での仕事である。いけない、ひたすら「動かない」状況から何とか抜け出さなければ、という思いもどこかにあった。

引率責任の森君の高校時代の同窓生、建築家渡邊義孝氏はとてもチャーミングな人だった。やがて某出版社からイラスト入り(というかイラストが主役の)「台湾日式建築」本が出版されるそうで更正担当との夜のオンライン打ち合わせ続きで、東北の海の幸を肴に呑むわけにはいかなかった(残念)

エドワード・ヤンが撮った映画の中に妙に日本風の家屋が出てくるなと思ったが、宜なるかな、日本は50年も侵略統治していたのだから日本人好みの建築だらけなわけである。現地の気候条件に合わせた工夫すら施されている。お膝元への資本投下以上だったろう。北部台北のみならず台湾中部、南部に至るまで、また台湾に帰属する島にまで日式建築は及ぶそうだ。

建築家渡邊氏の好奇心は今回私にとってとてもいい刺激になった。