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エスコンフィールド北海道が良すぎた

こんにちは。本日(6/15)エスコンフィールド北海道で日ハムと巨人の試合を観戦してきたのですが、事前の評判通り最高の観戦体験だったのでそのどこが良かったのかを共有したいと思います!

エスコンフィールド北海道は、一言で言えば野球観戦を再定義するような球場であると言えます。野球観戦だけでなく、周囲を観光地化し、さらにはこの地域に新しく街を作ろうという試みでもあるわけです。例えばマツダスタジアムはボールパークの代表例ですが、物理的な制約もあって「周囲に街を作る」ほどの効果までは期待できません。この点にこそエスコンの特別性があると考えるべきだと思います。

さて、エスコンの「野球観戦を再定義」する要素としては、北海道産のグルメを活用した魅力的な飲食店が数多くあることが挙げられます。これによってスポーツの価値と北海道の価値を統合する効果が期待できますし、グルメが話題になっているのを見て球場に行ってみようと思う人も少なくないはずです(例えば「つっこ飯」が話題になったりしています)。

https://www.fighters.co.jp/expansion/gourmet/store/store-43.htmlより。「海味はちきょう」さんの「つっこ飯」です。

また、野球自体に興味のない人でも楽しめる要素として、球場内で野球を見ながらサウナを楽しめたり、屋上にジンギスカンを楽しめる場所があったりと、エンタメ性も満載であることも挙げられます。ありとあらゆる「これあったら面白いよね〜」と詰め込んだ球場です。

屋上。気持ち良すぎ。後ろでジンギスカンができます。

野球ファン目線では、そもそも野球場としてのクオリティが非常に高いということも重要な魅力だと思います。本来の魅力を疎かにしている球場がいくらボールパーク化を目指したところで無意味なわけです。この記事ではこの点を強調したいと思っています。

まず、通路が非常に広く、かつ通路からフィールドを直接見られる点が非常に良いです。最近できた台北ドームとかもこんな感じだったと思います。

通路とフィールドが近い!

また、大きなビジョンが二つあることも利点として挙げられると思います。最近の球場ではビジョンの大型化が進んでいますが(パリーグの本拠地球場は特にそうですし、東京ドームも改修に伴ってビジョンが巨大化しました)、それが二つあるのは特異です。これによって、あらゆる席からビジョンの情報にアクセスできるようになっています。

この写真では切れちゃってるけど、ビジョンはもっと大きいです。

内野席・外野席の役割を転換している点も指摘するべきでしょう。普通の球場では、内野席が近くで野球に集中する席、外野席は見やすさを犠牲にして応援という「祭り」を楽しむ席として定義されていますが、エスコンでは内野席が応援席になっています。これは台湾の球場も同様です(少なくとも台北ドームは)。では外野席には何の魅力があるかというと、なんと座席の上方にテレビ中継の映像が流れるディスプレイが設置されているので、「このボールストライクなのかなぁ」とか、「球種なんだったんだろう」とか思った時はディスプレイを見れば良いのです。

最後に魅力として挙げたいのは、ビジター客への配慮が行き届いている点です。北海道にもともと巨人ファンが多かったこともあってか、この試合には相当数の巨人ファンがいましたし、イニング間の企画でも巨人ファンを多く登場させたり、試合後に盛り上がる巨人ファンの様子をビジョンに映したりと、全体的に温かみを感じました。またこれをこの項目に入れるべきなのかわからないのですが、球場スタッフが「何でも聞いてください!」と書かれた札を掲げているのも印象的でした。そう書いてくれると聞きやすいですよね。

あんまり関係ないんですが、巨人ファンと日ハムファンが一緒にいる組が(他の組み合わせに比べて)多かった気がします。

そういえば、グッズショップも良かったです。ファンじゃなくても買いたくなるグッズ(キャップとか、Tシャツとか)が多かったし、繁体字中国語での商品説明が併記されているのも印象的でした。おそらく台湾のファンが多いのでしょう。海外ファン層の拡大はNPB全体で狙っていくべきポイントだと常々思っているので、素晴らしいと思いました(他の球場でもやっていたらすみません)。

最後におまけとして、エスコンフィールド北海道の経済効果について触れておきたいと思います。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によれば、エスコンによる北広島市への経済効果は毎年500億円超と予想されています(ただし、日経の記事によれば道銀地域総合研究所の試算で一年間の経済効果が211億円であると試算しているので、ある程度のブレがあるかもしれません)。また、北広島市の税収増は10億円〜15億円に上ると試算されており、元々の税収が80億円弱であることを考えればかなりのインパクトを持つことになります。ただし、北広島市は球場建設のために200億円を費やしており、また来る新駅建設のために90億円弱を支出することになっているため、最終的にペイするにはかなりの時間を要する可能性があります。

ただそれでも、エスコンフィールド北海道が街づくりまでも目指しており、周囲への新駅建設、大学施設の誘致、住宅の建設を行っていることを考えれば、この球場ができたことによる効果は幅広い領域に及ぶと言えます。また、このような球場が地方都市にできたことの価値は計り知れないものがあります。エスコンフィールド北海道が成功例として評価され、他の地方自治体でも地域の活性化のために魅力的な公共施設を作ろうという流れが生まれると良いなと(都市開発の素人としては)思っています。




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