【詩】 どうせ

どうせにまみれている世界で
きみがいったことばが忘れられない

 どうせ、いつか死ぬし

そうか
きみも死ぬのだ
いつしか、死ぬのだ
最期の時が来るのだ

昆虫も爬虫類も哺乳類も、ひとしく終わりを迎える 機械だって同じだ

きみに終わりが似合わなくて困る
ぼくには似合うけれど

しかもふたりで終わりに迎えるとも限らないなんて

ぼくは
なにもかもどうせで諦め
救われてきたはずなのに

きみのどうせだけは
だけは
希望にならない

きみのどうせは
ぼくにとっての苦しみだ

ぼくのどうせも
きみにとって
苦しみだったり するのだろうか

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?