見出し画像

BRM203追い風400

AJ神奈川のBRM203追い風400に参加してきました。
愛知県三河安城駅から神奈川県逗子市に向かう400㎞のブルべです。
ブルべでの400㎞はAJ宇都宮主催2019年のきたかん400以来。しかも当時腸脛靭帯炎を患っていたため、250㎞地点位でDNFだったので認定ならず。
flecheやら個人的なライドでは400㎞走行は初めてではありませんでしたが、認定はされたことがありませんでした。

動脈障害で去年は大好きな長距離を走る事ができなくなっていたので、その鬱憤を晴らすべく、気持ちよく走れるという定評のある本ブルべにエントリー。
術後4か月の挑戦としても、ちょうど良かった(?)と思います。

今回の目標

2年前に、東京→大阪または大阪→東京間を24時間で走る「キャノンボール」に挑戦しつつも一度失敗しているので、今回はキャノンボールペースを肌で体感するためにも、グロス平均速度22km/h、18時間くらいでの完走を目標にしました。
まだキャノボに再挑戦できるほど走力は戻っていないし、今回は旦那と二人で走る予定なので色々と条件は違いますが。
それに、2日目の早朝から雨予報だったので、18時間で走り切ってしまえばぎりぎり雨雲から逃げられる可能性もあり、眠気も襲ってこないだろうし、一石三鳥です!

前日

2月3日13時スタートという少し変則的なスタート時間だったので、前日2月2日の昼過ぎに前日入り。
駅チカのABホテルというホテルに宿泊しました。夫婦2人ツインで6000円。安すぎる。しかも結構しっかりした朝食バイキングもついてました。

なんと自宅にスマホを忘れるという大失態を犯しましたが、旦那がいたので乗換案内やら地図表示やら全てを任せる事で事なきを得ました。
1人だったら出走も危うかったかも…。自分のアホさに辟易としました。

コロナワールドで温泉に入り、地元の焼き鳥屋さんで安くて美味しい焼き鳥に舌鼓を打ち、近所のスーパーで翌日の補給食である大量の薄皮パン(に準ずるもの)を買い込み、22時に就寝。

当日

400㎞ブルべは眠気との戦い。
眠気には弱い方なので、前日は時間ぎりぎりまで寝ました。8時に起きたので10時間は寝ることができました。寝るの大好きなので、全然寝れるもんです。
サークルの皆と合流し、安城のソウルフードといわれる北京本店の北京飯を食べました。
期待以上の美味しさにブルべへの士気が更に上がる!!!

薄く切った豚のから揚げをトロットロの卵と絡めたどんぶり

出走

13時からのウェーブスタート制で、私と旦那は13:05にスタート開始。
最初は信号と車の多い市街地を走るので飛ばしすぎず淡々と。
途中で後ろからサークルの仲間のマサトゥーさん、かっちゃん、オゴウくん、おとうふさん一行がやってきて、お久しぶりのじーにょさんとも出会ってお喋り。
そして、私たちから更に5分遅れでスタートしたはずのkatsuakiさんが早くも大井池の登りの辺りで追い付いてきました。

皆と一緒のペースで走り、50㎞先のPCに到着。
私と旦那は前述の通り目標時間があるので、目についたレジ横のチョコレートボンボンを取ってレシートをもらい、すぐに出発。
休憩大好きな私としては多分史上最短PC滞在時間だったと思います。

PC1から10㎞くらい走った所の宇利峠というゆるゆるした短めの峠を登っていると、後方からマサトゥー、katsuaki、おとうふゴリゴリ軍団の影が!速すぎるんよ・・・

ダウンヒル中にあっさり追い付かれ、そこから先は一緒に走る事になりました。まあ峠では確実に置いて行かれるので、先駆けできたと思えば。
浜名湖の湖畔はビュンビュン走り、途中車のほとんど来ない、信号もない、一直線の気持ちいい区間では浜名湖TTステージが始まり一気に通過チェックのコンビニへ。
コンビニに到着したころにはうっすら辺りが暗くなってきていました。ここから夜間ステージ。いよいよブルべな感じになってきて少しテンションが上がります。

PC2~宇津ノ谷

完全に空が暗くなってしまうと、もう自分がどこを走っているのかわからずただただ信号のない区間→町→信号のない区間→町のループをしている感覚。
マサトゥー&katsuaki最強ペアが代わる代わるゴリゴリ踏んでくれてどんどんグロス平均スピードが伸びていきます。
その間私は薄皮パンをこまめに食べながら、ただただ千切れない様ついていくだけです。すごい姫プレイ。
しかしながら決して楽なペースではなく、Z2~Z3走位の良いベーストレーニング強度。だんだんと右腹部の傷跡が痛んできてうまく右体幹に力が入らなくなってきたので、この快適(?)な姫プレイが終わるのも時間の問題かもしれないと思いました。

そして宇津ノ谷トンネルのPC2に到着。
なんとここでは豚汁やお菓子やコーラが振舞われました。豚汁は分厚い豚肉たっぷりで嬉しい!薄皮パンとレーズンロールパンばかり食べていたのでしょっぱいものが身に沁みます。
優しいスタッフの方々がいっぱい声かけて労って下さり、癒されました。
当初の計画では休憩5分を想定していましたが、つい長居をしてしまいました!

宇津ノ谷明治トンネル。レトロで良い雰囲気!

ほっこりした気持ちでPC2を離れ、宇津ノ谷峠を下ります。
後ろから来ると思っていたマサトゥーさん、katsuakiさん、おとうふさんはいませんでしたが、彼らは速いからそのうちまた追い付いてくるでしょう。旦那と二人で、再び信号のない区間→町→信号のない区間→町の繰り返しをこなす作業です。
流石に牽いてもらいっぱなしは悪いので、ちょっとだけ前に出ますが、すごい頑張っているつもりなのに30km/h少ししか出ず、自分の無力さを感じました…。

自分も牽きたいけど、自分が前出ると速度は落ちるし後ろの人はぐっと強度が下がって身体が冷えてしまうだろうしで申し訳なくなる。パワーが欲しい…。

雨、雨、雨

駿河健康ランドを過ぎた辺りでやっぱり3人組に追い付かれました。マサトゥーさんは「めっちゃ踏んだのに全然追い付けませんでしたよー!!!!」と興奮気味で、それとは対照的におとうふさんは死んだ目。引き摺り回された事は想像に難くありません。信号運が悪いと、なかなか追い付かないものですよね。

千本松原のド平坦の辺りで、マサトゥー&katsuakiトレインの強度が少し上がり、再び傷跡がだんだんキツくなってきたので旦那と離脱を判断。
近くにあったミニストップで休憩したら、痛みが引いたので助かりました。また、痛みからなのか食べ物の消化が上手く働いてないのか、胃液が逆流してきそうになりました。胃袋は頑丈な方なのになあ。
それでも食べないと回復もしないので、購入した梅おにぎりを無理やり詰め込みます。

おにぎりパワーでちょっと元気になって、出発。
沼津を過ぎた24時くらいからポツポツと雨が降り始めてきました。予報では早朝から雨だったはずなのに、だいぶ雨が早まったようです。念のため持っておいたレインジャケットを着て今後に備えます。

エベレスティングの時にU10さんにいただいていたテムレスがここに来て大活躍!浸水しないのは勿論、操作性も良いしグリップも抜群!

伊豆長岡に着く頃には本降りに。路面も完全に濡れてしまい、ブレーキが利きづらくなりました。伊豆長岡にある自転車フレンドリーな宿、コナステイの事を思い出し、今泊まれたらなあ~なんて思いながらなんとか通過。ここは朝食もおいしいんです。

今回唯一の本格的な登りである冷川峠を登るころには、1mm以上の雨が降っていたと思います。
登りでの雨はもはや気にならないので良いのですが、登りで一定パワーがかかると傷跡が痛くてたまりません。脚は元気なのに、体幹に力を入れることができなくなり、ゆっくりとしか登れなくなってしまいました。
呻きながらヒルクライムをし、旦那に励まされながらなんとか登っていると、途中の交差点でマサトゥー&katsuakiペアの背中が!
嬉しくて痛みが軽減しました。
眠すぎてフラフラになっていたそうですw
やはり仲間が複数人いると楽しい。お喋りしながら和やかに冷川峠を登り終わります。

私はカーボンホイール×リムブレーキという最も雨ライドと相性の悪い組み合わせだったので、ダウンヒルは慎重に慎重に。しかも深夜帯で辺りは真っ暗なため、多分30km/hも出せませんでした…。

冷川峠を下った所で、PC3伊東中伊豆のコンビニに到着。ほどなくして、おとうふさんも追い付いて、再び全員集合。
雨×冬×深夜の最悪コンボの為か、全員顔が虚無になっていました。
旦那が、寒すぎてDNFしたいとか泣き言を言っていたので、購入したホッカイロをあてがい、喝を入れました。
皆はカップラーメンを食べ、私はコーヒーを飲み、温かいものと気合を注入して、リスタートです。なんてったってあと100kmしかないんだもの。
今までの行程を考えたら、すぐです、すぐ。

根府川駅

全員集合したし、このまま皆で仲良くゴールまで行く感じかな?と思ったら、コンビニを出た直後の下りで置いて行かれましたw
しょうがないです。時速30km/hも出てないヨボヨボダウンヒルでは、皆には追い付けません。旦那は気づいてくれたので一緒に降りることができ、
再び二人旅です。(毎度毎度申し訳ない…)

海岸の全く見えない海岸線を走り、次のフォトチェックポイントである根府川駅を目指します。
路面がかなり水没しおり、ジョボジョボ音を立てて水の中を走るたびに、ホイールに水が入りそうで嫌でした。
伊東から小田原まではほどよくアップダウンがあり、飽きずに楽しく走る事ができました。たとえ景色は見えなくても。
途中でトイレに寄っていた3人衆と再び出会い、突如現れるイヤ~な坂に文句を言ったりしつつ、根府川駅に到着。

根府川駅。あと50分待てば始発で帰れることに気づく

仲間を捨てて、最後まで駆け抜ける

根府川まで来てしまえば、あとは小田原から逗子のゴールまでほぼまっすぐ。見知った道に出ることができると、だいぶ安心します。
小田原から平地になり、またマサトゥー&katsuakiペアがゴリゴリに踏み出します。
いや、私の元気がなくなっただけで、彼らとしては踏んでるつもりはないかもしれません。根府川までは弱くなった雨脚も再び強くなり、もう鼻水なのか涎なのか雨なのか水しぶきなのかなんなのか判別不可能な状態で走っていました。

だんだん頭がくらくらしてきて、最後に補給したのが50km前地点だったことを思い出しました。信号が赤になった隙に慌てて最後のレーズンバターロールを口に詰め込みます。
信号が思ったよりも早く青に変わってしまい、パンを口にくわえて走ると、雨や路面からの水しぶきがもろにパンにかかり、食べると砂でジャリジャリしました。汚い。でもとりあえずカロリーが補給できれば、他はもうどうでもよく思えました。なんだかこの状況、過酷すぎる。

ペースについていけなくなり、ゴリラさんチーム(マサトゥー&katsuaki)とは二宮あたりでお別れ。おとうふさん、旦那、私とで走ります。
すると大磯あたりで、先行していた二人が歩道でパンク修理しているのを発見。こんな雨の中で災難すぎる…。
でも一緒に留まっても何もできることはないし、待ったとしても遅い私達が再び千切られる未来しか見えないので、心中お察ししながらパス。

茅ヶ崎辺りでおとうふさんが顔面蒼白になりながら「ハンガーノックっぽいのでコンビニ探します」と離脱。

度重なる戦友たちの不運を差し置いて、
あれ?これ夫婦で一番時計いけるんじゃない?とゲスなことに気づいてしまい、旦那は更にラストスパートをかけました。(注:ブルべはレースではありません)
夫婦で一番時計はいつかやってみたい事の一つで憧れがあったので、ペースアップする旦那に必死に食らいつきました。
雨は激しいし、もう心臓が疲れてるし、傷は痛い。なんでこんなしんどい思いしてるんだろうとか泣けてきたけどぐっとこらえながら最後10km必死でついて行きました。

garminさんのトレーニング効果ではテンポ走判定。400kmライドでテンポは初かも。

きっとゴリラチームはすぐ近くまで迫っているに違いない。
脚を緩めたら刺される。そんな心境でした。(注:ブルべはレースではありません)

空がようやく明るくなってきました。

ついにゴールの看板が旅館が見えてきて、今まで堪えていた水が一気に目から溢れてしまいました。

到着時間6:43。17時間38分でゴール。
目標達成です。

看板が輝いて見えた

ゴール後

初めての400㎞メダル!

ブルべ完走がこんなに嬉しかったのは、久しぶりかもしれません。

始めて400㎞の認定という形のある物がもらえたこと。
血管障害により、一度は一生長距離走れなくなるかもしれない身だったにも関わらず、ここまで走れるくらい回復できたということ。
また、真冬で雨天という過酷な天候と、自分にとってギリギリのペースで完走できたこと。

それらのこと全部ひっくるめて本当に嬉しい出来事となりました。

一緒に走って下さった仲間、終始気にかけてくれ、色々サポートしてくれた旦那。
今回はメンタル面でも走行面でも色々お世話になりっぱなしで、皆のお陰で完走ができたようなものです。本当にありがとうございました。
いつかはきっちり一人で、同じような速度で走りたいものです!

試してみて良かった事

実は2、300kmなら誤魔化せるけどそれ以上になるとどうにもならなくなるウィークポイントが多数ある私ですが、今回は色んな試みをしてみました。
自分への備忘録もかねて、試してみてよかったと思うことを書いておきます。ブルべ上級者にとっては当たり前の事ばかりかもしれませんが…。

  • 事前に大量に買った薄皮パンを「お腹が空いたと感じる前」にこまめに食べる →急なエネルギー切れを予防。これによってPCでの滞在時間も極力減らせ、同行者の急なペースアップにも対応が可能になりました。

  • 前日、当日出発前とカロリーを気にせず沢山食べる →そのせいか、ライド中は計2700kcalくらいの摂取でも十分走ることができました。

  • 雨がパラついてきたら躊躇せず雨具を着る →面倒くさがっているといつの間にか雨脚が強まり、気づく頃には大抵身体が濡れて冷え切ってしまってリカバリーが難しい。

  • 真冬時は、余分に1枚インナーを持っておく →さすがにこんなに防寒具はいらないだろうと思いましたが、結局持ってきたもの全て着る事になりました。薄いインナーでもいいから持っておくと安心。今回その1枚のお陰で真冬の雨でも、寒さをほとんど感じず走りきれました。

  • 100km毎のこまめな股痛対策 →いつも100㎞でちょい痛、300㎞でかなり痛、400㎞超えると耐え難い激痛になる私の股ですが、今回はほとんど痛くありませんでした。これは本当に深刻な長年の悩みだったので救われた。誇張じゃなく、人生変わるかもしれん…

  • 上半身と体幹部の筋トレ →長距離乗ると出てくる膝痛(腸脛靭帯炎)が起こらなくなったり、上半身の筋肉を使いやすくなったことにより、疲労を分散することができたのか、今回は脚の疲労感があまりありませんでした。

これまでに沢山DNFや途中で諦めてしまう経験をして、ようやく自分なりの満足のいくブルべができたと思います。
なんだかブルべ楽しくなっちゃった。

次は何出ようかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?