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ホン雑記 Vol.63「門外の億り人」

投資必須の時代だ。

老後2000万円問題や、トヨタの章男社長、経団連の中西会長が漏らした「終身雇用はもう難しい局面にきている」発言。コロナによる経済&精神へのダメージ。FOMOやVUCAといった言葉に表れる世界中の不安。

「よく分からないから」で済まされる時代はとうに終わっている。いくらデジタルに疎くても、それは昨今の書店で平積みされている本の種類を見れば明白だろう。
10年前と比べて明らかに、ビジネス書や、文章の書き方やコミュニケーションなどのノウハウ本、お金全般、投資の類の本が増えている。それらに疲れた人のためか、啓蒙書やスピリチュアル系統のものもわずかに漸増している。


数ある一般的な投資が、ある程度理に適っているというのは、自分も仮想通貨投資をやっているので分かるつもりでいる。よほどヘタ打たないとマイナスにはならないし、他種の投資でもおぼろげながらこんな感じだろうとつかめてきた。

いまだ分かりにくいのが「自己投資」で、おそらくは知識や経験を積むことを指してるんだろうが、自分に溜め込んだものがいったいどこで花開くんだと思っていた。おぼろげ中のおぼろげぐらいにしか感覚がつかめないのだ。資格を取って会社に給料を上げてもらう、なんてことぐらいしか、サラリーマンには自己投資の意味はないんじゃないのかと。
ところが最近こんな話に触れて腑に落ちた。そりゃぁ自己投資もするわなーって。

世界中の富裕層の子供たちが集まると言われる全寮制の学校がスイスにあるのだが、その学費がなんと年間1000万円以上もかかる。小中高一貫なので、最初から最後まで通わせたら億の金が必要になる。

この莫大な資金を投じてまで、我が子をそこに送り込むのはなぜなのか。もちろん、それに見合った合理的な発想があった。


グローバルな社会での子女の英才教育は、富裕層にふさわしい教育、立ち居振る舞い、語学の実践訓練の場であることにくわえて、人脈を作るという意味において非常に重要になるという。
子供を小さい時からクローズドなサークルに入れて、友人を増やしておくという狙いがあるわけだ。

大人になってからビジネス絡みで付き合いをはじめるのと、損得抜きの時代から友人として共に過ごした仲間とでは、絆の深さがまったく違ってくる。そういうコネクションは、あとからいくら大金を積んでも作ることはできないという。
これだけでも、人脈という肝要なリターンがある。

もう1つ、驚くべき大きな理由があった。
当主が資産をそのまま家に残していこうと思うと、最高税率55%もの相続税がかかるという。そのまま子供にお金を渡しても、半減してしまうのだ。
勘のいい人はもうお分かりだろう。子供の「頭脳」に資産を移動させるのだ。「知識」や「稼ぐ力」にしてしまえば税金はかからないし、あとからいくらでもお金は取り戻せる。
逆に、もし徴税なんてものがなくて大金を渡してしまったら、その子は釣り竿ではなく大量の魚だけを受け取ることになって、いずれは食いつぶしてしまうだろう。


金持ちの子が金持ちになるのは「親の七光り」ではない。どちらかと言うとそれは「門前の小僧 習わぬ経を読む」であって、なるべくしてなっているのだ。「金持ちはいいよなぁ」なんてボヤいてる場合ではないのだ。



幸いにも、どんな家に生まれようと読む経の数は己で増やせる。
いつからでも。




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