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ホン雑記 Vol.631「バケモノ天使」

オレはタトゥーが大嫌いだ。


そもそも一番嫌いなものが「アホ」だ。アホは救いようがない。
が、心底気が合うヤツはなぜか全員アホだ。だいたいどうしようもないヤツが多い。

でもこの「アホ」、難しいのだ。自分でも基準がわからん。
一番嫌いなアホ分子は「浅いイキり」だ。迷惑行為撮ってSNSにアップする。それをカッコいいと思ってるっていう浅さと、それを推してくる浅いイキリが死ぬほど嫌い。
なので電車内でバカップルが酷くいちゃつくのとか死ぬほど嫌い。渋谷スクランブル交差点の真ん中でセックスできないようなら、そんなことやめとけよ。
思うにこれは極度の飽き性がそうさせてるんだろうな。二匹目を見るとゲンナリする。だから広告と予定調和が死ぬほど嫌い。商品名を連呼するCMが死ぬほど嫌いなのも浅いからだ。「そんなもんで買うと思ってんの。ナメとんなコイツ」とナメられセンサーが反応するからイヤ。

逆に言えば、純真なアホは大好きなのかもしれない。なので、どっちかを「バカ」っていう呼び名にしたい。自分でもわからんくなるんでね。嫌いなほうをバカに設定しよかな。でもバカテンポ嫌いじゃないんで困るな。

タトゥーが嫌いなのも、そういう人間の浅さが見えるから。しかも見せてくるのはイキりも兼ねてるんで、もうクソほど嫌い。特にオレは自称表現者なんで「おいおいおいw イキってるけどそれ人のお絵描きじゃんw」なんて思っちゃう、もひとつイヤなヤツが重なってる。あれ自分で掘ってたら結構好き側に入ってくるかもしれん。でも上手くないとダメよん? ヘタだったら大嫌い。


ところがさっき「大黒堂ネロ」って人を知ってしまった。そう、お察しの通りタイトル画のバケモノがそれだ。

千原ジュニアの番組でやってたのが上がってたんで「何コイツキッモ!」と思って観てしまった。なんで。
で、お察しの通り顔もタトゥーだ。「引くわぁ」なんてもんじゃない引き方をしたんで観続けてしまった。なんで。
ドン引きじゃなければ「しょーもな」と唾棄して終わったんだろうけど、ドン引きすると「うわぁ」のまま観ちゃうな。

そのうちボディサスペンションもやってるとか言い出した。皮膚にフック状の太い針を引っ掛けて吊るされるという意味不明な趣向だ。
「うわぁ」の加速が止まらない。ここでもまだ「浅く」「イキり」なヤツとしか映ってない。

ところが「痛みに強いほうですか?」の質問に、
「痛みに強かったわけではない。痛みは人によって持ってるものが違う。そこを痛いっていうだけで終わるんじゃなくて、何が生じているのかを紐解いていく。そうしてその紐解いたものと自分の記憶とを結びつけて、置き換えていく」
と返した時に「あ、コイツヤベーかも」ってなった。あぁ、まぁそれまでもヤベーだったんだけどさ。

調べてみたら他で彼が言ってたんだけど、痛みは恐怖と連結してるという。オレも痛みに関しては結構もうちょい考えたいなぁと思ってたんだよね。何その日本語。
たとえば、子供の乳歯が抜ける痛みは大人の永久歯が折れるのとホントに差があるのか? とかよく思う。数値化できたら、多少はあるんだろうけど、それでもホントに~? って思ってきたとこ、ある。

乳歯が抜けるのにギャーギャー言わないのは、順当な成長の兆しだからじゃないの? って思う。「それが何を意味するか?」じゃないの、って。
たとえば、昔はよくグロ画像見たもんだけど、そこに暴力が関わってるとまぁ見れないのさ。まぁ見るんだけどさ。なんだけど、これが手術中の動画となるとどんだけ血噴いてても見れるんだな。治っていく途中ってわかってるから。やっぱり恐怖なんだよ、結局。
で、ネロ氏がいう「置き換える」っていうのは、たぶんだけど、過去に体験した実際の痛みとその恐怖とにズレがあったわけで、1回そこを整理していって、そしたら、整理できるってことは結局気のもんじゃね? ってもっかい分離させるような感じなのかな? と踏んでる。

祭りで若い衆がもみ合いになってて、終わってみたら小指がなくなってることに気づいたって話もよく覚えてるんだけど、そういうことだと思うんだよね。全神経が高揚に向かってるなら、実際に肉体に起こることは二の次になる。というかそもそも、肉体に起こるその絶対とも思える痛みは、精神の在りようからきてるんだろう。空即是色を悟るのに一番近い日常の経験として痛みは使えそうだ。
で、なんとなくだけど、女性のほうがこれ、わかる気がする。男なら「ぎゃーっ!」ってなるようなことを毎月経験してるわけで。


それと、ジュニアの「周りは声とか掛けて来ないんですか?」の質問に、
「来ないですかね。周りの声を聴いてないのであまりわからない。たまに聞こえてくるけど、『カッコいい』とかですね」
て言ってて、これホントいまの日本に超大事な感覚だと思った。

凶悪事件起こすヤツに、イキってるヤツそうそういないんだよ。池田小事件の宅間なんかは珍しくわかりやすいけどさ。
だいたいが「自分はダメだ」「周りより低い」と思ってるヤツが凶行に出てる。勘違いなんだけどね。で、同じ勘違いするなら、プラス方向にしてこうぜって思うんだよ。どーせ答えなんかないんだから。

そうすると、やれたヤツを捕まえて「それはあなただからできるんですよ」なんて言うヤツがいるんだな。もう、なんでそうなるのか。なんでそう浅く終わらせるのか。研究しないのか。訓練しないのか。
オレは研究と訓練ばっかりしてるぜ。もともとが弱々しくてエネルギーの低い子だったからね。

オレがよくやってるのは、両開きの自動ドアがあるとGLAYのTERUみたいなポーズして通るようにしてる。

これね。心の中では「おまたせー。オレだよー」って言ってる。いやいや、バカにするけどさ、これ何十年もやってみなよ。中身追いついてくるから。GLAY全っ然好きじゃないんだけどね。「これは!」と思ったら盗むで。

そういうことをやってから、それでもダメだったら絶望なさい。ってか、しないわ。やってたら。絶望の神が諦めるんだよ、「コイツ無理」って。

え、恥ずかしいって? 自尊心が落ちてって人を恨むようになっていくのわかってんのに恥ずかしい? それ、比べられるようなこと? そんなくっだらねー羞恥心と。



ネロ氏は「ドラゴンボール」と「聖闘士星矢」を融合した世界観を自分でやってるという。全身黒いのもまだキャンバスを描いただけで、ここから始まっていくらしい。だからフリーザっぽいのか。中身はブウっぽいけど。
オレもこないだいろんなマンガ捨てたけど、そのふたつは捨てられないんだよ。で、彼はドラえもんも大好きなんだ。ドラえもん好きなヤツに悪いヤツなんかいないっていうだろう。


またひとつ、嫌いなものを壊してくれてありがとう。




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