嫁オリキャラ『しもぶくりん』始動。

（今回のおはなしは半分冗談で聞いてください）

いよいよ本邦初公開なのである。
ようやく雌伏の時代は終わりを告げ、我が子が日の目を見る時が来た。
嫁が描いた至高のデザインに、オレが命名した究極のお名前。

ジャジャジャーン！

その名も……

『しもぶくりん』だ！！　ひゅーひゅー！　ドンドンドンパフパフ～♪

子供のいないオレら夫婦が、ちょっとマジで自分らが死んだあとにも残る何かを作ろうぜーぃ！（嫁のやる気は2％）ってことで進んできた。っつっても、たいして進んでない。

そもそものはじまりは、もう十数年も前だったか、嫁が描いていたこのふたつのキャラだった。
「何これー！？」
とオレがハイテンションになって聞くと、「干支を司る妖精」だという。じゃあ12体いるのかと聞くとその通りらしい。
「お、おぉ～」
なんかこのへんでオレはスーパーハイテンションになった。聖闘士星矢では黄金聖闘士編が一番好きなせいかもしれない。

たまたま、「ねずみ」の衣装が二案だけ浮かんでいて、それからは特に嫁も続きを描いてはいなかった。
「干支を司る妖精で、12体いる」の妄想だけで白ご飯2年分いけそうなオレとしては続きが気になって自分で二次創作…　というか設定がもりもりと膨れ上がっていって「いいから黙ってこれを入れろ」ということで一次創作の続きを自分で描いて嫁に見せてみた。

続きを嫁が描くとしたらたぶんこんな感じだろうと、衣裳の世界観を似せて、ハートがどこかに入ってるんでそれも入れて、「とら」と「うさぎ」を描いて力尽きた（メンドくさい病発症。嫁もこの病気のステージ3）。

なかなかうまく描けて自分でもビックリしてたんだけど、嫁に見せたら「ふ～ん」ぐらいの反応。
う、ウソだろ？　何もかもが価値観違うなコイツ。オレだったら自分が作った曲を歌ってくれたりとか、付随した作品やジャケットなんかを作ってくれたら歓喜するんだけど。「ふ～ん」って。そんなんある？　ノンリアクション病も患ってんのかコイツ。
いやでも、テンション上がってる時は上がってるから、単純にテンション上がってないだけなんだろうな。温度差スゴすぎて結露できるわーーーぃ。

…というのがこれまたもう何年も前の話。
で、ミッフィーみたいなキチッとした輪郭のいわゆるキャラクターっぽいキャラクターの外見にして、完成版を作ってからお披露目しようとしていた。

が、そこからまた数年、メンドくさい病を患ったふたりではこれは到底無理だぞということで、もう世に出すことにした。西野亮廣氏の得意な「メイキングから見せちゃお～！」の皮をかぶった、「みんなオラに元気（という名のやる気）を分けてくれ～！」作戦に変更したわけだ。

そんなことができたのも、途中でちょろっとFacebookにネタ出しして、数少ない友人の中の数少ない数人が「楽しみにしてる」的なことを言ってくれたのもまぁデカくて。
ほんのちょっとずつでもいいから、我が子（ジョークで御子息と言ってくれたのもまたデカかった）の成長を載せていこうかなと思う所存なわけです。

ここに至るのには他に、西野氏のオンラインサロンに入って彼の影響を色濃く受けたのもまたまたデカかった。

生むだけ生んで、届けることを他人任せにしてしまうのは「育児放棄」だと思った。
純粋だと信じていた姿勢は、作り手として、親として、一番みっともない姿だった。
子供を生み、そして育てあげることが親のつとめなのに、それより何より、自分の見た目を気にしていた。

これは何回読んでも泣ける。たいして（いや、まったく）頑張って創作していないオレは部外者だと思うんだが、なぜこんなにも泣けるのか。
それは、自分がツクリテのはしくれだからなのかもしれないと思った。

そんなこんなで、最近は嫁の育児放棄も緩和されて来たらしく、ふたりで改めて『しもぶくりん』の正式な体型のひな形を決めた。

ぶよっぶよである。
協議の結果、さすがにやりすぎだということで、この2体の中間ぐらいのふくよかさになる。
右下のヤツの体とほっぺたの膨らみを描いたのはオレだが、これはいつも見ている嫁がぶよっぶよになってきたからとしか思えない。
と、嫁に告げたらまんざらでもないようすだった。

というわけなので、全部この頭身用に描き直してもらわないといけない。最終的な筆致だけは、嫁の引いたラインでないといけないのだ。
もりもりと膨れ上がった妄想はすでに法人名までこしらえて、嫁はそこのCDO（Chief Design Officer）という役職に就いている。じゃーオレはCCO（Chief Compose Officer）（Compose：作曲）だな。
これ、もちろん全部オレの脳内だけのお話である。

夢のような話だけど、オレらが死んでもこの小さな会社が残るといいなぁ、なんて思っている。
発掘者の目も磨かないとなぁ～。

（今回のおはなしは半分冗談で聞いてください）