フェイクドキュメンタリーQの気になったところ:Q1

Q1「フェイクドキュメンタリー」


「Q1」概要

動画公開日2021/08/22
・動画の最初に「本作は許諾を得て再編集したものです」というテロップが右上に表示
・視聴者の依頼を解決するというCS放送の番組のスタッフ(ディレクターカメラマン)による取材の撮影素材の映像
・ネット掲示板の「見たら死ぬビデオ」のうわさを調査している
・ネット掲示板の書き込みは2005年で、書き込み主はビデオのうわさを公園のトイレの落書きで知った
・取材日は監視カメラの日付から「2021/7/09」と分かる(動画の6:42
・遺影の映像がダビングされているビデオは「不思議体験ゾーン下巻」で1992年の作品
・ある時を境に中学生がレンタルしに来るようになり「見たら死ぬビデオという噂が広まっている」と判明
・遺影の映像は最初は「1つ」だったがどんどん増えて「4つ」になった。
・制作会社からは「この取材映像はフェイクドキュメンタリー」と聞かされている
・しかし、スタッフに不幸が相次ぎお蔵入りとなった
・「見たら死ぬビデオ」は取材後の映像内で買い取られたあと、テレビ局の倉庫で見つかった

ダビングされた遺影の順番


1「眼鏡をかけた男性」 最初にダビングされたとされる遺影
2「和服の女性」    3の女性とは別人?
3「和服の女性2」   この映像だけモノクロとなっている
4「眼鏡をかけた男性」 1の男性と同じ遺影の映像
5「若い男性」     追加された映像、カメラの種類が1~4と違う?

気になった所と考察

「本作は許諾を得て再編集したものです」というテロップ

このテロップが「フェイクドキュメンタリーQ」によってナレーションなどを入れたり、カットしたことについてのテロップだとすれば、この取材映像は「フェイクドキュメンタリーQ」のために撮影されたものではなく、実在する映像だということになるのだろうか。

カメラマンとディレクターの会話

動画最後に、カメラマンディレクターが取材中に見たビデオに出てくる遺影の枚数について話している。おそらく取材後の会話だろう。

カメラマン「店長が4人って言っていたけど3人しか分からなかった」
ディレクター「4人じゃないの?」
カメラマン「3人っていうか3枚?」

店長は「(遺影が)4つに増えて」と言っている(動画の11:10ため、「4人と言っていた~」はカメラマンの思い違いだと分かる。
遺影が出てきた枚数は「4」だが登場した遺影の人物は「3」なので、2人の会話がかみ合わないのは捉え方の違いだと言えると思う。

誰が「見たら死ぬビデオ」に遺影の映像を追加したのか

心霊的ではない考え方をするならば、番組のオチが弱いと感じたディレクターが、買い取ったビデオに新たに遺影の映像をダビングし、番組のラストに映像を流すつもりだったと考える。追加された遺影の映像(動画の17:38だけ赤いランプが点灯して遺影に反射しているように見える。取材でカメラマンが隠し撮りに使っていた「GoPro」は録画中に赤ランプが点灯する。光の形状も近いように見えることから、カメラマンに「GoPro」で遺影の映像を撮影してもらったのかもしれない。

「見たら死ぬビデオ」はフェイクなのか


(動画の14:46)でもあるように「見たら死ぬビデオもフェイクドキュメンタリーのために用意されたものなのか」という疑問が入っているが、前述の「カメラマンディレクターの会話」から考えると、用意したものについてこういう会話は出てこないと感じる。ビデオは実在する可能性が高いと感じる。また、あくまでも取材映像が「フェイクドキュメンタリー」だと言っているのは制作会社なので、「フェイクではないドキュメンタリー」である可能性もある。

カメラマンとディレクターは「見たら死ぬビデオ」で死んだのか?

レンタルビデオ店の店長も言っていたように「人はいつか死ぬ」と言っているし、普通は単なる偶然だと考えるが、番組放送数日前に取材をしていた2人が立て続けに亡くなったら「見たら死ぬビデオ」のせいだと言いたくなる。ここからは根拠のない憶測だが「見たら死ぬビデオ」はビデオを見る側より、作る側がある意味で先に「見る」わけで、映像を作るのに関わった人たちの方が「呪い」の影響を受けやすいのではないか。

この取材映像が「フェイクドキュメンタリーQ」で取り上げられた経緯

取材映像の取材日「2021/7/09」「Q1」動画公開日2021/08/22となっている。放送がお蔵入りになってから「フェイクドキュメンタリーQ」で動画として取り上げられるには「フェイクドキュメンタリーQ」の関係者が亡くなったディレクターカメラマンとどちらかが知り合いである可能性が高いと考えている。

その他に気付いた細かい所や疑問

・3番目の遺影(モノクロの和服女性)だけ映像の切り替わりにノイズが全く無く切り替わっている
・1番目、4番目の遺影(眼鏡をかけた男性)はなぜ2回映像が使われたのか、遺影の映像がダビングされた順番が気になる
・「5時ぐらいになったらまた来ます」と言ってて、そのあと「PM5:00」ってテロップも出てたけど、その後の監視カメラの時刻表示は「15:21」ぐらいになってて、「演出だな」と思った
・「ディレクターKが交通事故に会って死亡 カメラマンYも心不全により死亡」ってテロップがイニシャルで出てるけど、その前のシーンで店長に会った時にディレクターが「近藤」って思いっきり名乗ってる
・レンタルビデオに遺影の映像をダビングした人物がいることになるが、どういう目的や感情でこれを作ったのだろうか
・遺影の映像をダビングされた「不思議体験ゾーン」のレビューを見つけたので探してみると面白いかもしれません
・ツイッターでレンタルビデオ店が本当に今は閉店して別の建物が建っているという情報を見かけました、閉店ギリギリで間に合ってしまったゆえに命を…
・レンタルビデオを12,000円で売る店長だが、(動画の10:52)で「不思議体験ゾーン」の税込定価が10,094円と分かるので、仕入れとか特殊ないきさつを含めたと考えると妥当

まとめ

Q1はフェイクドキュメンタリー内に出てきた「見たら死ぬビデオ」が「ひょっとしたら本物かも」という不穏な感じを私たちが「見たら死ぬビデオ」を見た後に最後の会話で示唆してきたのが憎らしい構成だと思いました。