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夜になって昼をおよぐ。

先日は遠出をした。モーニングをめあてに早起きをして、いそいそとバスに乗って長時間ゆられていた。モーニングのお店はとても混んでいててんてこまいだった。さっと注文して、さっとたべて、さっとお会計を済ませて出たので味がよく思い出せない。なんだかやさしさやぬくもりのはじっこをもらったような気がする。また行きたい。

その日、歩いてちいさなデパートの最上階へ行って散策していると日当たりのよい庭園をみつけた。ベンチやカウンター席が揃っていて、緑も多い。鳩もにんげんものびのびとしていた。ここであのたい焼きを食べようと思いついた。地下へエレベーターで降りてあずきのたい焼きをひとつ買った。141円とふられていたのだけど、なぜかお会計では140円だった。ふしぎに思いながら店員さんにお礼を言って、庭園へ向かった。とにかく日当たりがよくて、後頭部と背中がよくあたたまる。そのおかげがご機嫌になった。ひとの笑い声もひそひそとした話し声もふだんなら気になるのにまったく気にならなかった。カウンター席のいちばんはじに座って吉田篤弘さんの本を読んだ。活字を読めたのは何年ぶりだろうか。数分ではあったけれど、一遍を読みきって達成感をあじわった。そのあとは庭園を散策した。自販機もお手洗いも揃っていて安心した。地下と最上階の庭園とをエレベーターで行き来するのを三回ぐらいやった。地下の専門店街でちいさなおはぎ(黒ごま)をみつけて、イートインでふた口でたべた。でも満足した。午後から友だちと会う予定だったので、そのあたりをうろうろしていた。友だちから一時間はやく着いちゃったと連絡があって、急かしたかなと心配をしたけれどわたしが焦ることはないよって言い聞かせて待ち合わせ場所まで歩いた。ぶじに合流できて安堵した。待ち合わせ場所に選んだカフェは満席で、先におやつを買いに行くことにした。石川県でつくられているらしい米蜜ビスケットを買ったのだが、ほんとうにおいしかった。無添加、発酵食品、グルテンフリーの専門店だったのだけど、行ってよかった。おやつがおいしいってほんとうにうれしい。友だちとの好みも似ていて、彼女に誘われたことをこころから感謝した。会うだけでわたしは励まされている。彼女の話を聴いていると頼もしくて、寄り添いたいと思う。いろんなことがあるだろうけれど、会う時間を丁寧に重ねてゆく。

友だちとは公園で話をした。日当たりのよいブランコにのったり、日影のベンチに座ったり、こころからくつろいだ。(これは帰宅してから知ることなのだが、お財布をみたら千円浮いていた。有難い。)

友だちも仕事後に会ってくれたのでけっこうつかれているようすだったけれど、なんだか声が弾んでいる瞬間があって、きょうは会ってよかったのかなって思った。

解散して、元気づけられたわたしは、とにかく歩いた。ほんとうに、とにかく。どこまでも行ける!ってはりきった。けっこうな道のりを歩いていたので、歩数計をみてじぶんでもびっくりした。おにくが無性にたべたくて、コンビニでサラダチキンを買ってむさぼった。それがほんとうにおいしかった。ずっと置いててほしい。

帰宅すると、あたらしいつくえが届いていた。サイズ感がぴったりでうれしい。タブレットでの作業や自筆で文章をやるつもりで買った。いまはぬいぐるみに住んでもらっている。あたらしいつくえがかわいくて仕方ない。最近のわたしは、のびのびすることを覚えた。どうにかこうにかやっていく。焦らず、じぶんの歩みを崩さない。

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