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歯科経営と電子カルテ

はじめに

歯科経営者の皆さん、こんにちは。
今回は歯科医院における重要なテーマ、「電子カルテ」に焦点を当ててみたいと思います。

近年、医療業界全体でその導入が進んでいますが、歯科医院においては導入に対する悩みや不安も多いのではないでしょうか。

電子カルテとは?

電子カルテは患者の情報を紙ではなく電子データとして管理する仕組みです。医療分野全体で広く利用され、タブレットからも操作できるなど柔軟性も高まっています。しかし、導入には良く知られた「電子保存の三原則」を満たす必要があります。

電子保存の三原則

  1. 真正性: 電子データの改ざんや消去を防ぎ、記録の責任の所在を明らかにすること。

  2. 見読性: 誰でも電子カルテを容易に読み、必要に応じて印刷できる状態を維持すること。

  3. 保存性: 法定期間中に電子データを復元・保存できる対策を講じること。

これらを満たさない場合、罰則が科せられる可能性もあるため、慎重な導入が求められます。

歯科医院における電子カルテの現状・普及率

令和2年の医療施設調査によれば、すでに電子化している歯科医院は全体の約49%であり、今後も電子化の予定がある医院を合わせると全体の約59%となっています。しかし、まだ「電子化する予定なし」という医院も多い現状があります。これは導入にかかるコストや操作性への懸念が影響していると考えられます。

電子カルテ導入のメリット

電子カルテの導入には多くのメリットがあります。

1. 診療の効率化

電子カルテは操作が簡単で、情報の入力や診断書の作成が手書きよりもスムーズに行えます。データベース上に保存されるため、閲覧や検索も迅速に行え、患者情報の共有も容易になります。これにより診療の効率化が図れ、患者の待ち時間も短縮されます。

2. ミスの軽減

手書きのリスクやクセによる判読不能などのミスを軽減できます。また、様々な入力補助機能やミスチェック機能が備わっている製品もあり、業務の精度向上に寄与します。

3. ペーパーレス化による管理の省力化

電子カルテは紙媒体を使わないため、紙のカルテのようにかさばることがありません。これにより、保存にかかる手間や専用スペースの確保の必要が軽減され、経費削減にも繋がります。

電子カルテの導入方法と注意点

電子カルテに移行する際には、三原則を満たすシステムの導入が必要です。最近の歯科医院向け電子カルテシステムは、レセプト作成との一体化が進んでおり、連携がスムーズな場合が多いです。ただし、導入費用は製品によって異なり、パッケージ型/オンプレミス型とクラウド型に大別されます。それぞれの特徴や費用を検討し、自院に合ったものを選択しましょう。

補助金制度を利用してスマートに導入

電子カルテ導入には補助金制度が活用できます。IT導入補助金は条件を満たせば最大450万円の補助が受けられます。また、電子カルテ標準化に関する補助金も検討されています。ただし、補助金の受給が確定するわけではないため、慎重なプランニングが必要です。

まとめ

電子カルテの導入は歯科医院においても進むべき重要な課題です。診療の効率化やミスの軽減、ペーパーレスによる経費削減など、そのメリットは多岐にわたります。しかし、慎重な計画と三原則を守るシステムの選定が成功の鍵となります。補助金制度も積極的に活用し、歯科医院の未来をより効果的に切り開いていきましょう。


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