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高齢者の聞き取りは迅速に!時間は待ってくれない

いくつか聞き取り調査についての要諦を書いておりますが、最も大事なこと、時間との闘いについて解説します。

1 迅速であることの必要性

ある情報があなたの組織(行政・教育問わず)にもたらされたとします。調査はもちろん費用もかかるので、なかなか行動に移すのは難しいかもしれません。しかし、できるだけ早く予備調査だけでも行うのが大切です。調査対象の方が病気になられたり、亡くなったりはよくあることですし、認知症などにかかられて記憶が不確かになることも当然あります。

2 アポイントを取ったらすぐに動く

まずはお目にかかること。記憶のしっかりしている方なら大変ありがたいことです。迅速に動きましょう。組織の中でも、まずは会ってみるという了解さえもらえば、どのような内容の聞き取りができるか、などは後から決定すればよいことです。
もし一人暮らしでなければ、同居の方や近所の方に同席していただくのがお勧めです。次回の聞き取りを約束しやすい、何時間くらいなら大丈夫か?などの確認もできます。

3 一人の聞き取りは極力避ける

ついで、注意していただきたいのが、一人での訪問です。事務所や学校に来ていただける場合は例外ですが、たいてい個人のお宅に伺うことになりますので、複数名で伺うのが良いと思います。
また、簡単な手土産もあると良いと思います。
そしていきなり写真などを撮影しないことです。撮影は何度か調査を重ね、信頼関係が構築されてから行うのが最良です。
また、その際、同席者の親族がいれば、同意をいただくことも忘れてはいけません。

4 すぐに記録を残す

これも重要なことです。忘れないうちに記録簿に聞き取りの結果を記載することが大切です。記載することは、日時・内容・同席者・担当者と聞き取りのテーマです。できるだけ客観的な記述を心がけます。よくレコーダーを持っていき、あとでまとめるという方がありますが、その場で聞いて書いたことの方が要点を整理できていることが多いように思います。筆者はレコーダーの使用はしません。
なにより、少しでも早く聞き取らなければ、もう聞けなくなってしまう事柄が私たちの周囲にあふれています。良い調査は迅速な動きから。

似内惠子 NPO法人京都古布保存会代表理事
(この文章の著作権はNPO法人京都古布保存会に属します。無断転載・引用を禁じます)

【関連サイト】
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