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電線倉庫を見てみよう 弥栄電線編
電線はどこから来るの?
屋内で働く電線は、どのように作られて私たちの元につながるのでしょうか。
大阪府・堺市にある弥栄電線・美原工場で、V V F(ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)の製造や配送を取材しました!
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弥栄電線では、製造から出荷までを同じ敷地で行います。
仕上がった製品をドライバーに預けるまでの確認は出荷担当の大切なお仕事です。
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林さん
「出荷や積み込み、在庫管理などを担当しています。具体的には、出荷間違いなどが無いよう、毎日の在庫調査をしたり、仕上がった製品や個数などに不良がないかリストを作って確認し、出荷しています。」
工場から届け先まで長距離を移動するトラック。天候や道路状況によっては、ドライバーさんが時間通りに来られないこともあるそう。
そんな時でもうまく対応できるよう、運転手さんとこまめに連絡を取り合ったり、道路情報、天候のチェックは欠かせません。
さらに「積み込み」と呼ばれる工程にも経験と知恵が詰まっています。
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林さん「トラックの進行方向側に高めに積んで、後ろ側にかけて坂になっていくように積んでいます。詰め込みすぎず、バランスを保つのが重要です。
電線やケーブルは木製のドラムに巻いて出荷するのですが、リサイクルされたドラムには少しずつ形のばらつきがあるのです。そこで、オリジナルのクッションを用意し、製品に傷がつかないよう工夫をしています。」
カラフルな電線倉庫
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倉庫にはピカピカの電線がずらり。奥行きは110メートル以上あります。
天井も高く、自然光の入る作りになっているので明るい印象です。
倉庫を案内してくださった杉本さんにお話を伺いました。
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杉本さん
「この会社に勤めて27年目です。VVFは、スケルトン構造になった建物など、出かけた先で見つけることもあります。毎日見ているので、自社製品はわかるんです。外で見かけると嬉しいですね。」
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倉庫で出荷のときを待つピカピカの電線たち。
特に重さのある製品はクレープ紙という丈夫な紙で包まれています。
ちなみにこのクレープ紙は水分や油分にも強く、ピクニック用の敷物として販売されているものもあるんですよ!
千里の道も束取りから
弥栄電線では、その日の製造予定によってメンバーが組まれます。
電線の被覆をする押出(おしだし)をはじめ色々な工程がありますが、新入社員の方がまず担当するのは「束取り(たばとり)」工程です。
機械から一定の速度で流れてくるケーブルを束ねるバンドをかける束取りでは、ケーブルのサイズによってバンドの色を変えたり、ネームインク(製品の名前や仕様を印刷したもの)が線の真ん中に来ているかを確認したりするなど、製品を見る目が鍛えられます。
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指導係をされている奥野さんに伺いました。
奥野さん「入社して33年目になります。新人さんの指導は何よりもまず、安全第一です。身体を動かしながら慣れてもらう部分もありますが、分からないことはどんどん聞いてもらうようにしています。
新人だった方が、自分なりのやり方や工夫を見つけているのに気付くと、少しずつ任せられる仕事が広がってくるし、何より嬉しいです。
一見、淡々とした作業のように見えるかもしれませんが、機械も日によって微妙な調子の違いがあり、そこに合わせて毎日少しずつ違いがあるんですよ。」
奥野さんは、社内でも一番器用だと評判で、カタログ表紙用にケーブルを切った方でもあります。ちなみに、社食で好きなメニューはスパゲティなどの洋食だそうです。
阿吽の呼吸でドラム取り
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出荷前の電線は「ドラム」という糸巻きのような形の資材に巻かれます。
大きなドラムは大型建築用で、500メートルから1000メートルの電線が巻かれています。一般住宅は100メートル巻きを使うのだそう。
ずらり並ぶと圧巻です!
電線をドラムに巻く工程は「ドラム取り」と呼ばれ、二人一組で作業します。
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お二人の背中を見ていると、あうんの呼吸で仕事が仕上げられていき、シンクロナイズドスイミングを見ているようなかっこよさです。
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吉田さん「私は18歳の頃からこの仕事を始め、16年目になりました。製造部として、始業時に必ず出てしまうロスを毎日少しずつ下げていくことにやりがいを感じています。始めた頃は、正直なところはっきりとしたやりがいを見つけられないこともありましたが、同じ仕事を続けていくと、作業の中で分かることや見えることが増えていき、面白さも増してきました。」
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「見えへん」けれど、健気に働き、生活を支えてくれるV V F。
記事の中で触れた工程の他にも、タンデム機の調整や押出工程で使われるプレヒーターの設定など、一本の電線を作るためにいくつもの細かな仕事、そして働く人の技が繋がりあっています。
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お仕事中にもかかわらず、取材に応じていただいた弥栄電線の皆さま、本当にありがとうございました!
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