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ハンマータイム、現状の認識(下)

ご挨拶

こんにちは、電基地です。こちらは前回、前々回の続きとなっておりますので、併せてお読みいただけると幸いです。

さて、今回は最終回ということで、【ハンマータイム】というデッキを使うにあたって個人的に「難しい!なんも分からん!」と思ったカード達について考えてみるほか、現在の知識で可能な限りのマッチアップ考察を行っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。前回、前々回に引き続き、サンプルリストとして以下を使用します。


貼っておいてなんですが、最近は白単が良さそうと思ってます。

《ウルザの物語》

ここまで何度も登場してもらいました。現在のモダン環境を定義する最強セット『モダンホライゾン2』産のカードであり、【ハンマータイム】というデッキの中でも1、2を争うパワーカードと言えると思います。
しかし、出来ることが多すぎるゆえに、このデッキでも特に難しいと感じる1枚でもあります。

お爺ちゃん、前と話してること違くない?

・置くタイミング

あくまでも【ハンマータイム】においては、ではありますが、Ⅱ章のトークン生成を起動できるようになるタイミングで置くのが大前提かつ基本的な運用となるかと思います。

要するに2ターン目以降となるケースが殆どかと思われますが、例外として1ターン目に置くことを検討できる状況もいくつかあると考えています。具体的には以下のような状況です。

・2ターン目にⅡ章を起動できる場合
通常、1ターン目にこのカードを置いた場合、2ターン目時点では毎ターンセットランドしたとしてもこの挙動は不可能です。しかし《バネ葉の太鼓》が絡むと話が変わってきます。


1ターン目、《ウルザの物語》セット、《バネ葉の太鼓》キャスト、《羽ばたき飛行機械》キャスト。
2ターン目、セットランド。
この時点で《ウルザの物語》はⅡ章となっており、セットした土地とバネ葉からのマナで2マナを賄えているため、トークンを生成できる。


妨害を一切想定しない場合、このままⅡ章を起動すれば続くⅢ章でのサーチと合わせて最低でも4/4のトークンを作れます。
Ⅲ章スタックで更にⅡ章を起動した場合は、3ターン目にして5/5のトークンを横並びさせることが可能です。
これは現モダン環境で大活躍中の【カスケードクラッシュ】が狙ってくる「3ターン目《暴力的な突発》続唱→《衝撃の足音》で4/4トランプルが2体!」と同等以上の盤面ですので、狙う価値は十分にある動きと言えるかと思います。

ただし、この動きを見た対戦相手は返しでまず《バネ葉の太鼓》か、これでマナを出すために必要な《羽ばたき飛行機械》か、《ウルザの物語》自体を対処しようとします。
他の2種類はともかく《羽ばたき飛行機械》(同じく0マナクリーチャーの《メムナイト》含む)は環境のあらゆる単体除去で容易に対処できるカードですので、どんなデッキ相手にも選択できる動きではない、とも考えています。極端に除去が薄いと思われるデッキや、《呪文貫き》《鍛冶屋の技》等のバックアップ込みで狙いたい動きです。


・3ターン目にどうしてもサーチしたいアーティファクトがある場合
《ウルザの物語》の真骨頂ともいえる、状況に応じたアーティファクトをサーチできる、という強みを活かした運用です。

現モダン環境では、殆どの場合【リビングエンド】専用の動きとなるかと思います。こちらが先手であれば、1ターン目に置くことで《大祖始の遺産》や《魂標ランタン》《トーモッドの墓所》等の墓地対策が間に合います!……が、そもそも墓地対策が入るのはサイド後のゲームです。その場合【リビングエンド】側は100パーセント《基盤砕き》《活性の力》をサイドインしている為、Ⅲ章に入る前に《ウルザの物語》が割られてしまうことも十分考えられますので、個人的にはリスクが大きすぎるように感じます。

上記のパターンはあくまでも例外であり、そう頻発する状況ではありません。基本的にはやはり2ターン目以降にセットすることが多いかと思いますが、構築物トークンの生成には実質3マナ必要=早いターンにセットしてトークンを出そうとしたら手札のカードがほとんど使えなくなる、という点は常に意識しておきたいところです。


・置いた後何をする?

章ごとに分けて考えてみたいと思います。

Ⅰ章
この時点では無色マナしか生み出せない土地に過ぎません。《石鍛冶の神秘家》などのシングルシンボルのカードや、1マナアーティファクトをキャストすることで有効活用したいところです。逆にこの無色マナを有効活用できない場合、本当にそのターンに置くのが正解なのかを検討してみることも必要かと思います。

Ⅱ章
構築物トークンを生成するか、それをせずに引き続き土地として運用するかという選択肢が出てきます。手札状況や盤面、マッチアップによっていくらでも話が変わってくるため一概には言えない部分ではありますが、例えば手札に勝利するためのカードが全て揃っており、トークン生成にマナを充てたらそれらがキャスト出来なくなる、というような場合を除き、Ⅱ章時点ではトークン生成を選択するのが最も無難かと思われます。

・Ⅲ章
①マナを浮かせるか、構築物トークンを生成するか
②どのカードをサーチするか

選択肢の連続であり、このカードを使う上で最も難しいタイミングです。

まず①についてですが、やはり勝利するためのカードが全て揃っている場合を除き、トークン生成を行うのが無難ではあります。手札を見るしかなかったⅡ章とは異なりライブラリーから1枚カードを選べますので、それによって勝ちの状況を作れないかはしっかり考えたいところ。
マナを浮かせた場合、サーチ解決後は戦闘前メインフェイズが継続中であることを忘れないようにしたいです。勢いで「戦闘入りたい!」とか言ってしまうとマナが消えてしまいます。

②のサーチについてですが、これも手札状況や盤面によっていくらでも話が変わってきます。サンプルリストからサーチ可能なそれぞれのカードについて考えてみます。

《巨像の鎚》
コンボパーツですので、サーチしてくる頻度は高いです。《シガルダの助け》が既に戦場にある、もしくは金属術を達成した状態で《純鋼の聖騎士》を用意できる場合、これを持ってくることが多いかと思います。
これらがない場合、持ってきてもその時点では何もしない置物に過ぎません。後引きの《純鋼の聖騎士》期待でサーチするか、他のカードをサーチするか……難しいところですが、このデッキはクリーチャーのサーチは出来ない為、どうしても《純鋼の聖騎士》を引いてこなければ負けてしまうというような場合を除き、他のカードを優先的にサーチした方が良いのではないか、と考えています。

《影槍》
クリーチャーが既に《巨像の鎚》を装備出来ており、相手の場にブロッカーがいる場合は確実にダメージを通すためにこれをサーチすることが多いかと思います。
《巨像の鎚》と異なり現実的なコストで装備可能ですので、構築物トークンや《イラクサ嚢胞》など、単体で十分なサイズを持つクリーチャーでごり押すプランの際にもこれを持ってくるのが自然なプレイとなることが多いかと思います。

《バネ葉の太鼓》
手札には勝利のためのピースが揃っているもののマナが足りない、という場合に持ってきます。コンボパーツそれぞれは軽いですが、敢えて盤面は弱く見せておいて、相手が隙を見せたとたんに一気に手に残しておいたパーツを展開して勝ち!というパターンの際には意外とマナがカツカツになるため、見た目よりも持ってくる頻度の高いカードです。

《ジンジャーブルート》
サーチ後すぐに攻撃できる&起動型能力によってブロックが困難、という奇襲性能が高いクリーチャーです。単体性能で与えられるダメージは1点に過ぎないので、これを持ってくるのは【ハンマータイム】目線で勝利への道筋が見えている場合が殆どかと思います。

《真髄の針》
サーチに入ってから解決後に何かしらの行動を起こすまで、優先権はこちらにあることは忘れないようにしたいところです。サーチに入った時点で相手はもう起動型能力を使えるタイミングがありませんので、とくにテーブルトップの場合はコミュニケーションエラーに注意したい点です。

《メムナイト》《羽ばたき飛行機械》
戦場に与える影響が小さすぎるのでほぼ持ってきません…が、《羽ばたき飛行機械》はデッキ内でも数少ない飛行を止められるカードですので、例えば相手の《墨蛾の生息地》を止める手段が手札にない場合ですとか、《濁浪の執政》あたりと際どいダメージレースになりそうな場合はチャンプブロッカーとして持ってくる択もあり得るかと思います。

・注意すべきカード

このカードは土地でありながらエンチャントでもある為、通常の土地以上に触られやすいカードです。そして、カードパワーが知れ渡った現在ではほぼ全てのデッキがなんらかの形でこのカードへの対抗策を用意しています。良く見かけるものについて触れていきます。

《血染めの月》《月の大魔術師》《高山の月》《広がりゆく海》など

理屈は省きますが、これらのカードを置かれた瞬間に《ウルザの物語》は蒸発してしまいます。被害が1枚で済む《広がりゆく海》はまだしも、「月」はその後の《ウルザの物語》を全て無駄牌にしてしまうため、相性的には最悪のカードです。Ⅰ章で得たマナ能力を使用せずにターンを返してこれらを置かれた場合のことも考えると、やはり《ウルザの物語》は無色マナまでもしっかり活用できるタイミングで置きたいと考えています。

「エンチャントを破壊する(追放する)」と書かれているカード全般

見たままですが、《ウルザの物語》は出た際に伝承カウンターを1個加えます。これ自体はスタックを用いませんが、章能力の誘発はスタックに乗ります。Ⅰ章を解決するまで《ウルザの物語》はマナを出せませんので、誘発のスタックで狙われた場合は何も出来ません。
1マナ以下のエンチャント除去が入ったデッキの場合、2ターン目に設置すると先手後手関わらず除去されてしまう可能性があります。どうしても2ターン目にキャストしたい2マナのカードがあって、《ウルザの物語》以外に土地がある場合はそちらから置いていきたいです。


《激しい叱責》

ここまで、《ウルザの物語》は構築物トークンを生成することでカードを使わずにパーマネントを増やせる!構築物に除去を使ったら相手はアド損!とイキり散らかしてきました。《激しい叱責》はそんな《ウルザの物語》をカード名どおりに咎めるカードです。
このカードを使われた場合、能力を失い0/0になった構築物トークンがまとめて蒸発&相手はカードを1枚引く、という結果になります。除去しつつカードを引かれているのでアド損!と強がることも出来ません。
幸いサーチまでは止められないので枚数面で損をすることはありませんが、《ウルザの物語》自体を含めて実質3マナを要する「構築物トークンを出す」という行為がまるまる無駄になるテンポ損は敗北に直結します。

《純鋼の聖騎士》

これから出すか?あとから出すか?

このカードは装備コストを踏み倒すほかに「装備品があなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。」というとってもお得な能力も持っています。
【ハンマータイム】を握る前は専ら【青白コントロール】や【カウンターモンキー】の《記憶の氾濫》や《表現の反復》で気持ちよくなっていた私は「先に純鋼出して後から装備品出した方がカード引けて絶対得じゃん!」と思っていたのですが、実はそんな単純な話ではないことに最近ようやく気づいてきました。
出すタイミングによるメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

・装備品より先に出す
メリットとしては、見たままですがカードを引けます。出した時点で金属術を達成できていなくてもこの能力で不足分のアーティファクトを引ける可能性も十分ありますし、基本的にリソースの回復を苦手とする【ハンマータイム】においてはありがたい能力といえます。

デメリットとしては、装備品キャストのスタックで《純鋼の聖騎士》を除去するチャンスを相手に与えてしまうことが挙げられます。除去されてしまった場合は勿論ドローもできませんし、キャストした装備品が《巨像の鎚》だった場合は、貴重な踏み倒しカードを失うことで装備が果てしなく遠のいてしまいます。


・装備品より後に出す
メリットとしては、着地後に優先権を渡さず装備までもっていけるという点が挙げられます。
例えば以下のような状況を考えてみます。


戦場には《ジンジャーブルート》と《バネ葉の太鼓》2枚
手札には《純鋼の聖騎士》と《巨像の鎚》
対戦相手は赤1マナを立てていて《稲妻》を構えていそう…

ここで《純鋼の聖騎士》→《巨像の鎚》とキャストしてしまうと、《巨像の鎚》がスタックに乗っている状態で《稲妻》を《純鋼の聖騎士》に当てられてしまいます。他に踏み倒すカードも無いので、この《巨像の鎚》がいつその力を発揮するのかは神のみぞ知る、というところです。

手順を逆にして《巨像の鎚》→《純鋼の聖騎士》と動いてみましょう。パターンとしては以下のような形が考えられます。

A:《巨像の鎚》キャストのスタックで《稲妻》が《ジンジャーブルート》に当てられる。
→対戦相手のマナが尽きた挙げ句、金属術は依然達成済みです。邪魔されることなく《純鋼の聖騎士》を出して《巨像の鎚》を装備出来ます。

B:《純鋼の聖騎士》キャストのスタックで《稲妻》が《ジンジャーブルート》に当てられる。
→同上

C:《純鋼の聖騎士》が解決して戦場に出る。
→この時点では、優先権がこちらにあるため相手は《稲妻》を使えません。即座に「《巨像の鎚》を《ジンジャーブルート》に装備したい」と宣言できます。なお、ここで「《巨像の鎚》を《純鋼の聖騎士》に装備したい」と言ってしまうと、《稲妻》が《純鋼の聖騎士》に飛んできて装備失敗となってしまいますので要注意。

D:装備スタックで《ジンジャーブルート》に《稲妻》を当てられる。
→金属術が解除されたわけではないので、そのまま《純鋼の聖騎士》に《巨像の鎚》を装備出来ます。

D’:装備スタックで《純鋼の聖騎士》に《稲妻》を当てられる。
→既に装備はスタックに乗っています。そのまま解決されて《ジンジャーブルート》が《巨像の鎚》を装備します。

要するに宣言にさえ気を付ければ、対戦相手がどのように《稲妻》を使ったとしても最終的にどちらかは《巨像の鎚》を装備出来るということになります。手順を逆にしただけなのに、その結果には大きすぎる差が生まれています。

デメリットとしては、カードが引けないため手札に見えているもので戦うしかなくなってしまうという点が挙げられます。以下のような状況で考えてみましょう。


戦場には《ジンジャーブルート》と《バネ葉の太鼓》2枚
手札には《純鋼の聖騎士》と《巨像の鎚》
対戦相手は赤1マナを立てていて《溶解》を構えていそう…

モダンフォーマットの実戦で見ることは、多分きっとおそらくあんまり無いと思います

この場面ではどのように動いたとしても《巨像の鎚》自体を破壊されてしまい、見えているものだけでは二の矢が継げません。《純鋼の聖騎士》を先に出してドローを誘発させていれば2枚目の《巨像の鎚》を引けていたかもしれない……と考えると、非常に勿体ない事態です。

・まとめ
このカードを出す際には、まず相手がなんらかの妨害を撃てる状態か?というところからはじめて、その妨害の種類を予想してみることが大事だと考えています。
クリーチャーにしか触れない単体除去を予想したなら、《純鋼の聖騎士》を後に出すことである程度はケア出来ます。
逆にクリーチャーには触れない除去だと予想したなら、《純鋼の聖騎士》を先に出してドローしていきたいです。

どちらにも触れる《力線の束縛》のような除去が予想された場合はまず出すターンを遅らせることを検討しますが、それが出来ないのであれば、現在の考えでは《純鋼の聖騎士》後出しが良いのではないかな、と考えています。理由としては、後出しの場合は《巨像の鎚》を装備するクリーチャーと《純鋼の聖騎士》自体という2つの脅威が展開できるからです。
《巨像の鎚》を対処されたとしてもデッキには実質12枚入っているカードですのでまた引ける可能性は十分にありますし、《純鋼の聖騎士》を対処されたとしても相手は引き続き《巨像の鎚》装備のクリーチャーと向き合わなければなりません。



《石鍛冶の神秘家》

デッキ内の装備品を全てサーチできるため選択肢が多く、優先度も状況や相手のデッキによって変わってくるため難しいと感じるカードです。
それぞれの装備品について考えてみたいと思いますが、前提として1枚目は概ね《巨像の鎚》か《カルドラの完成体》のどちらかを持ってくることになるかと思います。

《巨像の鎚》
既に《シガルダの助け》や《純鋼の聖騎士》を用意できる場合は殆どこれを持ってくることになります。踏み倒すカードが無い場合でも、このカードを引っ張ってくることでコンボの準備が進行していることを伝えることが出来ますので、コンボに対するケアを相手に要求することが出来ます。相手のヘイトをコンボに向けさせて生き残った《石鍛冶の神秘家》から《カルドラの完成体》を出す、という状況も頻繁に起こります。

《カルドラの完成体》
相手のデッキ次第ではありますが《石鍛冶の神秘家》をマスト除去のカードに変えることが出来ます。特にフェアデッキを相手にしている場合、《カルドラの完成体》サーチ→相手が《石鍛冶の神秘家》を除去するために隙を晒す→コンボ成立によって勝利!という状況もそれなりに起こります。
ただし、テンポよく《石鍛冶の神秘家》を除去できる1マナインスタントの除去が大量に含まれているデッキ相手では、サーチしたターンのエンド時に除去されてしまうだけなので相手の隙を作るという役割は期待できません。その場合はデッキ内に3枚しか残っていない《石鍛冶の神秘家》2枚目を引いて、かつそれが生き残ることでしか出せないカードを抱えることになってしまうので優先度は大幅に下がると考えています。

《影槍》
上記2種と比べると優先度はやや下がると考えていますが、《巨像の鎚》を装備したクリーチャーがチャンプブロックで防がれる場合にはこれをサーチすることで決定打となります。また、シビアなダメージレースになりがちな対アグロデッキや、ライフゲインが重要な意味を持つ対バーンといったマッチアップでは真っ先に確保しておきたいカードでもあります。

《イラクサ嚢胞》
コンボの見込みが全然立っていないから生体武器で攻めたいが、《カルドラの完成体》は持ってきても《石鍛冶の神秘家》がすぐ除去されそう…というときはこれをサーチします。最序盤では持ってきても修正値がそこまで高くならない為、中盤以降に選択肢に浮上することが多いカードかと思います。

マッチアップ考察

この項では、現在の私の認識で可能な限りのマッチアップ考察を行っていきたいと思います。知見が溜まり次第、随時更新していく予定です。

【カウンターモンキー】

要注意カード 

フェアデッキであるため、相手のキルターンはそこまで速くありません。急ぐ必要はあまりないマッチアップと言えると思います。
むしろ《稲妻》と《邪悪な熱気》合わせて7~8枚の1マナ除去が入っているため、急いでもあんまり良いことはありません。【カウンターモンキー】側も構えているだけで勝てるデッキではないので、必ずどこかでマナを寝かせてクリーチャーを設置してきます。その隙を狙って、コンボパーツの軽さを活かして2アクションを取ることでコンボ成立を目指していきます。除去はほとんど火力なので、どこかで《巨像の鎚》を1枚付けることが出来ればそれだけで大幅に勝ちが近づきます。

カウンターを構えるという行為を無意味なものとする《ウルザの物語》による揺さぶりも効果的です。
①:構えが無駄になることによるテンポ損を嫌って動いてくる→その隙にコンボを通す
②:コンボをケアして構えを崩さない→構築物トークンで圧殺
という二択をかけることが出来ます。

サイド後は厄介なカードが大量に投入されるため、それらを乗り越える必要が出てきます。【カウンターモンキー】側がどれだけこのデッキを意識しているかにもよりますが、少なくとも《仕組まれた爆薬》《血染めの月(月の大魔術師)》《激しい叱責》は必ず入ってくるものと思ってプレイしたいです。《兄弟仲の終焉》や《削剥》《激情》といったカードも採用圏内のカードですので、勝てるターン以外で隙を見せるのは避けたいところです。
こちらは《真髄の針》によって《仕組まれた爆薬》を止めつつ、引き続き焦らず急がずで《巨像の鎚》装備を目指していきたいです。
《ヴェクの聖別者》は有効ではありますが、こちらにとって最も厳しいクリーチャーである《帳簿裂き》《濁浪の執政》には無力な為、フル投入はし辛いと考えています。《激しい叱責》でプロテクションを失ったところに火力を当てられるパターンもありますので、過信は禁物。
最速を目指さないプランなので0マナクリーチャーは抜きやすいと思います。

【不屈の独創力】

要注意カード 

対戦経験が少なく、正直よく分かりません……。
ジャンドカラーでまとめたタイプもありますが、その場合は概ね4枚入っている《致命的な一押し》に注意したいです。いずれにせよ軽い除去が多く入っているため、スピードを出そうとしてもあんまり良いことはない印象です。
《不屈の独創力》自体が実質4マナ以上のカードということもあって、準備期間はそれなりにあると考えています。《鍛冶屋の技》等の防御札によるバックアップ込みでコンボを狙うか、あえて相手に先にコンボを成立させ、その隙を狙ってワンショット!というような勝ち方になることが多い気がします。
《鍛冶屋の技》は自分のパーマネントを守る他に、《不屈の独創力》の対象となったパーマネントに使って破壊不能を持たせることでフィズらせることが出来ますので忘れないようにしたいところです。

【ハンマータイム】

要注意カード 


お互いにメイン戦ではほとんど妨害が無いため、最速パターン同士のよーいどん!になるか、速度を出す側とそれを止める側の攻防になるか、お互いが最速パターンを止めようとして膠着するか……というゲーム展開になると考えています。
ミラーである以上どうしても引きに左右される部分はありますが、除去されないためほぼ確定で《カルドラの完成体》を出せる《石鍛冶の神秘家》と、コンボパーツを持って来つつ盤面を固められる《ウルザの物語》、プロテクションによって攻防に一方的な有利をもたらす《ルーンの与え手》辺りは明確に「強い」カードだと考えています。サイド後は概ね《冥途灯りの行進》を入れて、相手の速度を落としつつ、こちらは必要なカードを揃えていく…というゲームになると考えています。

《カルドラの完成体》装備の細菌トークンに対して、こちらに《ルーンの与え手》と他のクリーチャーが居る場合は、ブロックしつつプロテクション黒を付与することで受け止めることが出来ます。さらに《影槍》があってブロッカーが5/5以上である場合は、起動型能力で破壊不能を失わせることで討ち取ることもできますので忘れないようにしたいところです。
また、《巨像の鎚》を2枚装備して攻撃が通れば勝てるけど相手の構築物トークンが邪魔だなあ、という状況で《ルーンの与え手》でプロテクション無色を付与してしまうと《巨像の鎚》がまとめて外れてしまいます。これも絶対に忘れないようにしたい点です。



【リビングエンド】

要注意カード

構造上3ターン目までは盤面に触られ辛いため最速を狙っていきたいところですが、《悲嘆》と《否定の力》に阻まれて上手くいかないことが多いマッチアップと考えています。
少しでも減速して《死せる生》が解決されてしまうとこちらのクリーチャーが全滅してしまうため、【リビングエンド】側の続唱ターンまでにゲームに勝つ見込みがないのであれば、クリーチャーは必要最低限のものだけを出して残りは手札に抱えておいた方が良いと思われます。
1回目の《死せる生》解決→手に残ったクリーチャーを展開→相手に2回目の《死せる生》を撃たせる→1回目の《死せる生》で失ったクリーチャーが戻ってくる……というような展開に持っていくことを目指していきたいですが、大抵の場合ここで《悲嘆》が戻ってくるのでクリーチャーも捨てられてしまいます。要するに良く分かりません…どなたか勝ち方教えてください…

サンプルリストで考えると、ヘイトベアーと《呪文貫き》をありったけ入れてなんとしても《死せる生》を阻止するプランになるかと思われます。続唱ターン以外に誘発するチャンスがほぼない《エスパーの歩哨》は気軽に抜けるカードです。《ヴェクの聖別者》は墓地対策と錯覚してしまいそうになりますが、全く対策になりませんので入れたくないマッチアップです。


【アミュレットタイタン】

要注意カード

相手のコンボを妨害する手段がほぼ無いため、概ね《原始のタイタン》着地から《耐え抜くもの、母聖樹》を持ってこられてバウンスランドで回収、そのまま構え続けられてKOのマッチアップです。やられる前にやろうとしても、相手の先鋒《樹上の草食獣》が狙いすましたかのように到達を持っていますので、最速で決めきることも難しいという点でかなり厳しいマッチと考えています。
サイド後は《冥途灯りの行進》をフル投入して少しでもコンボ阻害を目指します。母聖樹への回答として《真髄の針》を入れるのも一考かと思います。クリーチャーはあまり除去してこないデッキなので《石鍛冶の神秘家》からの《カルドラの完成体》も決まりやすいですが、殴り切る前に負けてしまうことが多いという点と、概ね投入される《四肢切断》には注意したいところ。チャンプブロッカーが多くいることから《影槍》も有効と考えています。
このマッチアップでも《エスパーの歩哨》は何もしてくれませんので、真っ先に抜いてしまっていいカードだと考えています。

【カスケードクラッシュ】

要注意カード 

こちらにとって厳しいカードが多い上に、不利マッチの【リビングエンド】と同様の続唱デッキであるためやはり不利……ですが、こちらは感覚的には互角に戦えるデッキです。
続唱が決まったとしてもこちらの盤面が崩壊する訳ではないことや、《ウルザの物語》の構築物トークンや《巨像の鎚》装備でサイトークンよりも巨大なクリーチャーを用意しうることが大きな要因かと思います。
《火/氷》や《死亡+退場》《厚かましい借り手/些細な盗み》《否定の力》《激情》《耐え抜くもの、母聖樹》等の存在から急いでもあまり良いことは無いので、あえて序盤は強い動きを見せずに続唱させて、そこで生まれた隙を活かしてサイトークンより強固な盤面を作る…というイメージで現在は戦っています。サイド後は概ね《活性の力》が入ってきますが、目指すところはあんまり変わらないかと思います。ヘイトベアーや《呪文貫き》等で妨害しながら、隙を見計らってサイトークンよりも巨大な構築物トークンを並べるか、コンボの成立を目指したいです。

【LO】

要注意カード 

普通にゲームをした場合、どこかで《巨像の鎚》《シガルダの助け》《純鋼の聖騎士》が切削によって墓地に落ちて、それを《外科的摘出》されて打点を出せないままゲームセットです。こちらの「強い」カードである《石鍛冶の神秘家》《ウルザの物語》のサーチを咎める《書庫の罠》や、一度通すと誇張抜きにデッキの半分を持っていかれる《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》も厳しいカードです。
最速を狙っていきたいところですが、チャンプブロッカーとして立ちはだかる《面晶体のカニ》《遺跡ガニ》や、《致命的な一押し》に阻まれることもままあります。最速を狙えない場合は《根絶》《外科的摘出》による敗北を防ぐために、引いた《シガルダの助け》《巨像の鎚》《純鋼の聖騎士》は片っ端から場に置いてワンチャンスを狙っていきたいです。


終わりに

というわけで、【ハンマータイム】を回していく中で考えたことをまとめてみました。

苦労しながら書いているうちに、新セット『機械兵団の進軍』が発売されてしまいましたね。最近のセットはなんだかんだでモダンに影響を与えていますが、今回は当のこのデッキが新戦力を得ました。

《夏の帳》です。このカードがあれば、《激情》も《活性の力》も怖くありません!あとはカードが引ければ真の《夏の帳》だったのですがカードが引けないのでやっぱり《夏の帳》ではありません

見られる範囲が広いことと、一度このカードが解決されればそのターン中は単体除去のことを何も考えずに動けますので、概ね《鍛冶屋の技》とさし変わる枠かと思います。

ただし、問答無用で「破壊する」と書かれている全体除去に対しては無力&打点自体は変えられないカードですので《鍛冶屋の技》が完全に居場所を失ってしまったわけでもないと考えています。このカードと《鍛冶屋の技》の枚数配分に悩みながら調整するのも面白いのではないでしょうか。

今後についてですが、目立った戦績を挙げられるまでは引き続き【ハンマータイム】を回していくつもりですので、たびたび追記や修正を行っていくことになるかな、と思います。

今回は以上となります。ここまで読んでくださった方々、ありがとうございます!







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