ヴァザーリ 芸術家列伝 リオナルド ドナテッロ

ヴァザーリが書いた芸術家列伝中ドナテッロとリオナルドの2人分の抜粋。
数十年前イタリアTVでレオナルドの生涯を再現したよく出来た映画(この書の朗読を交えたもの)を見た。非常に印象深い語り口だったが、この書を読み、それがヴァザーリの文章の特徴なのだと知った。
非常に回りくどい難解な文章だ。抜粋なので省略されている部分も多く半分が元のイタリア語のページで語学勉強のための書。
ドナテッロは古風なギリシアローマ風の彫刻などで有名だが著書では面白い2つの逸話が紹介されている。十字架像を制作したら農夫のようだと揶揄された。彼は死ぬ時財産目当てに集まった人たちにこう言った、私の財産はこの土地の農夫たちに分けてやるのだ。15世紀ルネサンスの初期でさえ芸術家たちは未来を見ていたのだ。
映画の中で印象的だった後年のレオナルドの元へ時々通っていたご婦人の話は(映画の中ではモナリザのモデルなのか?あるいは実の母か?とも受け取れる表現だったような?)この書では省略されたか、元から記載がないのかが不明。原書を翻訳で読んでもかなりの量になるので思案中。

『美術家列伝』〈2〉ドナテッロ レオナルド・ダ・ヴィンチ (大学書林語学文庫) 新書