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"半導体"という言葉

半導体とは、全く電気を通さない絶縁体と、電気を通しやすい導体の中間的な性質を持った物質です。”半”というのは、絶縁体と導体の”中間的な”性質を持つことを意味しています。一般的な物質は、大体が半導体に相当します。

しかし、”半導体”という言葉を使う時は、集積回路(IC; Integrated Circuit)のことを意味します。集積回路は、半導体の表面に、微細かつ複雑な電子回路を形成した上で封入した電子部品のことを指します。集積度がかなり高くなると、大規模集積回路(LSI; Large Scale Integration)と呼ばれます。PCの心臓部であるCPU(中央処理装置)は、このLSIに相当します。ご存知の通り、PCのCPUはIntelとAMDの二つの会社がほぼ独占しています。

集積度は、どの位の幅(長さ)で回路を製造できるかにかかっています。日本で製造されている半導体は、40nm (ナノメータ)レベルですが、世界最高レベルは4nmですので、40nmでICを作る場合の100倍程度の集積度になります。集積度が上がると、一つのチップに様々な機能の半導体を実装することができます。このような半導体を、SoC (System on a Chip)といいます。

SoCには、計算をするCPUや記憶用のメモリ、そのほかの周辺回路などが一つにまとめられています。SoCは主に、自動車や制御機器などの組み込みICとして使われていています。SoCのメリットは、ずばり小型化と省電力化です。SoCではワンチップに様々な機能が統合されているので、装置全体をコンパクトにできますし、回路を小さくすることで消費電力を抑えることができます。

PCのCPUでは二大巨頭の支配が続いていますが、スマートフォンや家電のCPUでは、ソフトバンクが買収したイギリスのArm社のCPUコアを使ったプロセッサが大量に使われています。スマホの機能や計算能力は益々向上しています。そのうち、スマホの計算能力がPCの計算能力に追い付くでしょう。そうなると、”パーソナルコンピュータ”という言葉が消え去る時代が来るかもしれません。


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