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『花祭り』の思い出

4月8日の今日は、お釈迦様の誕生を祝う『花祭り』の日です。この日には、お釈迦様の誕生をお祝いし、”子どもの身体健全・所願成就”を祈ります。日本各地の寺院では、4月8日に誕生仏(釈迦像)を囲った小さなお堂・花御堂はなみどうが置かれ、参拝者は誕生仏に甘茶あまちゃをかけてお祝いします。花祭りは宗派に限定されないお祭りで、仏教では重要なお祭りとされています。

私の記憶が正しければ、私が花祭りに行ったのは、小学校に上がる前の1回きりです。どうして花祭りに行くことになったのかは覚えていませんが、祖母と二人でバスに乗って、とある寺院の花祭りに参加しました。バスの中で、祖母が「今日はお釈迦さまの誕生日なんだよ」と教えてくれました。しかし、まだ5歳くらいだったので、お釈迦様やら仏教やらを全く理解していませんでした。

その寺院は小高い丘の上にあるため、祖母に手を引かれて登って行ったことを朧気ながら覚えています。前の参拝者の見様見真似で小さなお釈迦様にお茶をかけて、お祈りが無事に終わりました。このお寺では参拝客に甘茶をふるまっていました。祖母が「甘茶という甘いお茶があるけど、飲んでみるかい?」と、私に聞いてきました。甘いものは好きでしたから、「飲んでみる」と言って、甘茶のコーナーに行きました。

期待しながら甘茶を飲みましたが、期待外れの味にガッカリしました。甘いというのでジュースみたいな飲み物を想像していましたが、”薬のような風味で、微妙な甘さ”でした。これが人生初の甘茶体験でした。今調べてみたら、甘茶はアジサイ科の植物で、この葉っぱを乾燥・発酵させたものらしい。

この幼い時の記憶が残っているのは、丘の上の寺院から見た麓の桜のお陰です。およそ60年前に見た桜は、本当にきれいでした。

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