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It's automatic. 人は自動的に行動する

5万ビュー越えの最初の記事は、『人間の行動原理』に関する話です。人間は、”自分の行動は自分で決めている”と当たり前のように思っていますが、実はそうではありません。意外かもしれませんが、人間の行動は多くの場合、周りの環境や状況に依存して、自動的に決められています。

人間らしい行動原理の一つに、『返報性の心理』というものがあります。返報性の原理とは、好意には好意を、敵意には敵意を、譲歩されたらこちらも譲歩したくなるというように、同じ気持ちを返したくなる心理作用のことです。

例えば、スーパーマーケットなどの試食コーナーで、店員さんから勧められて試食すると、多くの人は「タダで食べさせてもらったのだから、一つくらい買わないと悪いかな」という気持ちになります。これが好意には好意をという返報性の心理です。これは「無償で商品をもらう」ことによって返報性の原理が働き、お返しをしたい(商品を購入したい)という心理が生じているわけです。本当はスーパーの戦略なのに・・・。

返報性の心理は、敵意に対しても働きます。学校の同級生や会社の同僚などに、嫌なことをされたら、仕返しをしたい気持ちになることもあります。少し前に流行った「やられたらやり返す。倍返しだ!」というのも、返報性の原理に基づいています。相手から受けた好意などには恩返しを、敵意に対しては復讐が自動的に選択されます。

返報性の例に、試食コーナーを挙げましたが、気付いてないかもしれませんが”服や靴の試着”などにも返報性が働きます。この場合は試食とは違い、モノをタダで受け取っているわけではありませんが、店員さんに時間をかけて接客されたことや、購入する前の商品を着させてもらったことなどが “借り” となります。そのため、「せっかく試着したのだから、買ってしまおう」という心理が”自動的に”働きます。

また現実世界だけでなく、バーチャルな空間におけるやりとりでも、返報性の法則が関わっています。SNS、例えばInstagramやX(Twitter)などで、自分の投稿に「いいね!」を押してくれた人がいると、お返しとしてその人の投稿にも「いいね!」をあげたくなるのだそうです。

もちろん、「いいね」が付くとモチベーションが上がります。ただし、私の場合は空気が読めないせいか、「いいね」をもらってもお返しをしようとする心理が働きません。これって人間的に問題ある?。


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