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 私はヘアスタイルは気にしない方なので、基本的には理髪店でカットしてもらいます。今回は、”遍歴シリーズ”の第三弾で、私の床屋の歴史をお話します。

 小学生の頃は、実家の近所の理髪店に通っていました。ここの待合室には、私の好きな週刊マンガが置いてあったので、散髪は嫌でしたが、待ち時間のマンガは大好きでした。たしか、小学生の散髪代は当時200円でしたが、帰り際に”20円のお小遣い”をくれました。この20円は、お釣りではなくお小遣いなので、親に返却する義務がありませんでした。とても良いシステムだと小学生ながら、感心していました。

 中学生の頃は、田舎だったので丸刈り(坊主)が標準仕様の髪型でした。たまに、長髪の人を見かけましたが、”頭に大きな傷がある”などの特殊事情がある人だけの特別待遇でした。中学生の三年間は、父親が買ってきた中古のバリカンで丸坊主(五分刈り)でした。なので、この間は床屋に行っていません。この習慣が根付いてため、高校になっても、坊主ではありませんでしたが、父親による”適当な散髪”をしてもらっていました。場所は、髪の毛が散らかってもいいように、いつも玄関でした。

 大学に合格して親元を離れてからは、下宿の近くの理髪店に行きましたが、決まった店には行かずに、適当な店に入っていました。私は対人恐怖症ではありませんが、人見知りで、はじめての人とは特にうまく話せません。理髪店の店主から「今日はどういう風にしましょうか?」と聞かれても、好きな髪型なんてないので「適当にお願いします・・・」と弱々しく言うのが精一杯でした。

 ある時、大学のイケメン同級生に、「散髪とかは、どこに行ってるの?」と聞くと、「○○の近くにある、△△という美容院に行っているよ。サービスも良いし、一度行ってみたら」と推薦されたので、勇気を振り絞ってその美容院に行きました。店に入ると、愛想の良い女性店員さんが「お客様、当店は初めてですか?」と聞くので、「初めてです・・・」と小さな声で応えました。すると店員さんが、「初めてのお客様には、カットのためのカルテを書いて頂いています」と言うので、心の中では「超メンドクセー」と思いながら、20項目ぐらいある詳細なカルテに記入しました。カルテの記入中には、小さなカップに入ったコーヒーを持って来てくれました。「これが例のサービスってやつか・・・」とイケメン同級生の言葉を思い出しました。自分の番になって、カットしてもらいましたが、この時も「前髪はどうしましょう?」「耳の周辺は?」「襟元はどうしましょう?」と何度も聞いてくるので辟易へきえきしました。ようやくカットが終わってレジで清算すると、理髪店の1.5倍くらいの料金を取られました。「次のご依頼店をお待ちしています」と笑顔で言われましたが、心の中では「二度と来るか~!」と悪態をついていました。

 この後には、私の理想とする”寡黙な店主の理髪店”を見つけて通っていましたが、病気のために数年後に閉店してしまいました。次も”寡黙な店主の理髪店”を見つけて通っていました。ここの店主は、ほとんど喋りませんが、散髪が終了する頃に、一言二言話しかけてきます。まったくの無言も居心地が悪いので、私には丁度よい寡黙さでした。しかし、ここも店主の高齢のために数年後に閉店となりました。

 この後の床屋遍歴も色々とあるのですが、省略します。現在はQB HOUSEという千円カットの店に行っています。千円カットといっても実際は1200円です。どうしてこの店かというと、近くのショッピングモールにあるという便利さと、若い頃に比べると毛髪量が圧倒的に減ったためです。散髪は2か月に一回程度の頻度ですが、どんな髪型にされても問題ないので、「どういう風にカットしましょうか?」と聞かれたら、「耳にかからないように、全体を短めにカットして下さい」とロボットのように答えることにしています。

参考資料(どこかのQB HOUSE)

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