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2024年4月 血圧基準が変更されました。

高血圧とは、血圧が”正常範囲”を超えて高く維持されている状態のことを指します。ただし、この”正常範囲”というのがクセモノです。日本の正常範囲は、様々な理由で過去に何度も変更されています。日本で血圧の基準が定められたのは1987年のことで、その当時は収縮期血圧が180 ㎜Hg以上を高血圧の基準としていました。それが2000年になると、日本高血圧学会の推奨によって上限の基準が140 ㎜Hgにまで引き下げられました。

その基準が、2024年4月にさらに変更されました。今年4月から、高血圧の判定基準が、現在の「収縮期140/拡張期90」から『収縮期160/拡張期100』へと変更されました。これは結構大きな変更だと思いますが、ニュースなどではあまり取り上げられていません。

私の血圧の上限は120台なので、特に問題ありませんが、調子が悪いと130台になったこともありました。しかし、上限基準値が160なら全然問題ありません。この変更で、健康診断などで”高血圧”の受診勧奨される人が、これまでの10分の1になるそうなのです。

なぜこうなったのかには様々な理由があるみたいですが、一つ目は国際的な潮流です。少し前には医療の世界で論文や薬の治験の不正が横行し、治療指針が製薬企業によって歪められていた時期がありました。この反省を踏まえて、2004年頃から医師と製薬企業の経済的な癒着を解消する動きが起こり、血圧の治療ガイドラインが科学的に作られるようになったのだそうです。2019年の英国政府のガイドラインでは、高血圧に対する医療介入は収縮期160/拡張期100mmHg以上となったのです。今回の変更は、この世界の潮流を受けてのものです。

二つ目は、日本人を対象とした研究によるエビデンスです。この研究の結果、55歳以上では男女とも収縮期160/拡張期100mmHgまでは正常なことがわかりました。また住民追跡研究の結果、60歳以上の男女とも、死亡率の上昇が見られたのは収縮期160/拡張期100mmHg以上でした。要するに、科学的に160/100という基準が正常なことが証明されました。

これから、高血圧で悩む人は少なくなるでしょう。しかし、油断は禁物です。調子に乗っていると160を簡単に超えるかもしれません。私の父は一時期200を超えていたので、血圧の降圧剤を飲んでいました。しかし、これを飲むと血圧は下がりますが、脳への血流が減少するため、無気力な無表情になってしまいました。最近は、血圧が安定してきたので薬をやめると、みるみる表情が戻ってきました。

私は医師ではないので医学的な根拠はありませんが、血圧を下げる薬を常用するのは”ボケを加速させる”気がします。あくまでも個人的な感想ですが。

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