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喫煙・飲酒問題に思う事

もうすぐパリオリンピックの開幕ですが、開幕歓迎ムードに水を差すようなニュースを読みました。それは、未成年(正確に言えば成人していますが)による飲酒・喫煙が原因のオリンピックの参加辞退です。多くのネットニュースで取り上げられているので、ここでは個人名は書きませんが、この処分内容に賛否両論あって、結構な盛り上がりを見せています。

私は関係者でもありませんし、単なる野次馬なので、「そんなことがあったんだ」程度の感想しかありません。しかし、この出来事は多くの背景を内包した複雑な問題なのかもしれません。事実関係がよく分からないし、色々な有名人がコメントしていますが、「実際のところはどうなのよ?」と思いました。その中でも気になったコメントがあったので、一部を抜粋します。なお引用文中のNTCは、トップレベル競技者用トレーニング施設であるナショナルトレーニングセンターのことです。

若者の夢を潰すなという意見は耳心地が良く聞こえるものの、未成年の喫煙・飲酒は明らかな脱法行為です。ルールを破ればペナルティを受けて当然で、日本代表選手といえども、例外はありません。ましてや、宮田選手はNTCで飲酒をしていたことも認めている。・・・

世界で戦うアスリートにとってNTCは神聖な場所で、しかも370億円をかけて国が建設したものです。つまり国民の税金が投入されている。そこでルールを破ったのだから、五輪出場辞退は当然の報いだと思う。若いからこそなあなあで済ませてはいけないし、若者の未来を憂うのなら、大事なのは厳しいペナルティを課したうえでセカンドチャンスを与えること、そのための手助けをすることでしょう。問題の詳細が明らかになる前に宮田選手を庇い、同情するのは余りに軽率で、根底にはオリンピアンは特別だという傲慢さ、特権意識も透けて見える。さらに言えば、アスリートには、強ければいい、勝てばいいという勝利至上主義が根深く蔓延っている証左ではないか

スポーツライターの津田俊樹氏のコメントの抜粋(太字は筆者の独断です)

多くのコメンテータは、自分の感情や価値観で好き勝手なことを言っていますが、この津田さんは冷静で客観的な分析をしているように感じました。数あるコメントの中には、「喫煙ぐらいでは退学にはならない」などと、どこぞの不良高校生と同じような扱いをしていましたが、そもそも前提とする立場が全然違います。

スポーツの世界では、”違法ではないがやってはいけない薬物問題”が存在します。それはドーピングです。ドーピングは、スポーツの競技で成績を良くするため、運動能力・筋力の向上や神経の大きな興奮などを目的として、薬物を使用することです。ドーピングは年々厳しくなっていて、意図しない服薬や飲食物、サプリメントの摂取による”うっかりドーピング”を含めて多くの競技で禁止されています。

飲酒・喫煙問題はドーピングとは直結しませんが、”勝利至上主義”と根っこが同じ気がします。心が未成熟な時期の”若気の至り”は仕方ないことですが、やはり自己責任です。どん底からの巻き返しを期待しています。

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