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答えはハイかイエスだ!

二元論を好む西洋では、0か1、YesかNo、OnかOff、HighかLowなどの二者択一が迫られます。コンピュータの内部では、基準電圧からのHigh/Lowで、1と0を表現しています。デジタルな表現では、この二者択一は単純明快で便利です。

Yes!と言えばヘリコプターを颯爽と操縦するタカス先生↑↑ですが、実際の問題では、答えがそんなに単純ではない場合が結構あります。ずいぶん前に、曖昧さを考慮した『ファジー理論』という数学理論が考案されました。これは、その現象の確率を0(起こらない)か1(起こる)の二択ではなく、0から1の範囲の値として考える数学理論です。ファジーは、fuzzy(曖昧な)という英単語に由来しています。

日本では、ファジー理論は一時期ブームになりましたが、欧米ではそれほど流行りませんでした。その理由は、白黒をハッキリさせたい二者択一を好む西洋文化と、何事にも曖昧さを残したい日本的な文化の違いなのかもしれません。

ではファジーが廃れたかというと、そうでもありません。今は空前のAIブームですが、ニューラルネットワークを使った機械学習のなかで、”ファジーな重み”が使われています。人工のニューラルネットワークでは、人工的なニューロンを仮定し、ニューロン同士の繋がりを使って、入力値から出力値を計算します。

言葉で説明するのは難しいのですが、各ニューロン(接点)での重みが出力値に大きく影響します。ニューラルネットワークを使った推論では、既知の入力と出力のペアを教師データとして、ネットワークの学習を行ないます。数多くの教師データを学習して始めて、ネットワークは新しい入力に対する出力を推定することができます。

何かを強制する時に、「答えはハイかイエスだ」と言ったりしますが、そんな横暴は許されません。答えはイエスかノーだけではなく、その中間も存在して良いのです。実際、日本の天気予報では、降水確率(%)が広く認知されています。曖昧さは重要なのです。

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