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スマートでナイーブなあなたへ 和製英語の意味の違い

 日本語には、海外の言葉を語源とする外来語がたくさんあります。一見、日本語に思えるような単語にも外来語があります。太平洋戦争後の日本は、アメリカ軍が進駐したこともあり、英語を語源とする和製英語が増えました。しかし、その意味は元々の意味とは異なる場合が多いのです。

 例えば、日本語のスマートは”痩せている”ことを意味していますが、原語のsmartは”賢い/頭が良い”という意味で、”瘦せている”という意味はありません。たぶん、頭の良い人に細身の人(痩せた人)が多かったために、意味が勘違いされて伝わったのかもしれません。ちなみにsmartには、頭は良いけど”冷徹な/冷たい”人のような意味もあります。

 ナイーブも間違って使われている和製英語です。元々はフランス語から英語に借用された言葉だそうです。日本語のナイーブは”繊細な/感じやすい”の意味ですが、本来のnaiveは、”考えが甘い/青臭い”というような意味です。ちなみに、”繊細な”を意味する英語はsensitiveです。

 小学生の時、『ザブトン(座布団)』というトランプゲームを教えてもらいました。ルールは簡単で、配られたカードを数字の順番に従って裏向きにして出していき、カードが無くなった人が勝ちになるゲームです。3-5人でやるゲームですが、都合よく数字が合うカードを常に手札に持っている訳が無いので、その時には適当な(偽の)カードを出します。その時に数字が違っていると思ったら「ザブトン!」とコールします。もし、出した数字が本来出すべき数字でない場合は、そのカードを出した人が今までのカード全てをもらわなければならないので、一気にトランプの枚数が増えます。ただし、出したカードが正しいカードなら「ザブトン!」とコールした人がそれまでのカードを全て引き受けなければいけません。

 ルールを教えてもらった時に、なぜ「ザブトン!」とコールするのか全く意味が分かりませんでした。たまたま、そのときはザブトン(座布団)の上にカードを置いてゲームを進めていたので、このゲームには座布団が必須アイテムなのだとずっと思っていました。しかし、高校生の頃に英語の授業で”doubt(ダウト;疑い)”という単語を知って、トランプゲーム『ザブトン』の意味が分かりました。

 そうです。ザブトンは座布団ではなく、ダウト(doubt)だったのです。どのような変遷をたどって、ダウトがザブトンになったかは不明ですが、ダウト⇒ザウト⇒ザウトン⇒ザブトンのような形で変化していったのかもしれません。もちろん、これは勝手な想像です。

 カステラはカステーリャ王国のお菓子ですし、金平糖こんぺいとうコンフェルトー(砂糖菓子)です。また、ワイシャツはホワイト(白)シャツですし、アイロンはアイアン(鉄)、ミシンはソーイングマシーン(機械)です。どうやら日本人の耳には、外国語は全く違った音で届いているようです。

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