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○○に騙されないために

占星術やタロットなどの占いでは、多くの人に当てはまることが、まるでその人だけのことのように語られます。これが占い師の”アタる/ハズレる”の技量の差になっています。このような、誰にでも該当するような曖昧で一般的な説明を、自分だけに当てはまるのだと勘違いしてしまう心理学の現象のことを、バーナム効果あるいはフリーサイズ効果と言います。

また一対一の占いでは、コールド・リーディングと呼ばれる話術が使われます。コールドリーディングは、人間観察の技術であり、対象者の外観を観察したり、何気ない会話を交わしたりして、相手のことを言い当て、相手に”私はあなたよりもあなたのことをよく知っている”と信じさせるテクニックです。ここで言う”コールド”とは”事前の準備なしで”ということです。巷で”よく当たる占い師”というのは、このコールド・リーディングのテクニックを身に付けた人たちです。

コールド・リーディングより凄いのが、ホット・リーディングです。ホットリーディングでは、探偵を使ったり、占いの待合室で助手が世間話をしたりして、事前に相手のことをしっかり調べた上で、あたかも本当に占い・霊感・超能力などで相手の心を読んだと見せかける、いわゆるインチキです。テレビなどで自称・超能力者が、様々な事実を言い当てるのは、ほとんどがこのホット・リーディングです。

世界的に有名なレベルの超能力者・霊能力者になると、”相談”の受付を予約制にし、面談日を受付の数週間後に設定させ、その間に予約者の家にセールスマンなどを装った人物を派遣して、情報収集をさせることもあるそうです。こうした調査を行うことで、周囲の住民、家族、住宅などから、予約者の人となりや生い立ちに関する情報を得ることができます。

このようにして、自称・霊能力者/超能力者は、事前の調査によって相手の情報を大量に入手した状態で相手を見ます。こうなれば、後出しジャンケンのように、必ず勝ちます(当たります)。現在は、インターネットの普及で、様々なSNSから個人情報を集めることも可能です。占い師や超能力者にとっては、仕事をしやすい環境なのかもしれません。

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