虹は何色?、と聞かれたらあなたはどう答えますか?。たぶん、多くの人が、「虹は七色。そんなの常識でしょ」と思うことでしょう。しかし、それはその文化内での常識であり、”絶対的事実”ではありません。国により、文化により、虹の色数は異なるのです。現在では、パソコンで使用できる色数は数万色もありますが、このすべてに名前が付いているわけではありません。私たちが普段使う色の名前は、せいぜい10-20程度ですが、これで日常生活に支障はありません。
日本では青と緑の区別は曖昧で、時には同一視されたりします。というか、”緑は青のカテゴリーに含まれる”と解釈するのが正解に近いと思います。私が住んでいた田舎では、”あお”はかなり広範囲の色を表わす言葉で、紺色、藍色、水色、緑は、すべて”あお”です。日本では信号は赤・黄・緑の三色ですが、緑色は”青信号”と呼ばれています。これは新聞の間違った記事が、そのまま普及したために起こったと、NHKの”チコちゃんに叱られる”で説明されていました。しかし、私の田舎では緑は”あお”なのですから、全く違和感がありません。また、私の田舎では”あか”の守備範囲も広く、赤はもちろん、橙色、紫色まで”あか”に分類されます。
日本でも、古代では色の認識は曖昧で、”あか”や”あお”、”しろ”や”くろ”程度が認識されていたようです。五世紀ごろになると、中国から五行思想とそれに対応した青・赤・黄・白・黒の五色が伝わったので、色の区別が明確に認識されるようになったらしいです。下の図は地域別の虹色の認識数で、南アジア(バイガ族)の2色から、アフリカ(アル族)の8色まで様々なバリエーションがあります。
虹には吉凶2つの言い伝えがあります。虹は干ばつの兆しなので”指さしてはいけない”と言うのと、虹の根元には”宝が埋まっている”というものです。日本は今では7色ですが、その昔は2色だったようです。昔の沖縄(琉球)でも、その昔は2色(赤と黒)と認識されていたようです。虹の訓読み”にじ”には、ひょっとしたら2(に)の意味があるのかもしれません。私の勝手な憶測ですが・・・。
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