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”バリウムうんち”は流れない。

少し尾籠びとうな話が出てきます。食事前の方は、ご遠慮ください。

オジサンになってからは、ほぼ毎年人間ドックを受診しています。今のことろ、血圧が少し高いのと、総コレステロール値が高いのを除けば、正常(?)です。人間ドックの様々な検査の中には、胃の検査があって、胃カメラか胃のX線透視が選べます。胃カメラも数回経験がありますが、最近はX線透視を選んでいます。

胃のX線透視には、硫酸バリウムを使います。硫酸バリウムは組成式 BaSO4 で表される、バリウムイオンと硫酸イオンからなるイオン結晶性の化合物です。この”バリウム”が医療用としてX線造影剤に使われています。医療用の造影剤としての年間推計使用者数は約1,750万人なので、日本人の10人に1人以上は”バリウム”にお世話になっていることになります。

硫酸バリウムは、天然には重晶石と呼ばれる鉱物として採掘されます。かつては日本でも北海道や東北で採れたようですが、現在はそのほとんどが中国から輸入されています。

X線で胃を透視する前には、紙コップ一杯のバリウム製剤を飲む必要があります。このバリウム製剤の主成分は硫酸バリウムなので比重が重く、紙コップ一杯でもずっしり重く感じます。バリウム製剤には、飲みやすくするための香り・味付けの添加物も含まれているそうですが、はっきり言って不味いです。しかしこれには理由があって、バリウムの味を美味しくしてしまうと、胃の働きが活発化してしまい胃酸を分泌するからだそうです。マズイのにも、それなりの理由があるようです。

硫酸バリウムは化学的に安定で、胃液や腸液に溶解しない性質があります。そのため、飲み込んでも消化器官から吸収されず、便となって排出されるために基本的には無害です。しかし時間を置くと腸内で固形化することもあり、検査後には出来るだけ早く輩出することが推奨されています。通常は下剤が渡されるので、下剤を使って早めに出しますが、私の場合その日のうちにうまく出ないことが時々あります。

そんな時の翌朝に出てくるのが、白い”バリウムうんち”です。薄っすら黄色ではありますが、ほとんど白色のキレイなウンチです。しかしこのバリウムうんちが厄介なのです。昔の水量が多い水洗トイレでは、普通に流せたのですが、最近の水を少量しか使わない節水タイプのトイレでは流れないのです。これは、バリウムがとんでもなく比重が重いためです。計ったことが無いので正確ではありませんが、バリウムうんちは通常うんちの2倍以上の比重がありそうです。

”例のブツ”が、その日のうちに出た場合は問題ありませんが、翌朝出た場合は恐怖です。仕方ないので、トイレ詰まりを解消する大きな吸盤みたいなヤツで、”スッポンスッポン”を繰り返しています。水洗便器メーカーに要望します。年に一回しか使わないかもしれませんが、”超水流モード”を加えて下さい。隠しコマンドでも構いません。本気マジで、よろしくお願いします。

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