シンデレラ(Cinderella)は、ディズニーアニメにもなった有名な童話です。その主人公の名前は、シンデレラと思われがちですが、本当はエラ(Ella)です。実はCinderellaは、Cinder(灰)+Ella(人名)の合成語で、エラの蔑称になっています。昔の翻訳本では、『灰かぶり姫』あるいは『灰かぶり』などと翻訳されています。
シンデレラのあらすじは説明するまでもありませんが、エラは継母やその連れ子である姉たちに下女のようにこき使われていました。彼女はいつも掃除ばかりさせられていて、煤や灰を被っているように煤けて見えたので、”灰を被ったエラ”という意味でシンデレラと呼ばれるようになりました。そんな苦労人のシンデレラは、魔法使いの協力もあり、その後、王子様と結ばれて幸せに暮らします。
このことはWiki先生にも書かれていますが、私は初めてそのことに気付いたのは、アメリカに住んでいた時でした。まだ字が読めない娘に、絵が可愛かったのでシンデレラの絵本を買ってあげました。10ページくらいの簡単なものでしたが、(当然ですが)英語でストーリーが書かれていました。その最初のページの数行目に、「Her name is Ella.」と書かれているのを見つけて驚きました。それまで、シンデレラが本名(?)だと長い間思っていたのに、本当はニックネーム(この場合は蔑称)だったのです。
シンデレラのストーリーは世界中で好まれたようで、世界にはシンデレラに似たお話がけっこう残っています。 現在知られている中で最も古い話は、ギリシャの歴史家ストラボンが紀元前1世紀に記録した話だそうです。
日本にシンデレラが紹介されたのは1886年頃ですが、1900年には坪内逍遥が、高等小学校の教科書用に「おしん物語」という題名でシンデレラの物語を書いています。シンデレラは、苦難を堪え忍んでいるので、和風の”おしん(お辛)”という名前にされたようです。しかし、NHKの『おしん』を知っている世代には、シンデレラとおしんは結びつきません。やっぱり、シンデレラは西洋風の『シンデレラ』がしっくりきます。
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