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嘘つきは泥棒の始まり

 今日は4月1日で、エイプリルフールです。エイプリルフールの日には、”嘘をついても許される”風習があります。エイプリルフールの起源については諸説ありますが、日本が安土桃山時代の頃、すでに16世紀にはフランス貴族が使用人に嘘をついて困らせた、といった記録が残っているそうです。日本にいつ頃入って来た風習かは知りませんが、私が子供の頃はApril Foolを直訳した『四月馬鹿しがつばか』が使われていました。今のように、カタカナの”エイプリルフール”が一般的になったのは、ここ20-30年位でしょう。

 エイプリルフールでも、深刻な嘘は困りものです。そこで、知恵を絞って”思わずニッコリする嘘”を考えます。私は親から、「嘘つきは泥棒の始まりだ。嘘をついてはダメだ」と刷り込まれているので、今でも嘘は苦手です(嘘)。

 1976年にイギリスの天文学者がエイプリルフールについた嘘が、なかなか修逸です。その嘘は「本日、冥王星と木星と地球が一直線に並ぶので、地球の重力がわずかに軽くなります。その瞬間ジャンプすると、少しだけ宙に浮くことが可能です」と発表しました。もちろん真っ赤な嘘だったのですが、これを試した人から「宙に浮いた」と報告する人々が多発したそうです。嘘だとわかっていても思わず試したくなる”良くできた嘘”ですし、”少しの恥ずかしさ”を我慢すれば、大きな損害もありません。

 エイプリルフールにもルール(作法?)があるようです。そのひとつは、「嘘をついて良いのは午前中だけ」というルールです。このルールの起源についても諸説ありますが、嘘であることに一日中気づかずにいると、だました側も罪悪感がつのりますし、嘘を信じて思わぬ事態に発展してしまう恐れもあります。そのため、午前中に嘘をついて、午後にはネタばらしをすることがマナーになっているそうです。

 エイプリルフールのエピソードではありませんが、1938年10月、アメリカのラジオ局が『火星人の来襲』を実況中継しました。これは、ニュージャージーに落下した円筒形の宇宙船から火星人が出てきて、人類の虐殺を始めたというニュースです。もちろん嘘の作り話なのですが、あまりにも迫真の内容だったため、リスナーの中には事実と勘違いした人が続出して大パニックとなったそうです。

 あまりによくできた嘘は、真実以上に信じられてしまいます。皆さん、嘘にはくれぐれも気を付けましょう。


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