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宮廷音楽の起源は悪霊祓い?

とあるマンガの中で、音楽について語るシーンがあって、「宮廷音楽のルーツは、弓矢の弦を鳴らす音で悪霊払いをしたのが起源なんだ」と説明されていました。それって本当なの?、と思ったので調べてみました。

”宮廷音楽”という言葉から、西洋のバロック音楽を想像していましたが、西洋音楽の弦楽器のルーツが”悪霊祓い”だったとする記述は見つかりませんでした。しかし、西洋ではなく”日本の宮廷”には”悪霊払い”の要素があったようです。

日本の宮中行事には、『鳴弦めいげん』というのがあります。鳴弦の儀は、弦打つるうちの儀とも呼ばれ、平安時代から宮中で行われていた鬼を退ける儀式/神事です。この儀式では、矢を使わずに”弓の弦”を強く弾き鳴らして音を四方へ発することで、天地四方の摩気や邪気を祓います。

元々は出産や産湯などの誕生儀礼として始まりましたが、次第に夜間の警鐘及び滝口武者の名対面の時、天皇の日常の入浴時、主の病気祓い、不吉な出来事が起こった際など幅広く行われるようになったそうです。

この儀礼行事は現代まで続いていて、今日の皇室においてもお子様が誕生されてから七日目には、『読書・鳴弦の儀』が行われています。破魔弓はまゆみは、この鳴弦のための弓です。お正月に神社で売られている現代の破魔弓とセットになった破魔矢が4本であることが多いのは、先程の天地四方の考えに由来します。

最近、少し体が重い気がします。「悪霊退散!」

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