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 ”民族”という言葉に使われているように、”族”という言葉は、人間の”特定/固有”のグループに対して使われます。特に、日本ではサブカルチャーのカテゴリーとして使われます。

 かなり昔になりますが、最初のサブカルの族は『太陽族』です。これは、最近お亡くなりになった石原慎太郎さんが『太陽の季節』で芥川賞受賞をした際に、大宅壮一さんとの対談で大宅さんが”太陽族”という言葉を用いたことがキッカケとなったと言われています。太陽族は、夏の海辺で無秩序な行動をとる享楽的な若者(不良集団?)のことを指す言葉として流行語化しました。太陽族の特徴は、”慎太郎刈り”、”サングラス”、”アロハシャツ”です。さすがに私と世代が随分離れているので、リアルタイムの太陽族を見たことがありません。

 次の族は『カミナリ族』です。カミナリ族は、公道をオートバイで高速走行することを嗜好していた人達を指し、日本の昭和30年代から40年代頃を中心に用いられていた俗称です。カミナリ族はバイクのマフラーの芯を抜くなどの改造を施すことから騒音が大きく、その騒音が雷に似ているとことから、この呼び名がついたと言われています。カミナリ族は、その後の『暴走族』へと受け継がれていきました。

 暴走族は、オートバイ乗用車を用いて騒音を伴う無秩序な運転をする反社会的な集団を指します。カミナリ族はオートバイ中心でしたが、暴走族には乗用車も含まれます。また、カミナリ族は男性中心でしたが、暴走族では女性だけで構成される”レディース”も登場しました。かつて100以上もあった暴走族グループも、近年、少子高齢化や暴走族の後継者不足により暴走族の高齢化が問題になっているそうです。そのためか、過去に一度解散した暴走族のメンバーや新規の中年が暴走族活動をするケースが見られるそうです。

 最後の族は『竹の子族』です。竹の子族は、野外で独特の派手な衣装でディスコ音楽に合わせて”ステップダンス”を踊る若者の総称です。1980年代前半、原宿の代々木公園横の歩行者天国ほこてんでは、ラジカセを囲み路上で踊っていた若者グループが数多く見られ、原宿の名物になっていました。竹の子族の名前の由来は諸説ありますが、竹の子族が『ブティック・竹の子』で”独特な派手な衣装”を購入していたことが由来の一つと言われています 。

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 最近は趣味も多様化し、若者が大きなグループを作らないので、○○族という言葉をあまり聞かなくなりました。

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