マガジンのカバー画像

自分マガジン お薦め本

36
私が読んで面白かった本を紹介します。ジャンルは様々です。世間に余り知られていないであろうマイナー本から、メジャーな本まであります。
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

お薦めマイナー本#9 πの歴史

 3月14日は、バレンタインデーのお返しの日、ではなくてホワイトデーです。昔はマシュマロデーとも呼ばれていたように思いますが、いずれもお菓子屋さんの戦略です。もう一つのお菓子屋さんの戦略が、3.14の数字にちなんだ”パイの日”です。ここでのパイはお菓子ですが、πと言えば円周率ですね^^。  円周率は、整数の分数で表すことができない無理数で、3.14159265・・・と無限に続きます。数日前に、スイスのグラウビュンデン応用科学大学の研究チームが、円周率計算の世界記録に挑戦し、

お薦めマイナー本(番外編) すゞしろ日記

 『すゞしろ日記』は、画家・山口晃さんが描いた漫画エッセイです。私が最初にこの漫画エッセイに出会ったのは、東大出版会が出している『UP』(ユーピー)というPR誌に掲載されたものでした。UP自体が小さなPR誌ですから、この漫画エッセイも小さく、びっしり書かれたセリフを読むのは大変でした。しかし、その面白さから、毎号楽しみにしていました。  山口画伯は緻密で美しい日本画を描く人で、その道では有名ですので、美術系の雑誌ばかりでなくて、漫画の表紙などでも目にすることが出来ます。なの

お薦めマイナー本#8 時の娘

 ルパン3世は有名ですが、リチャード3世は日本ではあまり知られていません。リチャード3世(Richard III)は、ヨーク朝最後のイングランド王で、薔薇戦争の最後を飾る王様です。薔薇戦争とは、赤薔薇が記章のランカスター家と、白薔薇が記章のヨーク家(リチャード3世)が争ったため、後世にそう呼ばれた内乱です。  リチャード3世はシェイクスピアによって、ヨーク朝を滅ぼした後継王朝であるテューダー朝の敵役として稀代の奸物(悪役)に描かれ、その人物像が後世に広く伝わったと言われてい