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#58 夏が始まっていた

7月。8月の前の月。
夏休みへの期待に胸を膨らませていたときのことを思い出す。
学校へと向く一歩一歩が休みの始まりに近づき、と同時に休みの終わりにも近づいていたのだと気が付いたのは10歳の時だった。
1週間しか生きられないセミを心の底から憐れんだときのこと。
決して多くはない選択肢を前に自由だった。
体を撫で、心を遠くに運んでくれるのはあのときも今日も同じ風。
今にも学校指定の青と白のプールバッグが追いかけてきそうだ。


昨日は頑張って8時に起きた。二度寝しようか迷ったけど、何とか電気をつけ体を起こした。あの1秒間の誘惑にさえ負けなければ良い1日が送れる。
昨日は特にやらなければならないことがなかったというか、見つけられなかったので映画を見た。

前からずっと見たいと思っていた『浮雲』を見た。
1955年、成瀬巳喜男監督によって林芙美子の同名の小説を原作としてつくられた映画。
第二次世界大戦中に仏印に駐屯になった富岡とタイピストとして赴任したゆきこは恋に堕ちる。許されない恋と知りながら。
敗戦後、妻と別れるという富岡の言葉を信じて東京に引き上げてきたゆきこであったが、冷たくあしらわれてしまう。結ばれないふたり。愛は生々しく残酷に当人たちのエゴと寂しさをあらわにする。

70年前も昔の映画だからきっとまったく意味わからないんだろうなって思って見始めたけれど、案外理解することができた。分からない言葉の数で行くとスペイン語の映画を見た時と対して変わらなかった。

映画は最後ゆきこが病死するところで終わる。そこで富岡は初めて涙し慟哭する。ゆきこの死、喪失によって、ゆきこに対する自分の愛を思い知るという何とも皮肉なラストになっているが、それはゆきこにしても同じことで、富岡に対してゆきこは死を持ってしか立ち向かうことができなかった。どうしてかはよく分からないけれど、お互いに100%好きよりも、お互いに70%くらい好きの方が恋愛はうまくいくんじゃないだろうか。

商品化しよう

17時くらいからひらがなを教える動画を撮ろうと思って準備を始めた。まぁ正直俺がひらがなの動画を撮ること自体にはあんまり意味がないとは思う。けど、自分の日本語関連のyoutubeを見た時にひらがなの動画がなかったら信憑性に欠けると思った。あとは完全に親の扶養と庇護の中にいるうちに、ただ働きをして将来の自分のために何かを残しておきたいと思った。スライド作ったり、動画編集したりすること自体は財産になると思う。

昨日もビール飲まなかった。代わりにプロテイン飲んだ。マンゴー味のヨーグルト。美味かった。


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