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LEVI'S社を率いたリーバイストラウスは経営者の鑑。501XX誕生の秘密とは!?

1873年5月20日。
リベット付きパンツの特許申請が認可された日。
特許番号「139121」

リーバイスジーンズが誕生の瞬間です。

馬車の幌やブランケットなどを
作ることで生計を立てていたヤコブデイビスは

1870年12月。
近所に住んでいた木こりの女房にある依頼を
されました。
「何があっても破けないズボンが必要で
作って欲しい」

その依頼をうけヤコブは悩んだ挙句、
今までほぼ衣服に使用することなどなかった
帆布生地(ダック)を使ってトラウザーを
制作することを思いつく!

ダック生地はかなり厚く縫いにくかったが
一本のトラウザーを完成させました。
そのときにその木こりの女房が言った
もう一つの言葉を思い出す。
「ポケットの口もよく破ける」と。

そこでヤコブはサービスのつもりでポケット口の
補強として馬具で使うリベットを
打ち込んだ。
絵っぽくメイキングの瞬間です。

こうして完成したリベット付きトラウザーは
3ドルでその女性の手に。

すると程なく同じ注文がヤコブの下に
舞い込んできた。
その木こりが仲間にトラウザーの丈夫さを
アピール。同じトラウザーを求めて
きこり仲間からの注文が入ったのです。

結局ヤコブは1872年7月ごろまでに
200本にも及ぶトラウザーを作り販売。
当時彼はダック生地のトラウザーを3ドル、
デニム生地を2.5ドルで販売していた
と当時のリーバイス社宛の手紙に記録が
残っています。

そう約1年半の間にヤコブの作り出す
トラウザーは丈夫で当時のワーカーたちに
確実な需要があることがわかった。
そしてその理由がリベットを打ちつけたことに
よることもわかっていたんです。

ここでヤコブはある不安に駆られます。
売れるにつれ、「リベットを打って補強する
このアイディアはいずれ誰かに真似されて
しまう。」

そうすると利益を得ることができなくなると
考えたヤコブ。
しかし、リベットの特許申請に必要な
68ドルを払うことができない。

悩んだヤコブは取引先である
リーバイス社宛に手紙を書き、一縷の望みをかけて
特許申請に係る費用を払ってもらえるよう
お願いしたんです。

この当時リーバイス社の年商は
300万ドル。すでに商社として成功し、
経済人としても名が通っていた
リーバイストラウスは

なんと直接その手紙を受け取ったのです。

さらにその内容を受けすぐに特許申請の手続きを
行なってしまう。

さすがというのか。先見の明の凄さというのか。
社長リーバイストラウスの行動力で
あっという間に世界的発明をリーバイス社が
手中に収めてしまったのです。
そして当事者のヤコブデイビスは
自分が作り出した
トラウザー(オーバーオールズ)を生産する
工場の工場長として雇われることとなり
ヤコブの生活も保障されることになりました。

こうして1873年5月20日に特許申請が認可。
1873年6月2日にはリーバイス社製の
トラウザー「オーバーオールズ」が完成。
そして1年の間に実に21,000本ものリベット付き
トラウザーが作られることになります。

わずか1年半の間に100倍の生産量に
なったというわけになります。

木こりの女房が丈夫なトラウザーを作ってくれと
言わなかったら。
ヤコブが手近にあったリベットをポケット口に
打たなかったら。
今の501は生まれなかったのですから
面白いものです。

それにしても女性が注文していたなんて。
やはり直ぐに破けてしまう作業着ではコストが
かさむ。
家計を預かる主婦としてはそのコストを
少しでも抑えるために丈夫な
作業着は必要不可欠だった
ということですよね。

いつの世も財布を握っていたのは女性
なんですね^ ^

追記
リベットの特許は最初なかなか
通りませんでした。
すでに靴にリベットを打つ
という特許が認可されていたからです。
そこでリーバイス社は
リベットを打つ。という特許ではなく
ポケット開口部を補強するリベットという
形で申請し認可を得ることになります

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