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19世紀初頭ジーンズの起源「ケンタッキージーンズ」って知ってる!?

みなさん「ケンタッキージーンズ」って
ご存知ですか。
以前一度こちらで話したことがあるのですが。
もう一度。

その前に18世紀後半、アメリカにはジーンズの
語源でもある、イタリアジェノバから「ジーン」
と呼ばれる経糸も緯糸もインディゴに染まった
平織り生地が入ってきていました。
この生地を使って当時は作業服も作られて
いたようです。
「ジーン」の生地を使ったパンツなので
複数形で「ジーンズ」と呼ばれるように。

その後フランスのニームから入ってきた
綾織り生地が「セルジュドニーム」と
呼ばれます。
アメリカでは略されて「デニム」となる訳です。
この生地は経糸がインディゴで染められて
緯糸が生成りの糸で構成された生地。
現在のデニム生地と同じでした。
デニム生地はニーム地方で当時のジーン生地を
模倣して作られた物という話もあるくらい
似ている生地でした。

すでにアメリカで流通していた「ジーン」生地の
パンツは「ジーンズ」と呼ばれていて
それとよく似た「デニム」生地のパンツも
先に呼ばれていた「ジーンズ」という呼び名で
呼ばれ、「デニムズ」とはアップデート
されなかったということになると思います。

このようにのちにリーバイス社が仕入れる
デニム生地はすでに18世紀末には
アメリカに輸入されていました。
そしてその生地を使ったパンツもすでに
同じ頃から存在し、
その後19世紀中頃にはアメリカ本土で
生地も生産されるようになっていきます。

昨年NHKBSでジーンズのドキュメンタリーを
放送していましたがその中で
当時の黒人奴隷がジーンズを履いていた
というくだりがありました。

黒人奴隷はあまりに過酷な労働を強いられて
いたためしょっちゅう逃げ出していたそうです。

逃げ出すと奴隷の所有者は新聞に奴隷探しの
広告を出し、その中の特徴として
「ジーンズを身につけている」という記事が
必ずと言っていいほど記載されていました。
そしてその中には「ケンタッキージーンズ」
という記述もあるんです。

ケンタッキージーンズの詳細は
僕もよくわからないのですが、19世紀中頃
まではジーンズといえば
「ケンタッキージーンズ」のことを指すことが
多かったみたいです。

そしてこの「ケンタッキージーンズ」こそ
リーバイス社のジーンズが登場するまでは
労働パンツの主力として履かれていたうちの
ひとつだったのです。

1873年にリーバイス社はリベット付きの
パンツをリリースする際、
その「ケンタッキージーンズ」より丈夫で
品質の良いパンツとして
世に送り出します。
リリースの際に「ケンタッキージーンズ」に
使われていた
デニム生地と同じ(クオリティは違いますが)
デニムで作られたパンツであった
ということもあり、
後の501XXジーンズを
「ケンタッキージーンズ」と明確に区別
するため、「オーバーオール」と名付け
各店舗にそう呼ばせるように指示。
ところが同じ生地で同じ、パンツにしか
見えない労働者や店舗の主人は
「オーバーオール」と呼ぶことなく
リーバイス社のパンツも「ジーンズ」と
呼んでいたのです。

その後1890年ごろ
いわゆる我々が知る「オーバーオール」が
誕生します。

正確には「ビブオーバーオール」
ですがビブが外れて「オーバーオール」と
呼ばれるように。
※ホンジャマカの石塚さんが履いているやつです^^

そのオーバーオールとも差別するため
さらにリーバイス社は「ウエストオーバーオール」と
変更して呼ぶようになります。

これはリーバイス社による確固たる
高品質パンツを提供している自負から生まれた
呼び方だったと言えると思います。

リーバイス社が自社製品を正式に
「ジーンズ」と呼ぶのはそこから100年近く
先になる訳ですから。

今日はジーンズの呼び方について
少しお話ししました^ ^

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