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LEVI'S 1st Gジャンの袖に疑問を持ったことないですか?留めにくいって^^

Gジャン
LEVI'S506XX通称1st。
このジャケットの袖口ってなんか
気になったことないですか?

「ボタン留めにくいなあ」とか
「2ndや3rdとボタンが逆だよなあ」
とか。思いますよね。

だからなんとなく理由が知りたくて。
調べてみました。

まず袖口(カフス)は18世紀ごろに
誕生したもののようです。
この時代袖口が開くようになって
いたのは「シャツ」

シャツは当時は下着としても用いられ
必ずウエストコートの下に着るもの
でした。
ウエストコートやその上に着るコートの
装飾が華やかになるのに応じてそのコート
から見えるシャツ部分の袖口や襟元の
フリル等の装飾が多くなるのもこの時代。
着脱がしやすいように袖口が
開くカフスに。
そしてその袖口を留めるカフリンクスが誕生
します。

19世紀入りシャツは次第に簡素になり
現代のシャツに近づきます。
この時期に発明されたボタンが袖口に
付き、現代の袖口とほぼ同じになります。

ここまで話すとおやっ?
なんで「シャツ」なの?
と言う疑問が出ますよね。
そうなんですよ!

袖口のカフスはシャツのディテールなんです。
ここからは想像の域を出ませんが、
この頃のアウターはコートのように
ある程度ロングなものが主流。
コートなどは袖口に装飾が施されていて
外見からでも華やかだった。
一方丈の短いアウターはシャツとして
考えられていたのではないかと。

さらにはワークウェアとして考えていくとき、
丈の短いものの方が動きやすかったはず。
その丈の短いアウターを構築していく際に
おそらくコートからではなくシャツから
構築していったのではないかと思います。
だからショート丈のジャケットは
袖口がカフスになっているんだと思います。

ここまで整理してようやく506XXですが、
このジャケットの前に「トリプルプリーツ
ブラウス」が原型に存在します。

これはブラウスというくらいだから
ジャケットとはいえシャツの延長線。
だから袖口(カフス)なのは当然
なんですが、
この当時から袖口を開くには「剣ボロ」と
呼ばれる別パーツで一手間かけてるんですよね。

ところがこのトリプルプリーツブラウスは
まず袖が1枚袖。さらに剣ボロは存在
せず、ボディ側面から一気に袖口まで
縫い上げ、その途中から袖口を
カフスボタンにしているわけです。
これは
おそらくワークウェアとして生産量を稼ぐために、
作業工程を一つでも減らそうとした
結果ではないかと思うんです。

そしてこのトリプルプリーツブラウスから
506XXに型が進化した後も、おそらく
作っていた工場は同じで、袖口の縫製
工程は変更されることなく1952年まで
続いたのではないかと思うんです。

そして1953年507XX誕生となる訳ですが、
このタイミングはリーバイス社が生産
工場を増やすタイミングと合致します。

新たな工場は従来の縫製工程を踏襲
することなく、作りやすい現在の
袖口の作り方に変えたんではないかと
思うんです。

出ないと506XXの袖口縫製の
面倒臭さを合理的なアメリカ人が
踏襲し続けたのか理解できないんです。
トリプルプリーツブラウスから506XXに
変更する時は、工場の縫製工程を
変えるより、そのままにしておいた方が
合理的だったんじゃないかと。
そう思うんです。

でもだからこそ特徴的なあの袖口が
長い間作られて、私たちも楽しむ
ことができる。
そんなディテールが産まれたんですよ。
きっとね。

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