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昨日の続き! 映画の中のジーンズ「乱暴者」マーロンブランド 後編

昨日の続きです。
1953年に公開された映画「乱暴者」

洋題「WILD ONE」この映画は
ジェームズディーンやエルビスプレスリーにも
多大な影響を与え、さらに1950年代以降の
ファッションにも大きな変革をもたらした映画
として知られています。

ジーンズとTシャツとレザー。
これを組み合わせた最初のコーディネイトであり
これが定番に。今では当たり前のコーディネイトが
この時誕生したんです。

元々実用品として着られていたダブルブレスト
コートをバイクに乗れるよう短くしたのが
ダブルライダースの始まり。
第二次大戦中にアメリカ軍がschottやなどに
オーダーし誕生したと言われています。

このレザーを当時の除隊した若き軍人たちが、A-2やG-1の
フライトジャケットから、このダブルライダースに
着替え、戦闘機からバイクに乗り換えた事で
徐々に広まったそうです。

さらに若者たちはそのレザーにジーンズを合わせて
1940年代後半にはバイカーズファッションとして
確立されていきます。
とはいえこの時代はまだバイク乗りに限られた
不良ファッションという位置付け。
多くの人からは受け入れられていませんでした。

映画乱暴者ではそのバイカーズたちにスポットを
当てた映画。
前述した通り、マーロンブランドは
そのバイカーズたちと生活。
バイクとライフスタイルをそこから吸収します。

その映画でマーロンブランドは自ら衣装の
指示をしたそうです。
(ちなみに乗っていたバイク
トライアンフ6Tサンダーバードは
マーロンブランドの私物です)

そうして映画乱暴者の衣装は伝説になります。

もちろん役者だけでなく本物のバイカーズ達が
多く出演しているのでジーンズやブーツ
バイクなどは自前の出演者もいたと伝えられて
います。

ではまずレザージャケットから。これは
デュラブル社のダブルライダースジャケット。
デュラブル社についてはほとんど資料がなく
どのようなブランドであったかは定かでは
ありません。
このライダースはホースハイド。
タイトなフィット感を出す為に赤い
サテン地の裏地は取り外されています。

これに左胸に主人公の名前ジョニーと
背中にはチーム名の略称とシリンダーを骨に
見立てたスカルが描かれています。
ちなみに
「BLACK REBELS MOTORCYCLE CLUB」
の頭文字でB.R.M.Cと入っています。

さらにジーンズはリーバイス501XXの47モデルか
片面タブ。

ただしこのジーンズはマーロンブランド用に
かなりカスタムされています。
当時バイカーズの間ではジーンズをタイトに
履くことが流行っていました。
(それはバイクに乗る時に邪魔にならないよう
タイトにし、さらにジーンズの裾が油で
汚れないよう膝下10cmくらいまでロールアップ。
こうすれば油汚れはブーツに付くので
拭き取れば良いだけ。ということになります)

マーロンブランドは下半身の太ももが大きく
太ももに合わせるとかなり大きくなってしまう為
ウエスト部分の調整と両サイドシームを詰めて
タイトなテーパードジーンズに仕立てました。

このカスタムはジーンズをロールアップした写真が
多く残っているのでその写真のアウトシーム
「赤耳」を見れば異常に太いですから、
詰めてあったことが容易に推測できます。

ただ中にはアウトシームを詰めていないと思われる
写真もあるので何本か履き分けていたのかも
しれません。

さらにマーロンブランドはカスタムしたジーンズを
いたく気に入り、プライベートでもバイクに乗る際
履いていたそうです。

ブーツはエンジニアブーツ。
このエンジニアブーツは甲の部分に付いている
ベルトで調整するだけなので、レースアップの
ワークブーツに比べ手入れが簡単。さらに
先程の油汚れを簡単に拭きれることこら
バイカーズ達に気に入られ、バイクブーツとして
履く代表的な靴になっていました。

そして当時の代表的なブランドチペワを
この映画の中では選んで履いています。

映画で注目すべきもう一つは主人公
ジョニーの揉み上げ。この揉み上げどこかで見たこと
ありませんか?
このヘアスタイルはジョニーカットと呼ばれ
もみあげを残すスタイルが当時流行ったそうです。

そしてあのエルビスプレスリーの揉み上げは
このジョニーの揉み上げがモチーフになって
いるとこういうわけです。

しかしこの映画、マーロンブランドは気に入って
おらず長い間観ることはなかったそう。
だからある時この映画が若者のバイブルになって
いると知り、相当驚いたと伝えられています。

またイギリスではその過激さから1960年代後半
まで上映禁止の映画でした。

なのに1970年代にはダブルライダースといえば
イギリスパンクロック
という紐付けになるのですから面白いですよね。

最後にグループサウンズのワイルドワンズ。
この名前は加山雄三がこの映画から拝借し
名付けた名前だそうです^_^

今日はこんな感じで。
なんか取り止めもなくなってしまった💧

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