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ジーンズの裾上げはなんでユニオンスペシャルが良いのだろう!?
今日はジーンズの裾のアタリについて少しだけ。
ジーンズの裾といえばチェーンステッチ。
それって履きこむほどによいアタリが出るから
ですよね。
そしてこのアタリに一役買っているのが
ユニオンスペシャルの43200Gと呼ばれるミシン。
![](https://assets.st-note.com/img/1692613316286-ilbsZRpgr0.jpg?width=800)
僕のお店でも
「裾上げはユニオンですか?」なんて聞かれることが
よくあります。
ではなぜユニオンの43200Gで上げるとあの
ヴィンテージジーンズと同じアタリになるので
しょうか?
それにはこの43200Gの特性を理解すると
理屈がよくわかります。
このミシンの特徴は針が奥から手前に向かって
斜めに付いているということ。
![](https://assets.st-note.com/img/1692613338564-qVj4xBsQLM.jpg?width=800)
この斜めの針が絶妙なアタリを生み出します。
理屈は下記の通り。
裾を上げる場合、生地は手前から奥に向かって
縫いながら送られていきます。
一方で針は奥から手前に向かって生地に対して
斜めに入ります。
生地は三つ折りにして縫ってますので
3段重ねになっている生地に対して上から
少しずつずれて針が刺さることになります。
言い換えればジーンズの表側と裏側は
生地が微妙にズレているということです。
さらに
ジーンズの裾は端っこよりも1cmほど
内側を縫っていて、その縫われているところは
針で生地が抑えられていますが、
1番端っこ(裾のキワ)は手前から奥に向かって
送られているわけですから、
ここでも裾のキワとキワより1cm内側の
いわゆるステッチ部分にもズレが生まれます。
これによってジーンズの裾は斜めにアタリが
出るわけです。
ちなみにこのナナメのアタリは
裾を上げるときに反時計回りで縫い上げますので
必ず半時計回り(右から左)に向かって出ます。
右綾の場合ジーンズのねじれと反対方向に
アタリが出ると覚えたら間違いがありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1692613386939-5tpoktf1m2.jpg?width=800)
これはやはり針が斜めに付いていて、尚且つ
筒状に縫うことができる
ユニオンスペシャル43200Gならではなんです。
このユニオンスペシャル43200Gが活躍していた
初期の頃は針が今ほど丈夫ではなく、折れやす
かった。
特にデニム生地を3枚にかさねて縫う裾の部分は
かなり厚みがあり、針が折れにくいよう
斜めに針を付けた。と言われています。
このユニオンスペシャル43200Gは
裾上げ専用ミシンで、1930年代後半から
1980年代までジーンズ工場で現役で
活躍していました。
1番初期のミシンは黒
中期は茶色
最後の後期はベージュ色をした個体です。
今では貴重な裾上げ専用ミシンです。
ダルマと呼ばれる相性の如く縦長で通常の
ミシンより省スペース。コンパクトさから
長く活躍していました。
それでも最後のユニオンスペシャル43200Gから
すでに40年近く。
今ではミシン自体が貴重です。
ユニオンスペシャル43200Gで上げて
もらえるところは限られてきてしまいましたね。
当時の知恵と工夫が味わいのある裾のアタリを
生み出していたなんて^_^
面白いですよね!
当店ではユニオンスペシャル43200Gでの
裾上げをいたしますので、気軽にお申し付け
くださいm(_ _)m
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