出根終(でねふぃん)

見た夢作家。昼寝研究家。夏季はハイボール、冬季はマサキクのンピ。敷布団と掛け布団の間に…

出根終(でねふぃん)

見た夢作家。昼寝研究家。夏季はハイボール、冬季はマサキクのンピ。敷布団と掛け布団の間にサンドウィッチされることこそ、至高。

最近の記事

+14

写真集「平凡なるジャガーたち」 副題:~グッバイ東京~

    • 2005.5.5 「 瀞けて候 」

      ちとばかり、薄気味の悪い話だ。 まるで暗闇の滑り台から、光の中へ滑り出たような気分だった。真夜中のバイトを、ぱっくりと辞めた。辞めたとたん、当たり前のように、日の光が自分の生活に戻って来たのである。人間の性とは恐ろしい。あれほど昼夜、サボらずひどい睡眠時間で稼動し続けた私が、「真夜中の拘束」と縁が切れた瞬間、いつぞやの自分に逆戻りである。午前4時に目覚ましをかけたのにも関わらず、2度寝ならぬ10度寝以上を繰り返し、幻想にかき混ぜた毛布を抱きしめて目を開ければ怠惰な日の光に満

      • 一行詩集

        この宇宙を構成する一欠片として、 目を閉じれば世界を闇に出来る神として。 僕は君を、欲する。 5月の夜に、いくつかの思い出あり 光と影と、その間にあるものに祈りを捧げる。 5月を生きるあなたは、 5月を生きる誰かを、 しあわせにしているかも       やがて5月 青空が車の音をたて

        • あたしの谷根千あんない

          そうだね、あなたが谷根千に興味を持って、一度行ってみたいと思うなら、 月並みな情報やお誘いは他の数ある方々に任せておいて、 ひとりで来てみたらどうだろう。 なにか悩みを抱えて、アンニュイな気持ちで訪れてみてはどうだろう? 日暮里駅北口を出て左に曲がり、 そこから始まるのはただただアホのようにただの街を歩くというバカげた1日の潰し方だ。 このクソつまらない、 坂だらけの街を歩いて歩いて歩くんだ、 なんて無駄な1日を故意に過ごすように。 おまえが貧乏だとなおさら

        写真集「平凡なるジャガーたち」 副題:~グッバイ東京~

        +14

          お酒のおともに!ポエム林檎風味。

          (注・この詩集は、HP時代、椎名林檎調の詩を書いて遊んだ企画です) 林檎風味。 ※ゴキゲンに合わせてご賞味下さい。朝、及び勤務中の服用を堅く禁じます。 ◆「七つの星座」 遠い昔につけた傷口を 今は愛する不思議 想像を絶するほどの 大航海の真っただなか あきれるほど人を想ったことがあったねえ、今はあきれるほど 人を愛したことがありました 航海の途中に 振り出しの頃を思い出すこともあるのさ、 永いたびだからね 夜空を見上げよ、あの光は 幾億の祈りを一身

          お酒のおともに!ポエム林檎風味。

          ひみつのひみつは、秘密なのよ?ウフフッ♡

          さて、ワトシンくん。 たしかに「俺バー」は「まどマギ」の後出しだが、僕が「まどマギ」をパクって「俺バー」を作ったのではないことは、おわかりいただけただろうか。 じゃあなぜ、同じ原型と思想を持つ物語が同じ時期に出来上がるなんてことが起きたのだろうか? 考えてみようぜ。 ちなみに僕の俺バーが何の影響を多大に受けているかというと、「仮面ライダー電王」「侍戦隊シンケンジャー」「仮面ライダーオーズ」の小林靖子脚本の3作品であることは、知ってる人なら誰でもわかるだろう。そもそも、小林

          ひみつのひみつは、秘密なのよ?ウフフッ♡

          秋晴れの下、新種の笑顔を手に入れて歩いたよ

          とりあえずご挨拶。 今日までコメントやスキを下さったみなさま、ありがとうございました!励みになりました。 でさて、「俺たちのバージョンアップ」。 noteの形で久しぶりに読み返してみたら、ひどい文章だと思ってたけどここまでひどかったのかと改めて失笑。原案書きなぐりをよくもまあ相手任せにネット公開するよなあ自分、と笑った。 と同時に、やっぱめっちゃ面白い。自分の面白いが詰まってる。めっちゃ熱い愛、溢れる読み手への思いが伝わってくる。 いやほんと、 あらためてね、 名作書いたな

          秋晴れの下、新種の笑顔を手に入れて歩いたよ

          24.トリ(最終話)

          「俺は、この水晶を誰にも渡さない」 「ーえ!?」顔を上げるみんな。 真剣な眼差しでナンクをみつめ返したトリ、 「暗闇に気の遠くなるような時間ひとりでいることになっても。自分以外の、すべてを失っても。なんで生まれて来たのか、なんで生きているのか、ずっと考えて来た。誰の、何のためでもなく、自分の証を立てられる術はたったひとつ、、、。 ー俺が、世界の創生者になる」 「!!!」全員絶句 「フッ」 ナンク、ドラム缶の上に再び腰を下ろし乗り上げた片足に腕を載せ斜に構えると、 ニヤリと笑い

          24.トリ(最終話)

          23.宇宙コンビニでの出会い

          なぜ時は流れているのでしょう? 私は、宇宙コンビニで働いていました。ガニマデ星域のオハ084地点にポツンと建っている、食料品や日用雑貨はもちろん、宇宙船工具や宇宙銃も一揃えしてあるなかなか立派なコンビニです。詳しく言いますと、ガニマデ星から直線距離で480メトルート、衛星ホウニュウからですとランバン隕石群を右折して4000バンバン行ったところにあるコンビニでした。その立派な宇宙コンビニを、私はひとりで任されていました、パート扱いでしたが、宇宙ドライブスルーを兼ねたそのコンビニ

          23.宇宙コンビニでの出会い

          22.水晶

          ーと。 「ぶはーっ!」 声を上げて水を吐いて湯船の水の中から立ち上がったトリ、 「う、ぐぐ、、、」 と銃撃でボロボロのワイシャツで呟いて苦しそうに湯船を出る、全員唖然と見上げる、 一言もないみんなの沈黙の中、 トリ、ふらふらと歩きながら銭湯のドアを開けて出る、脱衣所を歩き、トイレのドアを開けて閉める音、 「う、うぐぐ、うぐわーっ!!」 大きなうめき声と共に陶器にものすごい量の鋼鉄が(弾丸)落ちる音、トイレットペーパーをからから巻く音、やがて水洗の水を流すジャーッという音、銭湯

          21.宇宙夫婦乱れ射ち

          「で、だ。本当の標的とおぼしいヤツらをここに集めたんだがー、そいつが誰かわかったぜ。ーまりえ」 振り返ってまりえにうなづいてみせるナンク。応えて頷くまりえ。 ナンク、まりえ、マシンガンを構える。 「きゃー!」 「ちょ、ちょっとちょっと!」 「待て!おまえたち、やめろ!」みんなの前に立ちはだかってみんなを守ろうとする圭祐。 フッと鼻で笑うナンク、 ナンクとまりえ、銃乱射。 ものすごい銃撃音、頭を抱え縮こまるみんな、 立ちはだかった圭祐最初の数発を額や胸に受け即倒れる、 そこから

          21.宇宙夫婦乱れ射ち

          20.銭湯にて

          ドボーン! すごい水しぶきと共に全員水の中、 「わー、わー、なに!?」 「あたたた」 「ここどこ?」 「なんかあったかい、、、つーか気持ちいい」 気が付けば銭湯の湯船の中、みんなずぶ濡れのままぞろぞろ湯船から出る、それぞれケロヨンのイスに腰掛けたり湯船の縁に座ったり。トリは湯船に入ったまま壁の絵に寄り掛かっている。 「どういうことなの、なんなの」 「なんだ、銭湯かよ、どうして?」 銭湯の広い洗い場に倒れていたドラム缶を引き起こして腰掛けたナンク。立てた片膝に片腕を載せながら、

          19.自分

          「フフ、おまえはおまえを何と呼ぶ?」 「俺」 「他に?」 「うち」 「そうじゃなくて」 「自分?」 「そうだ。おまえも、おまえも、おまえも、自分は自分だな、 すべての個は認識する、自分は自分と。みんなにとって自分は自分、つまりこの世界には自分というひとりしかいないんだ。それをみなバラバラに体感しているだけ、つまり俺はおまえであり、おまえはこいつであり、つまり自分という存在は人類がいる限り、それを認識するものがいる限り永遠なんだ、つまり死なない、おまえたちは偉大なる「自分」のそ

          18.スマホについて少し

          「お前たち、スマホを知っているか?」 「バカにしてんのか!」 「いきなりそういう世俗的な話になんの?」 「あれ、便利だよなあ」 「哲学の話なのか?流行の話したいのか?」 「あれ、クラウドってやつ使えるだろ」 「そうそう便利!ネット上の倉庫みたいなところと自分の持ってるスマートフォンと、情報同期しちゃうんだよね、すごく便利な世の中になったと思う!」 「ふふ、それだ」 「?」 「おまえたちがなんで存在するか。死んでおまえという意識がどうなるか。教えてやろう。 さてお前の持っている

          18.スマホについて少し

          17.雲の上にて

          「さむっ!」 全員、気付くと雲の上。眼下に日本の景色が広がる。 「わーっ!ほんとに雲の上だっ!」 「さむっ!めっちゃさむっ!」 「ふふ、温度調節してやろう。どうだ、すがすがしいだろう?」 「わあ、なんか、気持ちいい。めっちゃ気持ちいい!」 「しあわせー!夢の中にいるみたい」 「すげえな、こんなに高いところから街を見下ろしてるぜ」 「うひょー!孫悟空じゃねえか、俺たち今リアル孫悟空じゃねえかよ!」 「しあわせや、しあわせすぎるわあ♪♪♪」 全員を乗せた雲は流れの速い雲の群れから

          17.雲の上にて

          16.おまえたちをバージョンアップ

          「なにそれ、どういう意味?それが、私たちの命を狙うこととどういう関係があるの!?なんで私たちなのよ!」叫ぶリン。 「ふふ。まあ急くな。時間はたっぷりー、はないが、説明する時間ぐらいは作れるだろう。さて、おまえたちに訊こうか。おまえたちはなぜ生まれて来た?なぜ存在すると思う?」 「いきなり、わけわからねえそんな話か!」 「そんなんー、それは、・・・・どうなんやろ」 「いきなりそんなこと言われると、結構答えに窮するな」 「わからない、わかる人なんていない、と思う」 「目的とか、夢

          16.おまえたちをバージョンアップ