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ポモドーロ・テクニックで集中しよう

ポモドーロ・テクニックという時間管理の技術があって、それをずいぶん前から使っている。

この手の管理術みたいなものはいろいろ試してみたが、維持コストがつり合わず長続きしないことが多い。そんな中、ポモドーロ・テクニックはシンプルかつ即効性があり効果が体感しやすいため定着した。逆説的だが、今ではトマトのタイマーが動いていないと自分が集中できている認識がもてなくなっている。

昔はテクニックも休憩もいらず気が済むまで集中できていたような気がするが、歳を重ねると手持ちの資源の中で集中力が一番最初に枯渇するようになる。限りあるリソースを適切に運用しないとなにもあとに残るものがないので、集中力を絞り出し、指向性をもたせることが最重要事項となる。

ポモドーロ・テクニックについて

メジャーなテクニックなので説明の必要もないと思うが(正式な説明は本なりWikiなりを読もう)簡単にいうとキッチンタイマーをかけて25分集中する > タイマーが鳴ったら5分休む > またキッチンタイマーをかけて25分集中する、と時間を区切って作業をする時間管理方法だ。ポモドーロというのはイタリア語でトマトの意で、トマト型のキッチンタイマーに由来する。

このやり方には以下のような効能がある。

  • 長期計画や悩み事を一旦横に置いて、とりあえず25分作業をしてみるか、という気分になる(目の前の作業に集中できる)

  • 定期的な休憩を忘れない

  • 自分で時間を意識して管理しなくてよい(タイマーが知らせてくれる)

  • どれぐらい集中して作業をしたのか定量的に測れる(記録しておけばあとで集計できる)

  • 難しい準備がいらない(タイマーがあればよい)

いいところ

僕は計画を攻めすぎ、かつ自分のアウトプットを過信する傾向があり、ついがんばれば自分がなんでもできるような気分になってしまうのだが、25分という冷酷に区切られた時間の中で作業をすることで時間の有限性と自分の限界をしっかりと認識することができる。自分に作業を割り当てて、時間をしっかりと采配しないとなにひとつ物事を成し遂げることができないのだ、という事実を再認識できる。

また、一度作業を始めると過集中してしまう傾向もあり、特にリモートワークになってから区切りなく作業をし続けてしまう。それが永遠に続けばいいのだが、どこかで体力が切れるととどっと疲れてしまったりする。そうなる前に休めばいいのだけど、ON > OFF でも OFF > ON でも状態を変えるというのは意思決定のコストがかかるもので、つい休憩がおろそかになる。

ポモドーロ・テクニックを使うと勝手にタイマーが鳴るので、そのタイミングで明確に5分間休むという区切りが自動的に入る。自分で時計をチェックしなくてよいので、時間管理は完全に外部化でき、自分の責務から切り離せる。おかげで25分間は完全にドライバーとして走ることに集中できる。で、一度立ち止まり、次の25分をどう使うかという俯瞰的な視点が生まれる。

また、リモートワークというのは周囲の目がないので、休憩を入れるときに心のどこかに罪悪感のようなものが生まれる(根が真面目なのだ)このせいで休憩中もどこか落ち着かなかったりするのだが、明確な方法論として5分間休むことが全体の効率を上げる上でもベストである、という枠組みが与えられるので休憩にも集中しやすい。

使っているアプリ

じゃあやってみるか、というときにタイマーさえあれば実行できるのがよいところではあるのだが、やはりトマト型のキッチンタイマーを使うというのは少々原典至上主義すぎる。そこまでストイックになるのも大変だし、せっかくなのでいつでも持ち歩いているものを使って実行できるのがベストだ。あとで集中した回数を集計してみたりもしたい。

そうなると僕の場合は常に持ち歩いている iPhone のアプリを使う、ということになる。

使ってみてよかったのは TickTick というアプリで、これはそもそもタスク管理アプリとして秀逸だったので使い始めたのだが、その中の一機能として含まれているフォーカス機能(=ポモドーロ・タイマー)が使いやすいのでそれを使っている。

iPad を使ってもいいのだが、 iPhone でタイマーをかけると Apple Watch の振動でセッションの区切りがわかったり、セッションの中断・開始をコントロールできるので主にそっちを使っている。

TickTick のいい点

  • iPhone のダイナミックアイランドに小さくタイマー表示が出る

うっかりスマホをいじり始めた時にも
意識がフォーカスに戻りやすい
  • スタンバイモード時も大きくタイマー表示が出る

  • Apple Watch と連携してくれる( iPhone を見ているときは時間になると iPhone が震え、見ていない時は Apple Watch が震える。また、 Apple Watch でも開始や中断の操作ができる)

  • 作業中にホワイトノイズが出せる(バリエーションが多い。僕は作業中はカフェの雑音を流して、休憩中は森の中の自然音を流している)

作業中に YouTube で配信を流しても
ホワイトノイズは消えないのがうれしい
  • フォーカスをタスクや習慣に紐づけられる(どの作業に何時間使ったのか集計してくれる)

  • フォーカスが増えていくと表示されるトマトの数が増えていくので楽しい

5個ぐらいから光り始めるので達成感あり
  • 集中した時間があとで集計できる

年単位のヒートマップや集中している時間帯など
様々なグラフあり

集中しよう

ちなみにこのアプリ、タスク管理ツールとしても非常に使いやすく、サブスクリプション契約を注意深く避けるケチな僕が珍しく契約しているサブスクのひとつだ(月額¥360円)

出先でも自宅でもこのアプリを使っているのだが、騒がしいカフェで AirPods Pro のノイズキャンセリングを使って周囲の音を消音した上でカフェの喧騒のホワイトノイズを聴きながら作業をする、という最新技術の不毛な浪費をしている。

正調は25分作業 > 5分休憩なのだが、自分はなぜか20分作業 > 5分休憩で馴染んでしまった。まぁ集中力がない方なのでこれでいいだろう……

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