一軍系陽キャと仲良くしてた話
俺が学校で最も苦手だった人種=「一軍系」
今回は、俺がある「一軍系」の男子と仲良くしてた頃の話である(中学)。
きっかけ
例のごとく、その一軍系男子をAと呼ぼう。
Aはサッカー少年であり、小学校の頃から足が早くて有名だった。
そのため、小学校ではクラスのリーダー格的存在あり、中学も地元の公立中学に進んだので、そのような立ち位置は引き継がれていた。
俺は基本的にそうしたリーダー格の人たちとは無縁の学校生活を送っていたが、Aとは小学校六年間で登校班が同じだったため、それなりに関わりがあった。
そして、そんな彼と少しだけ仲良く(?)していた時期が中学3年の秋頃である。
中学3年とは、俺とAが小2ぶりに同じクラスになった年だ。
7年振りに同じクラスになったため、互いに小学校の頃のような距離感では無かった。
新クラスになったばかりの頃に、Aと一回話したことがあったのだが、俺も向こうも少し他人行儀な感じであった(小学校6年間で登校班が同じだったという繋がりはあったのに…)。
そこから、お互い特に関わることもなく9月の体育祭辺りまで時が進んでいく。
(リーダー格はリーダー格みたいな奴らと関わっていたし、俺は俺で仲良くできそうな奴と関わっていた。)
二学期の中間テストを控えていたある日、俺は最寄りの図書館で勉強していた。
そしてその帰り道、自転車を走らせていると。
見覚えのある男が80mくらい先を自転車で走っていた。俺にはその男がAに見えた。
そのため、声をかけようと必死で追いかけた。
だが、追いつかない。
滅茶苦茶に速いのだ。
しかし、それでほぼ間違いなくAだろうと確信した。彼ならこれだけ速いのも頷ける。
結局、Aには追いつけずそのまま家に帰った。
そして、確認のLINEを送った。
すると、やはり前を走っていたのはAだった。
どうやら家族で寿司を食べに行っており、一人でチャリを走らせて帰っていたらしい。
よく飯を食ってあんだけ動けるものだ。
俺は、軽い挨拶のつもりでLINEを送ったのだが、向こうから意外な誘いが来た。
それは、明日一緒に勉強しに行かないかというものだった。
俺は、意外に思いつつもそれを承諾した。
そして、これがAと関わるようになるきっかけであった。
謎の「親友呼び」
その翌日から、休みの日はAと一緒に勉強しに行くようになった。
そして、いつからかAは俺のことを「親友」と呼ぶようになった。
正直、俺は何で親友なのかがよく分からなかったが。学校でのお友達グループとは違う人と、休みの日に2人で会うとなると確かに「親密」な関係という感じはする。
今となっても、彼が俺を親友と呼んだ理由はよく分からない。
基本的には一緒に勉強しに行っただけだったが、「親友」呼びが始まってからは、昼飯を食いに行った時なんかに好きな人を聞いてくるようになった。
さすがに、俺は彼をそこまで信用してなかったので、今ではなく過去に好きだった人の名前を教えた。
また、「親友」呼びが始まってから、やたらとイジってくるようになった。イジりといっても、中学生のイジりだ。何の目的も持たないイタズラや罵倒みたいなものだ。普通に不愉快だった。
「親友」…?
さらに、「親友」とは呼びつつも、少しずつ俺に対するマウンティングのような行為が増えていった。
Aは学校でのリーダー格グループの連中からは、よくイジられていた。変なあだ名をつけられて呼ばれるというものが主である。
しかし、「親友」であるはずの俺がそのあだ名で呼ぶと、「調子乗んな」と言ってくるのだ。
体育のバスケの授業では、やたらと俺をマークしてきて、妨害とまでは行かないだろうが、授業のバスケにしてはかなり強引なマークをしてきた。
また、俺の自宅の庭でAとサッカーボールを蹴って遊んでいたら、Aのスニーカーに猫の糞が思い切り着いてしまったことがあった(俺の家の庭は広い芝生で、猫がよく糞をする)。
そして後日、何かの拍子に俺がその話をリーダー格グループの人にしようとすると、Aが「お前それ言ったら、〇〇(俺が昔好きだった人)のことバラすぞ」と脅してきた。リーダー格グループの奴らからイジられるのを恐れていたのだ。
だったら距離置けばいいのに。
そして、当時俺が最もムカついたのが10月の合唱祭を控えたころの事である。
当時、Aには同クラスに彼女がいたが、その彼女と喧嘩して別れただかで不機嫌な時期があった。
さらに、合唱祭直前には歌の朝練があったのだか、Aがそれをサボったことがあった。
その日の朝のHRで、Aは担任にマジギレされていた。まぁ当然だ。Aは体育祭の時に実行委員長をやっていた人間だったので、体育祭は頑張っても合唱祭はテキトーというのは通用しない。
(便宜上体育祭・合唱祭と言っているが、実際は「〇中祭 体育の部/文化の部」という名前である。つまり2つは同じ行事なので、体育の部だけ真面目にやって文化の部はいい加減にやるというのは筋違いというわけだ。)
さて、体育祭での役職者でありながら、合唱祭の練習を自分勝手な理由でサボるというナメたことをしてくれたのにも腹が立ったが、問題はそこでは無い。(俺は当時指揮者だったので、腹を立てるくらいの正当性はあっただろう。)
Aが先生にブチギレされた後、一時間目の授業が理科室であった。
そして、教室の前に置いてある実験道具を各々が取りに行くのだが
俺が実験道具を取りに前へ歩いていた時に、横を通ればいいものを、わざと俺を腕でどかしていくのである。
言葉であの状況を説明するのは難しいが、要は一種のマウンティング行為である。
(話は変わるが、俺の中学のリーダー格は決まって人を強引に腕でどかすところがある。自分が体を横にしてすり抜けるわけでも、声をかけるわけでもない。また、こうした行為は自分よりカーストが下の人間にしかしないので、恐らく確信犯的にやっている。)
なので、さすがに呆れた。
「親友」とか呼ぶくせしてこれ。
もはやジイ行為
そして、10月の合唱祭が終わり、後期の学級委員を決める頃。
俺の中学の学級委員は男女一人ずつで、男子の候補が2人居た。その内の1人は先生が擁立した卓球部の男の子で、もう1人がAだった。
Aは学級委員を滅茶苦茶やりたがっており、その卓球部の男の子はあまり乗り気では無かった。
俺はまだAのことを嫌いになってはいなかったし、卓球部の子が嫌がっていたこともあり、学級委員についてはAに投票することにした。
また、何故か俺が先生に当てられ、どちらが学級委員に向いてるか意見を聞かれた。その際に、俺はAが体育祭実行委員長をやっていたことを挙げ、Aは学級委員にも適性があるみたいなことを言った。
そして、結局後期の学級委員にはAが就任した。
その後俺に、「やっぱお前は親友だ」みたいなことを言ってきた。
しかし、Aのことは正直信用していなかったので、適当なこと言ってんなくらいにしか思っていなかった。
そして、俺はAに投票したことを後悔するのである。
学年の終わり、卒業が近くなると、卒業式の合唱練習が始まる。
クラスで合唱練習をしていると、後ろからリーダー格グループの一人がふざけてちょっかいを出してくることがあった。
俺がそれに反応すると、Aは注意してきた。
もちろん、俺にだ。
そもそもリーダー格がちょっかいを出してくることが原因なのに、俺が怒られる。
そして、リーダー格の奴には注意をしない。
むしろ一緒にふざけてる時だってあった。
こんなことが何度かあり、この頃にはもうAには愛想を尽かしていた。
謎の「親友」呼びもその頃には無くなっていた。
そのため、もはやAは都合よく俺にイキってくるただのマウントモンスターに成り果てていた。
所詮は、一軍系陽キャである。
よくあれで学級委員が務まるなと思わなかった日は無かった。
(俺の中学の学級委員は、中2くらいから陽キャが目立つために就く役職と化していた。とんだ茶番だ。しかも、先生からの株も上がるので一石二鳥である。)
そんな感じで、卒業してからはAとは全く会っていない。
他にも、Aのウザかったエピソードは色々あるが、このくらいにしておこう。
結局、ほほ愚痴みたいになってしまったが、この経験からよく分かったのは、安易にカーストの違う人間と仲良くしてはならないということである。
中学のリーダー格があんな感じだったので、高校でもリーダー格とは関わらなかった。ろくなことにならないからだ。
まぁ、高校は高校でまた別のカーストがあったのだが、その話はまた今度。
それでは。
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