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どう思う?ねぇ?どう思うの?教えてよ!?ねぇ!?



小学校、中学校、高校、大学(ゼミ)で散々言われ、その度に言葉に詰まってきた質問がある。

今でも上手く答えられる自信が無い。



「あなたはどう思う?」

という質問だ。




道徳の授業中、教科書の登場人物の行動に対する自分の考えを聞かれる。

先生 「~について、お前はどう思う?」

俺 「・・・・(どう思うって何だ?何て答えれば良いんだ?自分ならどうしたかという仮定の話をすれば良いのか?それとも登場人物の行動に対する感想を言えば良いのか?何を答えれば良いんだ?うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)。」

先生 「・・・。じゃあ〇〇、お前はどうだ?」

俺 「よし!別の奴に当たった!( ´Д`)=3 フゥ」



といった具合に

「質問が漠然としており回答に困る」

のがひとつ。





社会の授業中、例えば歴史ではなぜこの人物は〇〇を行ったのか、公民ではなぜこの政策が施行されたのかを聞かれる。


先生「はい。じゃあ〇〇について、俺君はどう思いますか?」

俺 「・・・・(やべぇ。分かんねぇし、何も思いつかねぇ。とはいえ、質問的に分からないとも言いづれぇ。あの先生、正解じゃなくていい、自分で考えることが大事とか言うけど、こっちはその自分の考えさえ出てこねぇっつーの。
よし、こうなったら・・・)。」

俺 「・・・・(少し申し訳なさそうにして数分だんまりを決め込む)。」

先生「ちょっと厳しかったかな。じゃあ××君。」

俺 「よし!」



といった具合に

「分からないと言いづらい」

のがふたつ。





中3のある日、教室内にお菓子のゴミ(ブルボン)が落ちていたことがクラス内で問題になった。その際、学級委員が一人一人クラスのメンバーを廊下に呼び出し話を聞くという犯人捜し(?)をしていた。

学級委員「このお菓子のゴミに心当たりはある?」

俺 「いや、特に思い当たらないです。」

学級委員「そっか。じゃあ今回のこの出来事についてどう思う?」













俺「・・・・。(どう・・・思う?は?なんでたかだか学級委員のお前らがそんなこと聞くん?。大体、何で教室内にお菓子のゴミが落ちてたことに対して何かを思わなきゃいけないねん。てゆーか、あんたら一丁前に犯人捜しみたいなことやってっけど、あんたらも犯人候補の内の一人やからな?。それに、教室内にゴミが落ちてたっていうだけで、他クラスの人間が落とした可能性だってあるやろ?もうよそうや、こんな茶番じみたこと。)え、えっと・・・。ブルボンのお菓子って美味しいよなぁって思いました。」

学級委員 「👊(殴)」



といった具合に

「そもそも関心が無い」

のがみっつ。




余談だが、俺の中学の学級委員は男女で1名ずつおり、その男子の方は別のnoteにも出演しているので是非。






さて、「どう思う?」とは人を困惑させる非常に厄介な質問である。単なる〇×や、決められた正解を答えれば良いわけではない。

あの質問に答えるには、ある事柄に対して、自分が何を感じ、考え、どういう結論に至ったのか、これらすべてを適切に言語化して相手に伝えなければならない。

もっと言えば、ある事柄に対して何かしら自分なりの結論を出せるだけの前提知識をもっていなければならない。

もっともっと言えば、自身がある事柄に対し何かを感じ考えるだけの興味・関心(知的好奇心とも言うべきか)や思考力、主体性をもっていなければならない。





俺は、特に小中学生時代は、この質問が大嫌いだった。自分の考えなど無かったからだ。

自分の考えはおろか、その「自分」さえも無かった。

それに、たとえその「自分」があろうとも、先程の言語化プロセスを瞬時に行うことはそう簡単ではない。小中学生なら尚更だろう。





そもそも、小学校・中学校という義務教育の場で「あなたはどう思う?」という生徒に主体性を要する質問は合っていないように思える。

よく聞く話ではあるが、日本の義務教育は「個」よりも「集団」を重んじられる。「みんなと違う」よりも「みんなと同じ」ことが重要である。

それ故に、求められるのは先生の言う事に従順に従う忠誠心や、場の空気を敏感に感じ取り周囲に合わせる協調性であり、自分で考え行動する自主性ではない。
つまり「自分」は必要ないのである。


そのような環境の中で「あなたはどう思う?」という質問をされても回答に困るのは当然のことだろうと、今となっては思う。

先生の言うことに脳死で従う場で自己を求められる。これ以上の理不尽がどこにあるか。

まぁ、仮に自分の意見を言えたとて、大抵はセンセイの示す正しさに塗り替えられてしまうのだが。








結局、俺たちは学校や先生のつくりだす正しさに踊らされていた、愚かなマリオネットというところだったのだろう。



おしまい。




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