ある青年の1週間
1日目。午前8時。
僕は一目散に鏡を見た。
もう梅雨が明け、世間一般的には夏である。
ジリジリとした空気の中で風を感じながら歩いていると、微かに湿った風が吹いていると共に、今でも恥ずかしそうに麦わら帽子で顔を隠した子がいた。
「ねぇ、隣いい?」 と、さっきの子が尋ねてきた。
「もちろん。」
だけど君は何も言わずに頼んだカフェラテを吸いながら、僕の顔を見てはどこか浮かない顔をしていた。
「どうしたの?」 と聞いてみたら、
「何でもない」と、笑いながら答えるんだ。
だけど、分かったことはただ1つ。
君の瞳に静かに雫が零れていたこと。
僕はただただ君を摩ることしか出来なかった。
「場所変わって」
「あぁ、ごめん。」
鏡越しに、大丈夫だよっと言って、その場を去った。
君が笑ってくれますように。
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