東京歯科大学2023年度物理の過去問解説 第2回
こんにちは私立歯学部予備校のデンアカです。シリーズ物として東京歯科大学の物理の過去問解説と、予想問題を掲載していきます。本日は第二回です。
熱力学
物質量 $${n}$$ [mol], 絶対温度 $${T}$$ [K], 圧力 $${p}$$ [Pa] の理想気体がある。圧力を一定に保ちながら、この理想気体に熱 $${Q}$$ [J] を加えたところ、体積が $${\Delta V}$$ [$${m^3}$$] だけ増加した。気体定数を $${R}$$ [J/(mol・K)], アボガドロ定数を $${A}$$ [1/mol] として、以下の設問に答えよ。ただし、この気体は単原子分子理想気体ではない。
(i) 気体の分子数を求めよ。
(ii) 熱を加える前の気体の体積を求めよ。
(iii) この変化で、気体が外部にした仕事を求めよ。
(iv) (iii) の答えを $${W}$$ [J] として、この変化での気体のもつ内部エネルギーの増加量を求めよ。
考えてみましょう!
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問2 解答・解説
物質量 $${n}$$ [mol]、絶対温度 $${T}$$ [K]、圧力 $${p}$$ [Pa] の理想気体に熱 $${Q}$$ [J] を加え、体積が $${\Delta V}$$ [m^3] だけ増加した。このときの様々な物理量を求めます。
(i) 気体の分子数を求めよ。
解説
気体の分子数 $${N}$$ は、物質量 $${n}$$ [mol] とアボガドロ定数 $${A}$$ [1/mol] を使って次の式で求められます:
$$
N = nA
$$
解答
気体の分子数 $${N}$$ は、
$$
N = nA
$$
です。
(ii) 熱を加える前の気体の体積を求めよ。
解説
理想気体の状態方程式を用います:
$$
pV = nRT
$$
ここで、体積 $${V}$$ を求めるために、この式を $${V}$$ について解きます:
$$
V_0 = \frac{nRT}{p}
$$
解答
熱を加える前の気体の体積 $${V_0}$$ は、
$$
V_0 = \frac{nRT}{p}
$$
です。
(iii) この変化で、気体が外部にした仕事を求めよ。
解説
等圧変化(圧力一定の下での変化)の場合、気体が外部に対して行う仕事 $${W}$$ は次の式で表されます:
$$
W = p \Delta V
$$
解答
気体が外部にした仕事 $${W}$$ は、
$$
W = p \Delta V
$$
です。
(iv) (iii) の答えを W [J] として、この変化での気体のもつ内部エネルギーの増加量を求めよ。
解説
熱力学第一法則を用いると、内部エネルギーの変化 $${\Delta U}$$ は、加えた熱量 $${Q}$$ から外部にした仕事 $${W}$$ を引いたものになります:
$$
\Delta U = Q - W
$$
解答
内部エネルギーの増加量 $${\Delta U}$$ は、
$$
\Delta U = Q - W
$$
です。
まとめ
(i) 気体の分子数:$${N = nA}$$
(ii) 加熱前の体積:$${V_0 = \frac{nRT}{p}}$$
(iii) 気体が外部にした仕事:$${W = p \Delta V}$$
(iv) 内部エネルギーの増加量:$${\Delta U = Q - W}$$
東京歯科大学の物理の出題内容とレベル
出題範囲は物理基礎・物理になります。基本分野の力学・電磁気・熱力学から満遍なく出題されています。熱力学も基本を押さえれば難しくないでしょう。
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