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小説ネタ:酔っ払いの真実
朝の電車はこのところの世界的な流行のせいでマスクが目立つ。
マスクをするのが悪いとか、しないのが悪いとかどっちだろうと思うこともしばしばだ。
稀に一般人が買えないマスクなども登場する。
咳をしてる人はマスクをしていない人が多い。
最近少しずつ暖かくなった為か色々な人を見かける。
ある酔っぱらい、若い、イケメン!!
身なりの良い青年が車内で座っていた。
ブツブツと何を言っているかわからないが音、声らしきものが聞こえた。
バタバタバタと足を床に打ち付け、少し大きめの声で、これは決してうるさいレベルではない。
謎かけの歌を歌い始めた。
イケメンの周りには女子が取り囲むの基本の構図であるが、その女子たちから笑顔が消えた。
彼の射程圏内は通常満員電車のはずなのだが、素晴らしい空間が広がった。
彼の死角にいた女子はその様子を見ながら少しにやりとした。
そして、他の女子たちも死角に移動していた。
いつもの上辺トーク、「大丈夫〜」らしきとこをコソコソと話していた。
イケメンバタバタ男子の歌はこの世の理不尽歌っているようにも感じたが、時々数字を呟いていた。
世界の人口の数より食料の数が上回っているのに何故、飢餓があるのだろうと呟く。
彼は普段人々が疑問に思わない、普通に考えれば違和感あったり、変だなぁを淡々と歌として綴やっているようだった。
彼の影響力は下車する時にも発揮される。
トロトロ歩いてる人は〜と歌い始め扉が開く瞬間にダン、ダンと床を叩いて見せた。
F1のスタートダッシュとまでは言わないが、いつもとその車の人々は動きが違う。
普段ならチンタラして邪魔に感じていた人々が小走りに改札に向かう。
驚いた、実に快適だ!
いつもは必ず遅れる乗り換えがうまくいった。
たった1人の変になっている酔っ払いの真実は何処にあるのかは知らないが彼は少なくとも経済を動かした(笑)
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