見出し画像

3-3.受付の方とのやり取り

〜受付の方〜

法人営業あるいは法人への架電でのto B営業においては、最初に会話する方=受付の方です。

受付の方の信頼を得て、営業対象の方に気持ち良く繋いで頂くことが出来るか出来ないかで、運命は大きく変わります。

素晴らしい商品・サービスを届け普及の可能性を見い出すのか、逆にその可能性を削いでしまうのか、大きな分かれ道です。

よく『受付突破』などという言葉を耳にしますが、品位を感じません。

敵ではないですし突破対象ではありません。
敬意をきちんと持って臨みましょう。

〜受付の方の立場について考える〜

受付の方の語り口調やスタンスやアクションから、その企業や経営陣の『人に対する在り方や社風』を垣間見ることができます。

少なからず組織の指示やルール、かもし出す雰囲気があり、最前線の受付の方にも引き継がれて行動や表現の選択に至ります。

受付の方の立場と心理をイメージしていきましょう。

上長の方から『営業の電話は断ってくれ』『営業だったら席外しと伝えておいてくれ』と、指示を受けているケースがあり、相手が営業だったら門前払いしなければならないケースがあります。

これを安易に通してしまうと、上長の業務時間を削ってしまい、怒られてしまうかもしれません。

・営業電話は上長の時間を奪う悪い電話だ。→正義を貫こう。なんとしてもブロックしよう

・営業電話は相手にしなくてもいい価値のない電話だ→そうだ、意地悪な態度を取って追い払おう

このように、受付の方は門番のように架電者をブロックし、時にはつめたい言葉を放つこともあります。

ただ、受付の方は元来冷たい人物ということではなく、使命感や正義感から行動を起こしているので、決して傷ついたり嘆かないことです。

大抵の方が、私達と同じように冗談を言って笑ったり、困っている人がいたら助けてあげる事ができる善良な常識人であると考えられます。

〜受付の方から存在を認めていただく〜

それでは、逆にどのような状況であれば可能性を見い出せるでしょうか。

通したくない気持ちの逆が正解となります。

・この電話を通さねば、逆に損失を出してしまうかもしれない、逆に怒られるかもしれない(通すべき電話かもしれない)。

受付の方は、架電者の数秒のトークから通すor通さないの判断材料を瞬時に解析して仕分け業務を行います。

そのジャッジを肯定的なものにするためには、営業対象の方同様に、敬意を持ち、先に述べた心得を踏まえてコミュニケーションを取る事が大切になります。

〜タイプ別の傾向〜

受付業務をする方にも様々なタイプがありますが、大きくいくつかの傾向について記してまいります。

・姉御のような方

・柔らかい方

・クール&ドライな方

・責任感ある守護神のような方

こちらについてそれぞれまとめておきます。

・姉御のような方

 →相手の誠意を感じたら、自身で段取りを組んで自主的に動いてくださいます。味方になるとたいへん心強いですが、敵意を持った場合はなかなか許しをいただけません。
架電時に繋げずとも、お言付けも有効で、責任を持って伝えていただけるケースが多いです。

親しみを込めて誠意を伝え、役に立ちたい気持ちをきちんと認めて頂く事が重要です。
また、ストレートなお言付けなどの依頼をこちらからするよりも、誠意を届けた上で少し困った様子(『どうしたら良いでしょう、、、というような』)をしていると、先方から『じゃあこうしましょうか』とご提案頂ける事もあります。

このようなテキパキしたご対応は、医療関連の受付の方の中に多いように感じます。

・柔らかい(柔らか過ぎる)方

 →すぐに繋ごうとするアクションに動いて頂けるかもしれませんが、後から上長の方やや同僚から物言いが付くケースがあります。

そして、伝言ゲームが複数回続いて、結局お話出来ずというパターンです。

まだ入社間もない方や、業務に慣れていらっしゃらない方に起きうるケースです。

声や口調がどことなく純朴な雰囲気から、こちらのタイプなのでは?と判断します。

こちらについては、伝えてほしい内容の文言まできっちり伝え、その文言のまま正確に伝言して頂くことが大切です。

今回の連絡の主旨を簡潔にそのまま言えば伝わる言い回しで伝言して頂く事を心掛けましょう。

・ドライでクールな方

事務的で抑揚のないない口調でサバサバされているタイプです。

こちらは感情を揺さぶらず、ビジネスとしてのやり取り感を簡潔に表現する事が大切です。
尺を取りすぎたり、隙を空けてしまうとシャットアウトのリスクが生まれやすいと考えられます。

感情に訴えかけるようなスタンスは、かえって苛立ちを生んでしまうでしょう。

そのクールなトーンにアジャストして、淡々と内容をお伝えすること、これに徹しましょう。

・責任感ある守護神のような方

懐疑的で尋問を続ける傾向にあります。

おそらく必要のない電話が多くかかってきており、疑いの目から入っていかねばとのスタンスからアクションされているケースと考えられます。

こちらについては、どんなに矢継ぎ早のご質問を頂いたとしても、決してペースを乱すことなく、丁寧ににこやかに質問に答えることです。

それと同時に、間を逃さずにこちらから問いかけを挟み込み、受付の方に答えて頂く構図を作るのです。

会話のイニシアチブを取る必要があるということです。

心証を悪くせぬままに、イニシアチブを取るイメージをもって進みましょう。

〜接する際の心得と技術〜

・リスペクト

前述にある通り、対象者の方と全く変わらない純度で、1にリスペクト、2にリスペクト。親しみ・配慮を込めて瞬間瞬間を大切に接すことを心掛けていきます。

『お手数をお掛けします』
『親切に対応くださって感謝です』

このように相手の方を想う言葉を、真心で口をついて出るような心構えを大切にしていきましょう。

・いつも出入りしている会社のイメージで挨拶を。

自社にお客様としてよく出入りされるような関係者の方がいらっしゃると思います。

親しげに朗らかに『どうも』と微笑みながらご挨拶されることが多いのではないでしょうか。

まさにそのようなイメージでトークをしていきましょう。

いつも出入りしているような、親しげな雰囲気です。

『◯◯会社の△△と申します』→☓
『○○会社の△△です』→◯ 

と、言い回しも変えてみても良いでしょう。

そして、『今日は□□さん、もうお見えになってますか?』『□□さんお席に、おられますか?』と親しみを込めてお伝えすると、スムーズに進展するでしょう。

・『気』を消す

 対象の方がキャッチできないと、複数回架電することになります。

 架電回数が増すだけで不審に思われる可能性があるので、キャッチ出来ない場合は、あまり要件などを語らず、改めて自身の名前を強調することなく失礼することがベストです。

ラストに名前を改めてに聞かれても、伝言をされる手間に配慮するスタンスで『急ぎませんので大丈夫です』『こちらからのご連絡なのて大丈夫です』と告げましょう。

電話をした印象が強くなってしまうと、それだけでシャットアウトしようという気持ちにもなり、次回からの架電展開に影響を与えかねません。
心地良くも、『気を消す』動きでいきましょう。

・時間帯をずらす

毎回追客架電を実施しても、なかなかキャッチが出来ず、また毎度同じ受付の方が出てだんだん関係性が下がるケース、
または、どのようにしても明らかにその方の一存で取り次いで頂けないケースがあります。

先方の社内ルールで取り次いで頂けない場合と異なり、このような際は他の方にアプローチをしたいところです。

もし、普段の架電を日中コアタイムに実施しているのならば、朝の8時半〜9時や18時以降など、時間帯をずらすことで、他の方のご対応を頂けることがあります。

普段外出が多い営業の方の出発前や到着後など、電話取次を通常は行っていない方であれば、展開が変わる可能性があります。

〜まとめ〜

対象の方に加えて、受付の方にとっても、この突然の電話連絡というものにおいて、
心地良い風を吹き込む事で、小さくとも社会に明るい影響をもたらすことができるはずです。

突然の電話を『社会迷惑』ではなく
『社会貢献』にするために、一言一言を大切に刻んでいきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?