マガジンのカバー画像

ニンジャラクシー・ウォーズ

75
邪悪なる星間帝国ガバナスの宇宙ニンジャによって家族を皆殺しにされた青年ゲン・ハヤトは、とても速い宇宙船リアベ号に乗って宿敵ニンジャアーミーの陰謀に立ち向かう! 70'sスペースオ…
運営しているクリエイター

2021年12月の記事一覧

《分割版#3》ニンジャラクシー・ウォーズ【プリンセス・クエスト・アット・ザ・ミスティック・ニンジャ・タワー】

【#2】← ◆#3◆ 時はウシミツ・アワー。チロチロと燃える焚き火の周囲で、リュウ、ハヤト、バルー、グモの四人は思い思いの姿勢で横たわっていた。夕食を終えたリュウはハヤトと何事か話したのち、出立時刻を仮眠後の夜明け前と宣言したのだ。意外にもグモが異を唱えることはなかった。  リュウとハヤトが寝返りを打ち、宇宙寝袋に潜り込む。「WRAAAGH!」突如バルーが身を起こし、「何が勇者だクソ野郎め!……ウーン」バタリと倒れて高鼾を再開した。ひとりグモだけが仰臥したままギョロリと目を

《分割版#2》ニンジャラクシー・ウォーズ【プリンセス・クエスト・アット・ザ・ミスティック・ニンジャ・タワー】

【#1】←◆#2◆「何? ガバナス帝国の使者が余に目通りを」「ハッ。ニンジャアーミーの副長なる者が謁見を求めております」  モンゴー王国謁見の間、跪くグモの前でカン王が思案する。「いずれ正式な使者が来ると思うてはおったが……そも、彼奴らは如何にして王国の所在を」「ケン殿下のお遊びが過ぎたようでございますな」グモは嫌味たらしく言った。「ああも度々地上へ出られては、その隙を突いて宇宙ニンジャが潜入するのも無理からぬ事」 「何か知っておるような口ぶりだな」カン王は眉を顰めた。「

《分割版#1》ニンジャラクシー・ウォーズ【プリンセス・クエスト・アット・ザ・ミスティック・ニンジャ・タワー】

【承前】←◆#1◆「グワァァァーッ!」「WRAAAAGH! リュウーッ!」  ミツカゲビトにザイルを切られたリュウは、ゴースト山脈の大絶壁を真っ逆さまに落ちていった。宇宙猿人バルーの絶叫がたちまち遠ざかり、鋭い岩肌が幾度も身体を掠める。接触した瞬間ネギトロ必至。さりとてこのまま地面に激突すれば、五体はトーフめいて粉々に砕け散るであろう!  宇宙ニンジャアドレナリンが過剰分泌され、リュウの主観時間は泥めいて鈍化した。空中で身を捻って姿勢を制御。頭を上、足を下に。開いた両腕に

ニンジャラクシー・ウォーズ【ア・プリンセス・オブ・アンダーグラウンド】

◆#1◆ 霧の向こうに揺れる二つの光点は、やがてヘッドライトに変じた。エンジン音と共に無骨なシルエットが浮かび上がる。星間帝国ガバナスの紋章を側面にペイントした宇宙装甲車は、おぼつかなげに荒野を迷走したあげく……CLAAASH! 砲塔めいた巨大建造物の防御壁に激突、煙を吐いて停止した。  ガゴンプシュー……防御壁に設けられた鋼鉄ゲートが開き始めた。僅かな隙間から貴族風ウィッグ将官の肥満体がにじり出るや否や、その後からフルフェイスメンポのニンジャトルーパーが続々と現れ、ドタ